写真引用元:ミュージカル『SPY×FAMILY2 爆弾犬篇&豪華客船篇』 公式X(旧Twitter)
公演タイトル:ミュージカル「SPY×FAMILY2 爆弾犬篇&豪華客船篇」
劇場:東京建物 Brillia HALL
企画・制作:東宝
原作:遠藤達哉(集英社「少年ジャンプ+」連載)
脚本・作詞・演出:G2
作曲・編曲・音楽監督:かみむら周平
出演:木内健人、真彩希帆、泉谷星奈、磯野亨、有沙瞳、楢木和也、吉野圭吾、真瀬はるか、鎌田誠樹、山野靖博、丹宗立峰、新井海人、増山航平、本間健太、荒川湧太、石田彩夏、岩下零時、依里、大津裕哉、大場陽介、小倉優佳、桑原柊、島田彩、Taichi、堤梨菜、西村実莉、長谷川暢、般若愛実、武者真由、山口将太朗、吉﨑裕哉、玲実くれあ(観劇回のキャストのみ記載)
期間:9/9〜9/11(埼玉)、9/22〜10/29(東京)、11/7〜11/22(福岡)、12/1〜12/6(兵庫)、12/13〜12/19(愛知)、12/27〜12/29(山形)
上演時間:約3時間10分(途中休憩25分を含む)
作品キーワード:ミュージカル、漫画原作、スパイアクション、ホームドラマ、戦争、コメディ、笑える
個人満足度:★★★★★★★☆☆☆
遠藤達哉さん原作で「少年ジャンプ+」(集英社)で連載中の漫画である『SPY×FAMILY(スパイファミリー)』が、東宝製作によって続編のミュージカルが上演されたので観劇。
ミュージカル『SPY×FAMILY』(以下一作目)は2023年3月に帝国劇場で初めてミュージカル化され大好評を博しその後2025年に再演された。
一作目では、ロイド、アーニャー、ヨルの出会いと、アーニャのイーデン校への入学、ユーリやフィオナの登場が描かれたが、続編にあたる本作は、アニメ版のSeasin1の2クール目に相当するアーニャとボンドが出会う「爆弾犬篇」と、Season2で描かれる「豪華客船篇」をミュージカル化している。
私自身、コミックは未読でアニメはSeason2まで視聴しており、2023年3月の初演版を観劇している。
本作はWキャスト・トリプルキャスト制であり、私の観劇回はロイド役を木内健人さん、ヨル役を真彩希帆さん、アーニャー役を泉谷星奈さん、シルヴィア役を真瀬はるかさんが演じた。
物語の舞台は世界各国が水面下で情報を集めていた東西冷戦時代。
東国<オスタニア>と西国<ウェスタリス>は現状は平和な日常が訪れていたが、西国は凄腕のスパイであるコードネーム<黄昏>であるロイドは、ヨルとアーニャという偽装家族を作って情報を集めることになる。
アーニャはイーデン校で星〈ステラ〉獲得したご褒美にペットの犬を飼ってもらうことになる。
ロイドは任務に招集されたため、アーニャとヨルの二人で保護犬の譲渡会を訪れる。
その頃、キース・ケプラー(磯野亨)という東国の過激派テロリストグループのリーダーは、軍用犬に爆弾を巻きつけて西国のブランツ外相(鎌田誠樹)を襲おうとしていた。
その計画に巻き込まれたアーニャはキースたち学生に襲われるも、一匹の巨大な白い犬に救われるが…という話である。
本作は、アーニャがキースたちに襲われた時に、巨大な白い犬であるボンド・フォージャーに出会う「爆弾犬篇」を描く第一幕と、くじで当選したアーニャとロイドと、オルカ・グレッチャー(有紗瞳)を殺し屋<いばら姫>として護衛するヨルが豪華客船に乗り込む「豪華客船篇」を描く第二幕で構成されている。
第一幕は、舞台セットが西洋の街中で一作目に近い雰囲気を感じたが、第二幕に関しては舞台は豪華客船になるので、基本的に舞台セットは船のデッキの上や船内の宿泊施設になって様変わりする。
舞台セットが盆のように回転舞台になっている本作だが、その上に乗せるステージを第一幕と第二幕であそこまで様変わりさせてしまうのは演出として大掛かりで凄いと感じた。
舞台のストーリー構成が非常に良くて、これならば一作目のように中途半端に終わった感じもしないし、この舞台作品で完結する感じがして良い見せ方だと感じた。
改めて思ったことは、やはりスパミュは音楽が非常に良いということ。
第一幕は、一作目でもよく登場したスパイアクションを彷彿させる疾走感のある楽曲が多く観ている観客をワクワクさせる。
そして第二幕は曲調が変わって落ち着いたバラードが多い印象だった。
第二幕では、舞台セットも変わり、曲調も変わってくるので新しいスパミュの一面を存分に楽しむことが出来て、第一幕とは全く別のミュージカル作品を楽しんでいるような感覚になった。
そして一作目に比べて、続編はより戦争に対するメッセージ性が強いものになっていて、今のご時世を生きる私たちにはグッとくるものがあるだろう。
