【YAMATABI ROUTE GUIDE】Vol.004
栂池高原から白馬岳
異国情緒漂う景色や花々を楽しみながら白馬岳を目指す。

栂池高原〜白馬大池〜白馬岳〜大雪渓〜猿倉

1泊2日
歩行時間:10時間35分
総距離:15.3km

さわやかな栂池高原を起点に、夏は百花繚乱の稜線をめぐるメジャールートを1泊2日でめぐる。

まずは、パノラマウェイとゴンドラを乗り継いで栂池自然園へ向かう。ビジターセンター手前の登山口からは、急な登山道を登り高層湿原の天狗原へ。目指す白馬岳を含む白馬三山の姿が美しい。大きな岩が連続する急斜面を行けば、季節によっては雪が残る斜面に至る。注意して横切れば、なだらかな乗鞍岳。ケルンを目印にさらに進めば、岩とハイマツの向こうに美しい白馬大池と赤い屋根が見える。宿泊する白馬大池山荘だ。

2日目、山荘を出て白馬大池を眼下に眺めながら進めば、名のとおりライチョウに出会う機会が多い雷鳥坂。登りきれば、鉄剣が祀られた小蓮華山に到着する。さらに稜線を下って登り返せば、長野、富山、新潟の3県にまたがる三国境に至る。岩場を越えて稜線を進めば白馬岳だ。けわしい長野県側となだらかな草原の富山側がはっきりと分かれる非対称山稜の稜線からは、剱立山連峰が目の前にそびえ、遠くは穂高連峰までも一望する絶景が広がる。山頂から少し下ると白馬山荘、その先には白馬岳頂上宿舎。小屋から下れば日本三大雪渓のひとつ、白馬大雪渓だ。雪解け後の花々を眺めつつ、急な 斜面を気をつけて下る。岩の目立つ葱平をすぎ、雪が広がる斜面を進めば、白馬尻に至り、さらに林道を歩いて猿倉に下山する。

■1枚目
栂池自然園から出発し、天狗原から白馬乗鞍岳を越えると白馬大池の雄大な景色が次第に近づいてくる。奥には小蓮華山が見える。眼下に見下ろす白馬大池山荘は白馬大池の畔に建ち、まるで北欧の景色のよう。

■2枚目
広々とした白馬大池山荘のテント場。のんびりすごしてみたい。

■3枚目
小蓮華山を越えて、3県の県境にあたる三国境へ。これから登る白馬岳を望む。

【逆ルートアドバイス】
逆ルートは雪渓を下るか、登るかが、違いの大きなポイント。白馬大雪渓を歩く際はクランポンやトレッキングポールが必須。稜線は、どちらから歩いても歩きやすい。白馬大池からは、ゴーロ状の下りや残雪に注意して下ろう。

【アクセス】
電車、高速バス利用ならば、JR大糸線白馬駅からバスで25分。車の場合は長野、安曇野、糸魚川の各I・Cから60分〜80分。猿倉〜栂池高原間はバスを乗り継ぐかタクシーを利用。

「白馬岳からは能登半島の先端まで見え、3,000mから沈む夕日が美しい。白馬乗鞍岳はライチョウが棲んでいるのっぺりした岩道。そこから少し下った大池の岸辺はまるで北欧の湖岸のよう。ぜひのんびりすごしてみてください」(Recommender:フォトグラファー 中田寛也 @hiroyanakata_ski )

文◉矢口 拓 Text by Taku Yaguchi @yguchitaku
写真◉中田寛也 Photo by Hiroya Nakata

​​*PEAKS No.140 2021年7月号 P092掲載*

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