私たちの暮らしに大きく影響する東京都議会議員選挙と夏の参議院選挙が迫ってきました。日本テレビのニュース番組では、『投票前に考える それって本当?』と題して、選挙の際にあふれる様々な情報とどう向き合っていくべきか考えていきます。ここからは井上政治部長とお伝えします。

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https://news.ntv.co.jp/category/politics/496234aa2d424e388d5e05d95892832d
「それって本当?」特集ページ>
https://news.ntv.co.jp/feature/%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%A3%E3%81%A6%E6%9C%AC%E5%BD%93%EF%BC%9F
      ◇

井上幸昌政治部長
「まずこちらのデータを見ていただきたいんですが、先月、私たちは6月22日に投開票となる都議選について、東京都内の有権者に世論調査を行いました」「政党や候補者に関するSNSの情報について、投票先を決めるときにどのくらい重視するか聞いたんですが、『大いに重視する』『ある程度重視する』という人はあわせて51%という結果になりました」

鈴江奈々キャスター
「2人に1人ぐらいの割合の方が重視しているということがわかりますね」

井上政治部長
「そうなんです。SNSなどネットでは投票に役立つ情報がたくさん得られるというメリットがあります。ただ同時に、ネットには偽の情報や・誤った情報、誹謗中傷もあふれています。そうした正しいとは言えない情報によって投票行動が歪められてしまうおそれがあるというデメリットもあるんです」

井上政治部長
「ネット上の民意が選挙結果にも影響する時代となっています。だからこそ、ネット上に広まっている『それって本当?』という情報を検証したいと思います」

鈴江キャスター
「今回お伝えするのが、ユーチューブなどで見たい動画を選ぶときに重要な見出しの画像、いわゆるサムネイルの問題です」「いまSNSに投稿されている政治を扱った動画の中には、誤解を招く表現が含まれているものもあります。サムネイルの『それって本当?』を調べてみました」

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ユーチューブなどにアップされている動画がどんな内容か表示する「サムネイル」。ひと目で動画の内容がわかる一方で――

関心を引くためか、中には誤解を招きかねない表現も。

例えば、ある動画のサムネイルでは、国民民主党の榛葉幹事長の顔とともに、自民党の河野太郎議員を「逮捕しろ」と書かれていて、あたかも榛葉幹事長がそう発言したともとれ、すでに79万回以上、再生されています。

この動画で取り上げていたのは、去年3月の榛葉幹事長の会見。

内容を日本テレビが確認したところ、再生可能エネルギーなどをめぐり、河野氏について触れた部分はありましたが、「河野氏を逮捕しろ」という発言はありませんでした。

榛葉幹事長本人にも聞いてみると――

榛葉幹事長
「たまにびっくりするよ。ガチギレもしてませんし、当然、逮捕しろとも言ってません」

一方、河野氏は――

河野太郎議員
「(Q.動画自体ご覧になったことは)ありません。こういうのを見た方が積極的にプラットフォーマー(事業者)に報告するという制度がありますから。プラットフォームがしっかり対応することが大事なんだと思います」

こちらのサムネイルも、誤解を招く表現が…。

石破首相の顔とともに、「さらっと消費税20%確定」と書かれていて、あたかも石破首相が増税を決めたかのように見えます。

動画で取り上げていたのは、ことし4月の総理大臣会見。

石破首相
「G7の国々では一部の品目、一時的な引き下げ、そういう例はありますが、そういう国の消費税って、我が国は10%でございますけれども、もっと高い税率が設定されており、例えばイギリスは20%、フランスも20%、ドイツが19%、イタリア22%という消費税でございます。そういうことを考えていかねばなりません」

たしかに、「20%」という言葉が出てくる部分はありますが…。

実際の会見を確認すると――

記者
「新たな対策としてこの食料品を限定とした消費税の減税を打ち出していく考えがあるのか」

記者が聞いたのは、「食料品だけ減税する考えはあるか」というもの。

これに対し、石破首相は、「外国では一部の品目を減税した例があるが、そうした国は日本よりも消費税が高い」ということを紹介したものと判明。消費税20%が確定した事実はなく、誤解を招く表現であることがわかりました。