東国と西国でかつてあった戦争の痕跡を嘆く描写は、やはり人類は戦争なんてしてはいけないのだということをハッと突きつけられるメッセージがいくつも出てくる。
フィクションの物語を観ながら、そこには今現実世界で起こっている戦争への警鐘にも感じられて痺れた。
出演者に関しては演技も素晴らしかったのだが、特に歌と殺陣の素晴らしさが際立った。
特に私は、ヨル・フォージャー役を演じた真彩希帆さんの歌唱力と殺陣の動きを讃えたい(もちろんアクション吹き替え役もいるが)。
ヨルはアニメ版を観ていても分かる通り、いつもオドオドしていて自信がなさそうなキャラクターなのだが、戦闘になると一変して素早く敵を倒していく。
このギャップを見事に演じ分けられる幅の広さが求められるのだが、真彩さんはそれを卒なくこなしていた。
一作目のヨルはそこまで求められなかったので、続編になってヨルの求められる技量が何倍にも難しくなっただろうと感じた。
アーニャ役の泉谷星奈さんは言わずもがな可愛らしくて、いつも会場を沸かせていた。
こういう和む演技とシーンがあるからスパミュは目が離せない。
個人的には一作目が素晴らしかったので、本作はどんな出来栄えになるかと不安な部分もあったのだが、期待を超える素晴らしいクリエイションだった。
多くの人に届いて欲しい。
写真引用元:ミュージカル『SPY×FAMILY2 爆弾犬篇&豪華客船篇』 公式X(旧Twitter)
↓ティザー映像
【鑑賞動機】
2023年3月に初演されたミュージカル『SPY×FAMILY』を観劇して非常に面白かったので、続編のミュージカルも観劇したいと思ったため。
【ストーリー・内容】(※ネタバレあり)
ストーリーに関しては、私が観劇で得た記憶なので、抜けや間違い等沢山あると思うがご容赦頂きたい。
開幕すると、音楽と共にアンサンブルが黒い帽子を目深に被って登場する。そして、シルヴィア・シャーウッド(真瀬はるか)が登場し、物語の舞台背景を説明する。
世界各国が水面下で情報を集めていた東西冷戦時代、東国<オスタニア>と西国<ウェスタリス>は現状は平和な日常が訪れていたが、東国の国家統一党の総裁ドノバン・デズモンドは東西平和を脅かす危険人物とみなされていた。そこで西国は凄腕のスパイであるコードネーム<黄昏>は極秘任務を言い渡される。その名はオペレーション〈梟〉と呼ばれ、一週間以内に家族を作り、デズモンドの息子が通うイーデン校の懇親会に潜入して、デズモンドに接触せよというものだった。
コードネーム<黄昏>は、ロイド・フォージャー(木内健人)という精神科医に扮して、アーニャ・フォージャー(泉谷星奈)という孤児の少女を養子に迎え、ヨル・フォージャー(真彩希帆)という殺し屋の女性と結婚して、偽装家族を作ることになる。
アーニャを無事にイーデン校に入学させると、今度は特待生を取るために星<ステラ>を8つ獲得する必要があり、アーニャは奮闘していた。
ちょうどアーニャは星<ステラ>を一つ手に入れたところであった。アーニャは自宅でロイドとヨルに囲まれながら算数の勉強をしている。しかし分数もよく分かっていないらしい。ロイドとヨルは、アーニャが星<ステラ>を獲得できたご褒美に何が欲しいかと尋ねると、小さい犬を飼いたいと言う。
ロイドとヨルとアーニャは、飼い犬を探しに保護犬の譲渡会へ向かうことにする。しかしロイドはその道中で、緊急の任務が入ってしまい、アーニャとヨルは二人で譲渡会に向かうことになる。
アーニャは保護犬の譲渡会に行くと、そこにはハイエナのような黒く賢い軍用犬や、白い大きな犬を目の当たりにする。
その頃、キース・ケプラー(磯野亨)という東国<オスタニア>のバーリント大学の学生であり過激派テロリストグループのリーダーである彼は、学生たちを集めて西国<ウェスタリス>のブランツ外相を暗殺するために、軍用犬に爆弾を巻きつけて襲撃する計画を立てていた。
一方、ブランツ外相(鎌田誠樹)はロイドを呼び出し、東国<オスタニア>の過激派テロリストグループが自身の命を狙っているのでその対応を命じられる。
アーニャは保護犬の譲渡会で、白い大きな犬の心に自分たちの家族が映っているのを見て心動く。白い大きな犬は保護会を抜け出す。アーニャは白い犬を追いかけると、そこはキースたちのいる東国<オスタニア>の過激派テロリストグループのアジトに辿り着いてしまう。アーニャはキースたちに襲われそうになるが、白い大きな犬が助けてくれる。アーニャはこの時、この白い大きな犬が未来を予知できる力があり、それをアーニャが心を読める能力によって知ることで、未来を知ることができることが分かる。
アーニャと白い大きな犬は、再度キースたちに捕まってしまう。その時、ヨルはお腹が痛くてずっとトイレにいてロイドに早く任務から戻ってきてと叫んでいたが、トイレから出るとアーニャがキースたちテロリストに捕まっていることを知り、テロリストたちを撃退して助ける。
