【拝啓、ずっと大好きな人へ。】
あの時、あの映画で、あのシーンで、その佇まいに釘付けになった。
これまでも、これからも、ずっと大好きな憧れの彼女を
もしもいま、私の手でスタイリングすることができたなら。
スタイリストが女優たちに綴る、おしゃれという名のラブレター。

加賀まりこ

青木千加子

「こんなに可愛い人がいるの?」と衝撃を受けた女優が、映画『月曜日のユカ』(1964年)の加賀まりこさんです。映画好きの叔母から薦められた作品のひとつでした。内容は当時の私にとってはセンセーショナルなものでしたが、お人形のように愛らしいユカとその着こなしにすっかり魅了されたことを覚えています。ジェンダーフリーとは程遠い、女性が窮屈な時代に、思いきり自由にファッションを楽しんでいるようなユカ。映画はモノクロだけど、目に映るものはきっとカラフルで、キラキラしていました。メンズのパジャマシャツだけを羽織る姿も、彼女が演じると作為的に見えないのが魅力的ですね。スカーフ使いや大振りなイヤリングなど小物使いも可愛い。また映画は終戦直後の横浜が舞台。アメリカを間近に感じた女性たちが流行最先端のファッションを楽しむ姿も見てとれ、色柄を纏うと街そのものが活気づくことも教えてくれました。世相的にも気持ち的にも暗くなりがちな現在だから、ユカのスタイルから周囲を照らすファッションのパワーを再認識しています。

1. PRUNE GOLDSCHMIDT – ブラウスとショートパンツという爽やかさあふれるセットアップは、洗練された素材感とノーブルな柄でマチュアに。シャツ ¥149,600、ショートパンツ ¥83,600 /ともにプルーン ゴールドシュミット(メゾン・ディセット)
2. ROGER VIVIER – 光沢のある生地とビジューで足元からゴージャスに。ミュール(ヒール7.5㎝)¥223,300/ロジェ ヴィヴィエ(ロジェ・ヴィヴィエ・ジャパン)
3. TASAKI – パールが揺れる大ぶりなジュエリーは、カラフルなジェムの輝きで華やかさたっぷり。イヤリング¥502,700/TASAKI

@chikako_aoki

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