さらにこちら。

石破首相が「水道料金40%値上げ」と書かれたサムネイル。

しかし、水道料金は、自治体が条例で定めるもので、首相に決定権はありません。

また、首相就任後の発言を私たちが確認したところ、「水道料金40%値上げ」と発言したことは一度もありませんでした。

林官房長官にも、このような発言がなかったか聞いてみると。

林官房長官
「石破総理がいまご指摘があったような発言をしたことはございません」

専門家は――

SNSの特性に詳しい国際大学・山口真一准教授
「どの動画を見るか判断するときに、タイトルとサムネイルくらいしか判断基準がない。サムネイルがものすごく人の目を引くような内容にしておけば、とりあえず見てくれる。視聴回数が増えればお金が入る仕組みなので、サムネイルが過激化したり、あるいは人の目を引きやすいような仕掛けをすることになりやすいと思う。情報にであったときに一呼吸置いて情報を検証するというくせをつけてほしい」

      ◇

鈴江キャスター
「斎藤さんはどう見ましたか?」

斎藤佑樹キャスター
「僕もユーチューブ動画を見るときに、サムネイルを見て判断するんですけども、中には過激なものがあって、これ大丈夫かな?っていうものもたくさんあったりしますよね」

瀧口麻衣キャスター
「ひとつ動画を見ると、次々に同じような内容のものも出てきますよね」

森圭介キャスター
「いま、タイパ、タイムパフォーマンスと言われていますからサムネイルを見ただけで、見た気になってしまっているっていう人がいるのかもしれませんね」

井上政治部長
「こういった偽・誤情報を見なければいいじゃないか、と思われる方もいらっしゃると思うんですけども、SNSなどには、その人が見た履歴などを分析して、見たいはずだと推測した情報を優先的に表示する仕組みがあります。そのため、山口准教授によりますと、2つの現象、『フィルターバブル』と『エコーチェンバー』に陥りやすくなるといいます」「まず、フィルターバブルですが、見えない泡=バブルの膜=フィルターの中に入ったような状態に陥り、自分ではいろんな意見を見てるつもりでも、実はごく一部の、膜を通過した、自分に最適化された情報だけに接しているという現象のことです」

鈴江キャスター
「ユーザー側からすると、見たいものが集まってきて便利という側面もあるかもしれませんが、興味のないものは集まってきにくいという仕組みなんですね」

井上政治部長
「さらに、『エコーチェンバー』というのは、音が反響する部屋という意味なんですが、自分と似た興味関心を持つユーザーをフォローしたり、コミュニケーションしたりする結果、音が反響する部屋の中にいるかのように自分と同じ考えばかりを見聞きする状態になっている現象です。周りの他の意見に触れませんので、偏った見方になって『意見が極端化する』といいます」

鈴江キャスター
「賛否が分かれるものに対しては、いろんな意見を聞きたいと思っていても、こういった力が働くということは、頭に留め置いていた方がいいですね」「選挙に話を戻しますと、去年の兵庫知事選では、真偽不明の情報がSNS上などで広がっていたということも確認されていますよね」

井上政治部長
「ただ、私たちはこうした情報が正しいかどうか、選挙期間中にきちんと検証できていませんでした。結果、ネットに真偽不明の情報が広がり、『大手メディアは十分に役割を果たしていない』との疑問の声も上がりました。選挙において『公平』に伝えることは今後も重要な大原則です。しかし、これまで私たちは『公平性』を意識しすぎるあまり投票前の選挙報道で萎縮していた面があったと率直に受け止めています」「選挙は私たちが生きる民主主義の根幹です。取材で知り得た『本当のこと』、取材によって得られた『投票に役立つ情報』を丁寧に伝えてまいります」

鈴江キャスター
「情報があふれる時代だからこそ、私たちもひとつひとつ確認して、皆さんが選択するときの材料を少しでも多く提供できたらと思います」
(2025年6月9日放送「news every.」より)

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