シルヴィアは、東国<オスタニア>で「プロジェクト<アップル>」という秘密の研究計画があり、子どもや動物を実験対象として、超能力やテレパシーを人工的に付与する研究が進められていたことを語る。
アーニャは、再び白い大きな犬が見る未来を覗く。すると、時計台が爆破してその瓦礫からロイドが下敷きになって死んでいる光景を目の当たりにする。アーニャは父が死んでしまうと思い、急いで時計台に向かう。
アーニャは、時計台がいつになったら鐘が鳴るのか、ベンチに座るおじいさんに尋ねると、あと30分くらいだと言われる。しかし、アーニャは30分って何分と分からなくなる。
アーニャは時計台に近づ木、爆弾が設置されている建物を見つけて中に入る。中には扉を開けると爆破する罠が仕掛けられていた。アーニャは解除の方法が分からなかったので、扉にケチャップで爆弾への警告を書き残す。
その後、その場にやってきたロイドは、アーニャの書いたケチャップの警告を読んで扉を開けて爆弾を爆破せずに済む。
キースたちは、ブランツ外相が衣装が歩いているのを目撃すると、彼に爆弾をつけた軍用犬に追いかけさせる。しかし、ブランツ外相と思っていた人物はロイドの変装であり、軍用犬が襲ってくる前に銃で軍用犬を撃って川へ突き飛ばし、爆弾を川の中で爆破させて噴水が上がる。
キースはブランツ外相だと思っていた人物が別人だと気がつき、そのまま車で逃げようとするも、ヨルに見つかって捕らえられる。
ロイドとヨルとアーニャは合流し、アーニャは自分のことを助けtくれたこの白い大きな犬を飼いたいとロイドに言う。ロイドは驚いて、小さい犬を飼いたいと言っていたのに、どうして大きな犬になったのだと問いただし、最初は白い大きな犬を飼うことに反対するが、アーニャはこの犬を飼えないのなら学校を辞めるとまで言い出してしまい、仕方なく白い大きな犬を飼うことになる。
シルヴィアは一人語る。かつて東国と西国で起きた戦争のことを。自分にもアーニャと同じくらいの娘がいたと。そして、シルヴィアは戦争で娘を亡くしたことを仄めかす。
ロイドとヨルとアーニャと白い犬で、緑に囲まれた建物を散歩している。人も沢山いる。アーニャは、この白い犬にボンド・フォージャーという名前を授ける。
街中では、豪華客船の切符が手に入るくじが行われていた。アーニャはくじを引くと、偶然豪華客船の切符を手に入れる。抽選会の抽選係(大津裕哉)は大きく鐘を鳴らす。
ヨルはとある任務に命じられることになる。それは、オルカ・グレッチャー(有紗瞳)とその幼い息子の護衛だった。裏社会をまとめていたグレッチャー家は内部抗争で崩壊し、オルカとその息子は亡命することになった。その護衛にヨルが抜擢されたのである。
ヨルは職場で嬉しそうにしていると、職場の同僚からなぜそんなに嬉しそうなのかとくすくす笑われる。旦那さんに嬉しいことでもしてもらったのかと。またヨルは、弟のユーリにも電話してグレッチャー家の護衛をすることになったと伝える。
ロイド、ヨル、アーニャの三人で会話する。偶然、ヨルがグレッチャー家を護衛するために乗る豪華客船と、アーニャがくじで当てた豪華客船が同じ船出会った。ロイドも仕方なく有給を取ってアーニャと一緒に豪華客船に同行することになる。
豪華客船が来て、ロイド、ヨル、アーニャで船に向かって大きく手を振る。これから船旅の始まりである。
ここで幕間に入る。
豪華客船の中、音楽と共に乗客たちはみんなでデッキの上で踊る。
アーニャとロイドは自分たちの豪華客船内の寝室に向かう。しかしアーニャは思ったのと違うと言って、狭いベッドに不満を漏らす。ロイドは、くじで当てたのはアーニャだし、船内なのだから仕方ないだろうと言う。でもアーニャは、二段ベッド初めてだから楽しみとも言う。
ヨルは、グレッチャー家の護衛を務めている。豪華客船内には、オルカとその夫のゼブ(楢木和也)とオルカが抱く乳幼児の息子がいた。オルカは自分自身の身の上を語りながらソロパートを歌う。オルカは自身の家族を内部抗争で失った悲しみを船のデッキの上で語る。
夜になる。ヨルの上司であるマシュー・マクマホン(吉野圭吾)が、船内を警備していると殺し屋を一人発見し、未然に懲らしめることに成功する。マシューは急いで船のデッキに上がって、ヨル、オルカ、ゼブたちと合流し、船内に殺し屋が潜んでいることを伝える。
オルカと乳幼児が寝室にいるところに、頼んでもいない食事が届いたと不審に思ったその時、その食事を運んできた男は殺し屋で、部屋に入る前にヨルが始末した。オルカの身に危険が迫っていると護衛は強化される。ヨルとマシューは乳幼児に死体と血を見せるのは良くないと思いつつ、寝室に殺し屋の死体を運ぶ。
