Tokihiro NAKAMURA, Governor, Ehime Prefectural Government

シリーズ企画「3.11大震災」原発立地県 知事 記者会見

司会 井上寛二 愛媛新聞社 東京支社長

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記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2011年11月号に掲載)

再稼働に向けた3条件を提示

 「再稼働第一号の原発はどこか」に関心が集まる中、四国の電力の約4割を賄う四国電力伊方原発が県内にある中村時広知事は「今の私の立場は、白紙というところから一歩も出ていない」と従来の考えをあらためて強調した。
 知事は「再稼働を考えるには、3つの条件が整わないと無理だ」と指摘。うち2つには国の再稼働に向けた姿勢、電力会社の安全対策を位置付けた。3つめには、これらを受けた地元の声を挙げ、3条件を鳥瞰的に見極め「知事としての最終判断を下す」と語った。
 愛媛県では、前知事が原子力本部を本店のある高松市から松山市に移転するよう要望してきたが、四電は拒否。福島原発事故を受けて中村知事があらためて要望すると、四電は一転して受け入れ、本部長に副社長が就いた。この対応を中村知事は一定評価。プルサーマル導入時のシンポジウムでの「やらせ問題」が発覚したが、初期段階で公表した四電に寛容ともいえる姿勢を示している。
 一方で、国の姿勢にはストレステスト実施の経緯などを踏まえ、不満をあらわにした。国が再稼働に向けた方針を示す際には、文書を出して責任の所在を明確化するよう注文。責任者の立場は「経産相は最低条件」とし、国が応じない場合は「真剣に考えていないという姿勢を表す行為で、話にならない」と厳しい言葉を並べた。
 会見趣旨からそれるが、知事が多用した「アディショナル」という単語が耳に残った。「国の基準を上回るアディショナルな対応を求める」などの言い回しだ。和訳は、付加的な、追加のといったところ。3月11日以降、原発事故対策に上限がないことは、国、事業者も含め共通認識になった。報道機関もそうだが、関係者には「アディショナル」を積み重ねる努力が求められている。
 愛媛新聞社東京支社 和泉 太

愛媛県のホームページ
http://www.pref.ehime.jp/

日本記者クラブホームページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/10/r00023372/

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