インディーゲームデベロッパーのMicah Boursier氏は日本時間5月21日、Whalefallが手がけるアドベンチャーゲーム『Poco』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。本作は無料でダウンロードすることができ、さっそく好評を集めている。

『Poco』はポイント&クリック型のアドベンチャーゲームである。主人公は身長2インチ(約5センチメートル)程度の小さなピエロ「Poco」。Pocoはある日、巨大な移動サーカスから追放されてしまい、捨てられたものや壊れたものが集まる世界「Below World」にやってくる。プレイヤーはPocoとして冒険し、五感を象徴する5体のホムンクルスたちとの出会いを経て、サーカスへの帰還を目指すことになる。

ゲームプレイは基本的にマウス操作のみで進めていくことができる。任意の地点で左クリックすることでPocoを動かすことができ、触ることができるものや、入手できるもの、別のマップに移動できる地点などにマウスオーバーするとカーソルの形が変化する。右クリックではメニューを開いて、手持ちのアイテムやマップを確認することが可能だ。マップにはヒント機能もあり、物語を進めるためにどこへ行けば良いのかを示してくれる。行き詰まった場合には使用すると良いだろう。

Pocoの身長はたったの5センチメートルくらいしかないのに対し、移動サーカスは文字通りそれ自体が歩いている巨大な構造物だ。とてもPocoの大きさで登ったりできるようなものではない。そこで、PocoはBelow Worldで出会う5体のホムンクルスたちの助けを借りることになる。

ホムンクルスたちはそれぞれが五感を象徴しており、巻き貝から長い腕だけが生えている触覚のホムンクルスGRIPP、巨大な耳にヘッドフォンを付けて音楽を聴いている聴覚のホムンクルスJAZなど、みんな個性的だ。最終的にPocoはロケットの建造を目指すようだが、どのようにホムンクルスたちの協力を得るのか、ホムンクルスがロケット建造にどう関わってくるのかは、遊んでみてのお楽しみといったところだろう。

そんな本作のSteamユーザーレビューは本稿執筆時点で約100件、そのうち100%が好評とする「非常に好評」のステータスを獲得している。本作では、ひとつひとつが絵画のような手描きの2D背景と、クレイアニメのようにかわいらしく動く3Dのキャラクター、Below Worldの寂しげな世界観を表現した音楽がうまく調和している。アート作品に入り込めるような作品として高く評価されている様子だ。また、パズルや探索といった部分も難易度がちょうど良く、ゲームプレイも好評を受けている。

本作を手がけたWhalefallについて、Web上にはほとんど情報がない。というのも、この作品は大学の卒業制作として開発されたもので、Whalefallも本作を手がけた学生チーム名だ。制作にあたっては目標額1200米ドル(約17万円)という小規模なクラウドファンディングが実施され、約2600米ドル(約37万円)の資金調達に成功していた。集めた資金はもっぱらゲームイベントの参加費や出資者へのお礼の制作費用として使われ、学生たちは無償で本作を制作したとのことである。

開発チームを代表するMicah Boursier氏は以前からインディーゲームデベロッパーとして知られており、過去にはSteamで2本の手描き2Dアクションゲームをリリースしている。鳥の体内を探検する無料ゲーム『BirdGut』は「圧倒的に好評」、多次元宇宙を冒険する『The Multi-Medium』も「非常に好評」と、いずれも高い評価ステータスを獲得している。本作はそんな同氏の豊かな経験に、チームメンバーの力が加わって開発され、このたびリリースを迎えた格好だ。

『Poco』はPC(Steam)向けに無料で配信中だ。

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