アーニャは豪華客船内の売店で骨のおもちゃを欲しがる。ロイドは、こういう時にすぐに買ってあげるべきか悩む。一般的な父親であれば、こういう場合にすぐに買ってあげるものなのかと。
ロイドは、今回はアーニャのために買ってあげようと骨のおもちゃを買うが、買った時にはアーニャはすぐに飽きていて、ヨルが危険に晒されていることを察知して、なんとかしてヨルを助けようと奔走する。
マシュー、ヨルたちは、オルカに近づこうとしている殺し屋が船内に複数いることを察知し、殺し屋を捜索する。
ロイドは、今度は自分が色々なガラクタを身につけると、アーニャからダサいとドン引きされる。
アーニャはヨルを守らなければと必死だった。殺し屋と思しき人を発見し、まるでアーニャは殺し屋がこの船に忍び込んでいることを全く知らないそぶりで船員に、あそこに鼻くそつけた人がいるから掃除しておくようにと言う。子供が言うことだしと思っていた船員だったが、少し気になってその場所に行くと、殺し屋の痕跡があり後を追う。
その頃ヨルは、鎖鎌のバーナビー(増山航平)と戦っていた。人通りの多い場所だったので、このまま戦い続けると護衛だとばれると思い、人々も気にし出したその時、アーニャが通りかかってサーカスの出し物凄いとヨルを褒めたことでバレずに済む。
花火が打ち上がる。船上の人々はみんな花火に夢中でデッキから見ている。ロイドとアーニャも花火を見ていた。
ロイドはヨルのことを思う歌を披露する。
その間に、ヨルはオルカを襲う殺し屋たちに攻撃を仕掛ける。刀使い(本間健太)が現れる。ヨルは戦う。ヨルは負傷して刀使いに追い詰められるも、花火を見ていたアーニャがヨルの危機を察知して見つけたヨルの武器を投げる。アーニャが投げた武器によってヨルは救われ、刀使いを倒すことに成功する。
ヨルはソロパートを歌う。ヨルは、この殺し屋という仕事の決意を歌にして述べる。
その頃、ロイドはこの豪華客船に時限爆弾が仕掛けられていることを知る。急いで、ロイドは船上にいる客たちを非難させて爆発を免れる。
ヨル、オルカ、ゼブ、乳幼児の息子、マシューも船からは脱出していた。マシューはヨルが戦闘によって身体を負傷していることを心配する。なぜなら、ロイドとアーニャが先にリゾート地でヨルの帰りを待っているから。そんな傷をしていたら、家族と一緒に遊べないのではと。しかし、ヨルは意地でもアーニャに自分が殺し屋であることを知られたくないので、この傷は見せないと言う。
ロイドはシルヴィアから、リゾート地は楽しめたかと聞かれる。家族水入らずで楽しめたと回答する。
楽しげな音楽が流れ、ステージ一面がリゾートになる。人々が愉快に歌って踊っている。そんな中、ロイドとヨルとアーニャも歌って踊る。アスレチックをしたりと遊んでいる。ここで上演は終了する。
第一幕は「爆弾犬篇」と「豪華客船篇」の豪華客船に乗るまでを、第二幕を「豪華客船篇」の残りの部分という形で構成されていて、スパミュの一作目の構成よりもしっかりと物語として完結されている感じが強くて観やすかった。スパミュの一作目は、『SPY×FAMILY』の漫画やアニメを知らなくても楽しめる構成になっているが、最後は途中で終わってしまう感じがある。本作は、『SPY×FAMILY2』ということで続編なので、『SPY×FAMILY』の漫画やアニメを全く知らないという人たちが見ることはそんなにないだろう。だからこそ、『SPY×FAMILY』の序盤の設定と内容を知っていること前提だとすると、非常に楽しめる構成になっていたのではないかと感じた。
第一幕は、どちらかというと一作目のスパミュと雰囲気が似ていて、これぞスパミュという感じだった。スパイアクション要素強めで疾走感あるストーリー展開が良かった。
一方で第二幕は、今までのスパミュとは全く違う雰囲気を感じて、舞台が船の上というのもあるが、より家族というものにフォーカスされてバラードで落ち着いた要素が多く感じられた。そして、第一幕と第二幕で雰囲気を感じられる構成も飽きさせないポイントだと思った。
また、戦争というものがいかに恐ろしいものなのかをフィクションを通じて訴えかけているのも良いと思った。こんなに戦争に対して強くメッセージ性を残す構成になっていたのは、ミュージカル製作陣が今の世界に訴えかけたいからだろうなと強く感じた。漫画原作のミュージカルを観ながら、ここまで現実世界で起きていることを突きつけられるのかと驚いた。
写真引用元:ミュージカル『SPY×FAMILY2 爆弾犬篇&豪華客船篇』 公式X(旧Twitter)【世界観・演出】(※ネタバレあり)
第一幕は主に「爆弾犬篇」を扱った、今までのスパミュの王道をいくスパイアクション要素強めの世界観、第二幕は主に「豪華客船篇」を扱った船の上で繰り広げられる、家族によりフォーカスしたホームドラマとしての展開で、それぞれ2作品を楽しむくらいのボリューム感があって大満足だった。
舞台装置、映像、衣装、舞台照明、舞台音響、その他演出の順番で見ていく。
まずは舞台装置について。
ステージは盆が回る回転舞台になっていた。盆の上には、円形の2階建ての舞台セットがあり、回転することによって様々な場所に切り替えられる仕掛けになっていた。例えば、第一幕の「爆弾犬篇」であれば、ロイド、ヨル、アーニャの住む自宅の部屋になることもあれば、保護犬たちが飼われている譲渡会の場所になったり、キースのアジトになったりなどした。
また、第一幕の終盤では、全体的にステージの建物が緑っぽくなって自然豊かな場所にある建物のようになったりする仕掛けも面白かった。
第二幕では、その回転舞台が豪華客船になっていた。船のデッキの上に見えるシーンもあれば、アーニャとロイドの寝室になったり、ヨルが護衛しているグレッチャー家の船上の寝室になったりした。
幕間のタイミングで回転部隊の装置を帰るのではなく、劇中で回転舞台そのものを入れ替えてしまうという大掛かりな演出で、裏方のスタッフさんの努力を感じる舞台装置だった。
ステージ下手側・上手側の両隅には、レンガ仕立ての建物のパネルが登場したりしまわれたりしていて、『SPY×FAMILY』の世界観をうまく作り出していた。
あと舞台セットで特筆すべきは、第一幕でアーニャが時計台の付近に仕掛けられた時限爆弾が隠された部屋のシーンで、扉に複雑に配線が組まれたセットを登場させていたことである。このシーンのためだけにかなり作り込まれたセットだと感じ、最後のケチャップでの落書きもリアルで良かった。
また、キースが乗って逃走する自動車のセットも良かった。作り物感あるのが、また舞台らしさを感じて良かった。
ボンド・フォージャーのぬいぐるみも良かった。白くて巨大であることはリアルにしつつ、その巨大なぬいぐるみを黒子が操作するというのが良かった。
次に映像について。
本作では一作目のスパミュに比べて映像を多用していた認識である。というのは、「プロジェクトアップル」が「爆弾犬篇」に登場して、アーニャがボンドの心の中を覗くシーンが何度も出てくるからである。ボンドは「プロジェクトアップル」によって、未来を予知できる特殊能力を持っている。そして、アーニャも「プロジェクトアップル」で人の心を読む特殊能力を持っている。この2つがかけ合わさって、アーニャは未来を知ることができて、その様子が映像で映し出されるという使い方がなされていた。
例えば、時計台が爆破してロイドが瓦礫の下敷きになって死ぬ映像など、未来予知の映像が映し出された。
それ以外でも映像は使われ、例えば爆弾をくくりつけた軍用犬がロイドによって撃たれて、川の中で爆発して噴水が上がる映像が映し出されたり、豪華客船から見える花火を映像で映し出していた。
また、もう一つ映像演出で凄いなと思ったのが、ヨルとバーナビーの戦闘シーンである。二人の手前側に薄い半透明のスクリーンを設けて、そこに鎖鎌の攻撃を映像で投影することで銭湯シーンを演出していたのが素晴らしかった。スパミュの新しい演出を垣間見た。
映像には、ロイド、ヨル、アーニャの映像も投影されていたが、Wキャスト・トリプルキャストなので、その回によって流れる映像が違うのかなと思ったりした。
次に衣装について。
やはり、ロイドのスーツ姿が格好良い。アニメ版に非常に寄せたシルバーのスーツで、凄く木内さん似合っているなと感じた。
そしてヨルの黒い衣装も素敵で、こちらもアニメ版にかなり忠実だった。今回はヨルの戦闘シーンも多かったので非常に似合っていた。
なんといってもアーニャの衣装は可愛らしいくて、ピンクの髪型と服装がかなりアニメ版に忠実に再現されていた。
それ以外でいくと、個人的にはマシュー・マクマホンの衣装が格好良く感じられた。白い髪型にシュッとした姿でいかにもシゴデキな上司という感じだった。
次に舞台照明について。
音楽によって舞台照明の明暗がはっきり異なるミュージカルだと感じた。
個人的には、ステージ全体が明るくなるシーンの舞台照明が記憶に残った。例えば、第一幕の「爆弾犬編」の終盤でのアーニャが白い大きな犬にボンドという名前を名付けるシーンでは、ステージ全体が緑色の温かい照明で照らされて、非常に家族との繋がりや温かさを感じさせる照明になっていた。
また、第二幕の「豪華客船篇」の終盤でも、ロイド、ヨル、アーニャでリゾートに到着して沢山遊シーンでも、明るい緑色の照明に切り替わって、明るさと楽しさに満ち溢れた照明になっていた。
スパミュ自体が、スパイアクションもので、前編を通じて殺し屋に追われているような緊迫感あるシーンが多い。だからこそ、「爆弾犬篇」ではキース・ケプラーを、「豪華客船篇」ではグレッチャー家を狙った殺し屋を成敗した後に訪れる、家族と過ごす平和な時間の温かみを感じさせる時間の演出が非常によく、その部分を音楽と照明が非常に効果的に演出していると思う。だからこそ、家族の繋がりの大切さを全編を通じてエモーショナルに描いているのだと思う。
それ以外だと、第二幕の「豪華客船篇」でロイドやヨルが船のデッキの上でソロパートを歌う夜の照明が好きだった。ステージ背後の映像には星空が煌めき、舞台照明としては濃い青色の照明で月夜に照らされて、一人船のデッキの上で歌う姿が格好良かった。
次に舞台音響について。
一作目でも感じたが、スパミュの音楽はつくづく格好良いなと感じる。日本のオリジナルミュージカルの中でも屈指の音楽の格好良さを持っていると思う。
個人的に好きなのは、やはり一番最初に流れる『よりよき世界のために』。「すべてはよりよき世界のために〜」という歌詞がとても印象的で好きだし、音楽もまた耳に残るから良い。この楽曲が流れると、スパミュの世界に引き込まれた感じがあってとても素晴らしい楽曲だなと思う。
そして、今回のミュージカルで特に印象に残った楽曲は、第一幕の終盤で、ロイド、ヨル、アーニャ、ボンドが揃って公園で遊ぶ『今日が平和で』。舞台照明のパートでも記載したが、緊迫感あるシーンが一通り終わって、家族と平和に暮らす時間の温かみや大切さを感じさせる楽曲が非常に良かった。
また、第二幕には素敵な楽曲が多く、ソロパートの素晴らしさが際立った。オルカのソロパートである『愛しのグラム』では、オルカが抱える悲しみや苦しみがグッと刺さって伝わってきて素晴らしかったし、ロイドのソロパートである『ヨルとロイド〜それぞれの想い〜』の感じも良かった。そして、一番好きだったのはヨルのソロパートである『ヨルの決意』。本作は一作目のミュージカルと比べて、ヨルの活躍が目覚ましく、特にこの楽曲のソロパートでヨルという人物としての強さや逞しさを感じた。
あとは、『れっつえんじょい』については、みんなで楽しそうに歌って踊る印象が強くて良かった。
最後にその他の演出について。
まずは「爆弾犬篇」に置いて、ボンドや軍用犬のぬいぐるみの操作が非常に演技として素晴らしかった。もちろん本物の犬を連れてくることは出来ないので、犬を人間が操って披露するしかないのだが、一人が犬の頭部と胴体を操作し、もう一人が4本の脚を操作する感じで躍動感ある犬を披露していたのが良かった。演劇だからこそ出来る演出で良かった。
また本作では、一作目よりも殺陣シーンが多いようにも感じた。特に、ヨルがオルカたちを狙う殺し屋たちと戦うシーンが多く、殺陣演技を観られたのも良かった。殺陣演技の切れという点では、それを専業としている「劇団☆新感線」には及ばないのだが、ここまで動けるキャストもなかなかいないと思うので、ヨルを演じた真彩さんの歌って踊って、演技して、殺陣をしてというマルチぶりに感服した。
実は「豪華客船篇」のアニメ版を観ずに観劇したのだが、ストーリーも混乱することなく普通に入ってきたので、ちゃんと物語を予習してなくても楽しめる分かりやすい構成になっていたのも良かった。
さらに、本作のプロデューサーには、東宝演劇部の白石朋子さんのクレジットもあった。白石さんは、一作目であるミュージカル『SPY×FAMILY』(2023年3月)のほか、ミュージカル『四月は君の嘘』(2025年8月)、さらにミュージカル『Under The Mashroom Shade』(2026年6月)のプロデューサーもされていた。白石さんがプロデューサーを務めるミュージカルは、個人的には当たりが多いと感じており、今度から白石さんがプロデュースするミュージカル作品はウォッチしようと思う。
写真引用元:ミュージカル『SPY×FAMILY2 爆弾犬篇&豪華客船篇』 公式X(旧Twitter)【キャスト・キャラクター】(※ネタバレあり)
スパミュの出演者は、もちろん演技と歌と踊りはさることながら、殺陣演技も求められるので非常にハードル高い舞台だと思うが、それらを卒なくこなすキャストが揃っていて素晴らしかった。
特に印象に残った役者について見ていく。
まずは、私の観劇回でロイド・フォージャー役を演じた木内健人さん。木内さんの演技は、ミュージカル『Under The Mashroom Shade』(2026年6月)、ミュージカル『ファンレター』(2025年9月)、ミュージカル『SPY×FAMILY』(2023年3月)で演技を拝見したことがある。
一作目のスパミュの初演版で拝見したときは、ロイド役ではなくフランキー・フランクリン役で、もっと陽気で明るい感じの役だったので、ロイド役と聞いて演技の幅の広さに驚いた。直近だと木内さんは、ミュージカル『Under The Mashroom Shade』で出演されていたので、その時も優しそうな青年という感じで、ロイドのようにイケメンで冷静沈着にミッションをこなす感じのイメージはなかったので、果たしてどんな感じかと思ったが、結論ロイドとしてのオーラをしっかりと感じて違和感なかった。
一作目のスパミュは、かなりロイドにフォーカスされるシーンは多かったが、本作においてはどちらかというとヨルとアーニャにフォーカスされたシーンが多いように感じて、もう少しロイドの活躍も見たかったなという印象だった。「爆弾犬篇」でもロイドはブランツ外相に変装していたので、そこまでロイドにフォーカスされる時間は多くなかったし、「豪華客船篇」もヨルがグレッチャー家を護衛するミッションがメインなので、そこまで中心人物ではなかった。
ただ、本作におけるロイドは、特に家族とどう向き合うかについて悩む姿が非常に印象に残った。例えば、アーニャが豪華客船で欲しがっているおもちゃを買ってあげるべきかどうかや、アーニャに喜んでもらおうとして様々なガラクタを身に纏ってすべってしまう姿がとても滑稽で印象に残ったし、コードネーム<黄昏>というスパイとしてだけでなく、家族としての一面も磨かれていっているという微笑ましさも感じられるから良いと思った。
次に、本作で一番のMVPだと感じたヨル・フォージャー役を演じた真彩希帆さん。真彩さんの演技は私自身初めて拝見する。
元宝塚歌劇団雪組トップ娘役として活躍し、現在もミュージカル『天使にラブ・ソングを』や『ジキル&ハイド』に出演したりなどしている。真彩さんのヨルは、本当に難役をしっかりとこなされていて素晴らしいと感じた。
ヨルというキャラクターは、日常の世界では気の小さい感じの女性で、いつも職場の同僚にいじめられたりしている。決して高圧的な態度を取ることなく、むしろ自分のことを卑下してしまうような性格である。しかし、殺し屋としての本性があり、武器を持つと覚醒して非常に高い戦闘力を発揮する側面がある。
真彩さんの演技は、普段は非常にお淑やかだけれど、「豪華客船篇」のグレッチャー家の護衛になると、殺し屋としての本性を発揮して敵が近づいてきたら戦闘モードに入るというギャップを兼ね備えていて素晴らしかった。特に本作でのヨルは、お淑やかさ、そして演技力だけでなく、第二幕で殺陣の演技力も求められるし、さらにソロパートも多いので歌唱力も求められる。演技、歌、踊り、殺陣、お淑やかさの全てを兼ね備えた稀有な役者として大活躍だったと思う。
真彩さんをよく知らなかったのだが、元宝塚でこんなにも殺陣演技が出来るのかと驚いた。本当に素晴らしいミュージカル俳優さんなので、多方面で活躍して欲しいと思う。
私の観劇回でアーニャ・フォージャー役を演じたのは、泉谷星奈さん。泉谷さんの演技は初めて拝見する。
2017年生まれで、本作が上演された2026年9月時点では9歳である。そして泉谷さんは、一作目のミュージカル『SPY×FAMILY』の再演(2025年9月)でもアーニャ役を演じている。
本当にアーニャ役として完成されていて素晴らしかった。アーニャにやって欲しい演技が全て詰め込まれていて本当に素晴らしかった。可愛らしさも凄いのだけれど、9歳でこんな大舞台であそこまでアーニャを演じ切れてしまう泉谷さんの凄さに圧倒された感じの方が強かった。
アーニャのシーンで会場は一番どっと笑いが起きる。その可愛らしさにだと思う。喋り方といい、小さい体を精一杯使って演技するその姿が本当に素晴らしいなと感じた。
他のアーニャ役の子供たちがどんな演技をするか観ていないが、やはりアーニャ役が2度目であるというのもありだいぶ完成されているのではないかと感じた。アーニャ役を出来る期間は人生においても限られていると思うので、存分に楽しんでほしい。
私が観劇した回で、シルヴィア・シャーウッド役を演じたのは真瀬はるかさん。真瀬さんの演技は、ミュージカル『無伴奏ソナタ -The Musical-』(2026年7月)で拝見したことがある。
ミュージカル『無伴奏ソナタ -The Musical-』でオリビアというポジティブなハウスキーパー役を演じていた方だったので、シルヴィアはまた全然違うキャラクター性なので、ここまでキャラを変えて演技ができるものなのかと驚いた。
シルヴィアの演技には、どこか戦争によって傷ついた心を感じる。戦争の話をモノローグで語るシーンに深みがあって引き込まれた。本作は、シルヴィアというキャラが舞台と客席の伝道師になっているように感じる。戦争の悲劇が今の現代社会にダイレクトに伝わるからである。
そういう重要な役をされていてとても印象に残った。
最後に、マシュー・マクマホン役を演じたのは、吉野圭吾さん。吉野さんの演技は、劇団TipTapミュージカル『20年後のあなたに会いたくて』(2021年12月)で拝見したことがある。
マシューの存在が本当に格好良くて、ビジュアルといい存在感といい好きだった。グレッチャー家やヨルに豪華客船の危機を伝える感じなど緊迫している感じを出すのが上手かった。
写真引用元:ミュージカル『SPY×FAMILY2 爆弾犬篇&豪華客船篇』 公式X(旧Twitter)【舞台の考察】(※ネタバレあり)
ここでは、本作と戦争というテーマについて考察していこうと思う。
まずはミュージカル『SPY×FAMILY2 爆弾犬篇&豪華客船篇』ということで、第一幕を主に「爆弾犬篇」、第二幕を主に「豪華客船篇」として構成していて、素晴らしいシナリオ構成だと感じた。私はあまり、いわゆる2.5次元舞台と呼ばれるものをそこまで多くは観てきていないので、本作のように同じ漫画原作のミュージカルの続編という形で演劇を観劇することが初めてだった。
もちろん他の漫画原作ミュージカル・舞台で続編があるものは存在するが、しっかり漫画を読んでおかないと楽しめないのではないかなと不安もあったのだが、ストーリーも分かりやすく、漫画やアニメを観ていない方でも楽しめる、そして話がぶつ切りにならないように構成されていて素晴らしかった。
本作を観劇していて特に強く感じたのは戦争とのつながりである。漫画やアニメでも登場すると思うが、ミュージカル版、特に本作では東西冷戦時代という時代背景を通じて、令和を生きる私たちに改めて戦争の恐ろしさを伝えてくれる作品であるようにも感じた。
その戦争の恐ろしさを感じさせるキーマンとなるのは、シルヴィア・シャーウッドである。シルヴィアのモノローグでは必ず戦争を仄めかすようなセリフが登場する。
本作『SPY×FALIMY2』の設定でも、かつて10年前に東西で戦争が続いていて、多くの人が亡くなったという歴史設定がある。今は平和であるが、お互いに緊迫感を募らせていていつ戦争は再び起きてもおかしくない状況という設定となっている。
シルヴィアには、かつて夫やアーニャくらいの子供といった家族がいたようである。本作の第一幕で、そのことをシルヴィアは独白で語っている。しかし、今のシルヴィアの元にはいないようである。
シルヴィアの夫や娘が戦争で亡くなったという直接的な描写は本作には登場しない。しかし、シルヴィアの夫や娘が戦争によって命を失ったと仄めかす内容が独白では語られていることがよく分かる。
キース・ケプラーを筆頭とする東国<オスタニア>のバーリント大学の学生の一部は、過激派テロリストグループとして西国の権力者を狙っている。まるで自分の命も顧みずに戦争へ突入させようとするような過激な思想の持ち主であった。だからこそシルヴィアは、今の若者は戦争を知らないからそうなるのだと落胆する。シルヴィアのように戦争をよく知っている世代は、決して東西の均衡を破壊してはまずいという理解をしているだろうが、戦争を知らない若者は、戦争の恐ろしさを理解せずに過激な思想に走って戦争へ向かわせてしまうのだろう。
これは現実世界の社会にも当てはまるなと感じた。1945年に第二次世界大戦が終結し、その後世界大戦は発生せずに世界は平和を保ってきた。もちろん、朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東戦争、イラク戦争、湾岸戦争といった局所的な戦争は起きたが、世界大戦には発展しなかった。
今を生きる私たちのほとんどは戦争を経験していない。それは素晴らしいことだが、そうであるが故に、東国<オスタニア>の若者のように戦争へと向かわせてしまう思想を持ち合わせかねないリスクがある。
本作は、シルヴィアという伝道師を通じて私たちに戦争の恐ろしさを伝えているように感じた。
漫画原作のミュージカルというフィクションであっても、こうやって現実世界と繋がっていて切り離せるものではない。戦争の恐ろしさというものを通じて繋がり、決して全く関係のない世界での出来事としていない部分に、本作をミュージカル化している意義があると感じた。
アメリカがイランを攻撃して中東で戦争が始まってしまったからこそ、こうやってミュージカル『SPY×FAMILY』を戦争というテーマを軸に描くことに社会的意義があるように感じた。
写真引用元:ミュージカル『SPY×FAMILY2 爆弾犬篇&豪華客船篇』 公式X(旧Twitter)
↓ミュージカル『SPY×FAMILY』
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