2024年のパリオリンピックのフェンシング・女子サーブル団体で銅メダルを獲得した、大牟田市出身の高嶋理紗選手と宗像市出身の福島史帆実選手。
2人ともトップアスリートの育成に取り組む福岡県の「タレント発掘事業」で才能を見出されました。
全国に先駆けて始まったこの事業、2025年も未来のオリンピアンたちが開講式に臨みました。
5万人超から選ばれた158人が参加
4月19日、福岡市で開かれた福岡県タレント発掘事業の開講式。
22年目となった2025年は、過去最高の5万6817人が事前選考に臨み、様々なプログラムをクリアした158人が事業に参加します。福岡県タレント発掘事業 城戸英敏実行委員長「世界で活躍できる力を身に付け、自分自身の可能性を大きく広げてください」
2004年に始まった福岡県タレント発掘事業。身体能力の高い小中学生を探して、適性のある競技の指導者とつなぐことで世界で通用するトップ選手を育てようとする取り組みです。
初の五輪メダリストも
事業開始からこれまでの修了生は503人、このうち、日本一に輝いたのは102人。世界大会出場は70人。
2024年のパリオリンピックでは8人が出場し、フェンシング女子サーブル団体では高嶋理紗選手と福島史帆実選手が銅メダルを獲得。
オリンピックでのメダル獲得は初めてのことでした。
小学5年 中村祐輝さん「目標は苦手だった球技を得意にすることや陸上競技を頑張っていくことです」小学5年 田中杏奈さん「トップアスリートになって世界で活躍していろんな人から注目される人になりたい」中学1年 宮口リオさん「運動することが好きで自分の目標、オリンピックに出るということを達成できるようにこの事業に参加しました。スポーツ面以外でもたくさん学べて自分が成長している実感があります」
では一体、参加者はどんなことをするのでしょうか?
適性を見極めるプログラム
プログラムは毎週土曜に2時間実施されます。対象は小学5年生から中学3年生で、バレーボールやフェンシングなど様々なスポーツの中から選択し、小学生は9つ、中学生は4つの種目を経験。
トップアスリートに必要な能力を身に付けるとともに自分の強みがどこにあるのか、測ります。適性のある競技を見極めるとともに、その競技の指導者とマッチングすることも行っています。
”適正”判断に子供たちは
小学5年 岸川真里奈さん「ボールを使った調査が体力テストですごく良いといわれたので楽しみにしています」中学1年 小林新さん「陸上と競泳をやっていたが、競泳の適性があるといわれて、競泳1本にしぼった。オーディションみないなのをやって、水泳を始めた年齢とか身体の動きとか僕にはあっていて、それを続けていったらオリンピック目指せるんじゃないかなって思ったのが絞った理由です。すごくタイムが上がってるし調子もよいし、競技を絞って良くなった実感があります。オリンピックに出場してメダルを取りたいです」
一方、適性が出たことで、悩んでいる生徒も…こちらの男子生徒は、水泳で全国大会に出場する能力がありつつも、フェンシングの評価が高く、どちらが良いのか、迷っているということです。中学3年 渡邊真二郎さん「今、中学校3年生で高校の進路とかもフェンシングか水泳でとても迷っているんですけど、今年中学のラストイヤーで水泳で高い結果を残せたらそのまま水泳でオリンピックに行きたいと思うけど、もし今年あまり良い結果を残せなかったらフェンシングに転向してフェンシングでオリンピックを目指そうと思います」
栄養指導も
またアスリートの体作りに必要な栄養の知識を身に付けるプログラムもあり、子供たちだけでなく、保護者も参加することができます。宮口リオさんの父親「コンビニでご飯を買っていた時にも、材料だったり栄養分だったり見て考えて購入できるようになったのを横で見てると勉強しているんだなと感じます」
未来のオリンピアンへ。
今年も福岡からの挑戦が始まります。
松田丈志さんがアドバイス
では、ここでトップアスリートを目指す参加者から元オリンピック競泳代表でスポーツジャーナリストの松田丈志さんへ質問です。
中学1年 宮口リオさん「目標達成のために習慣でやっていたことは?」
松田丈志さん「一番おすすめは”練習ノート”や”日誌”を毎日書くこと。自己実現するために文字にする、自分の目標を日々整理することはすごく力になる。私が現役の時は、練習ノートをコーチに見てもらうこともありました。是非、やってみてください」
中学1年 宮口リオさんの父「悩みは思春期の子供との向き合い方。松田さんのご両親はどう見守っていましたか?」
松田丈志さん「私の親はどちらかと言うと放任主義で、子供に任せるタイプでした。私が一時期、水泳を辞めたいと思っていた時、母親は『水泳を辞めていい』『ただ、水泳を辞めたらあなたが10年後、20年後に後悔するんじゃないの』と言い、自分で考えることを促され、結果、踏みとどまりました。子供自身に考えさせていいと思います」
中学3年 渡邊真二郎さん「全国大会で緊張してフライング…現役時代、大事なレースで心がけていたことは?」
松田丈志さん「結果を意識せずに、動きに集中する。優勝したい、ライバルに負けたくないなど結果ではなく、自分の動きについて具体的にどんな泳ぎをするのか、ストローク・飛び込み・ペースなどに集中しましょう」
中学1年 小林新さん「自宅で水泳に生かせるトレーニングは?」
松田丈志さん「ストレッチ&体幹トレーニングです。各種の自重トレーニングを毎日20~30分続けましょう」
小学5年 岸川真理奈さん「バタフライで背中が沈んでしまう…沈まないコツは?」
松田丈志さん「キックをがんばりましょう。細かい狭い幅で練習して、上半身のポジションを作ることを心がけましょう」
小学5年 蒲池陽さん「バタフライの手足のタイミングが難しい…コツを教えてください」
松田丈志さん「片手ずつ練習をしてみましょう。1かき2回うつタイミングを繰り返しドリル練習しましょう」
詳細は NEWS DIG でも!↓
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rkb/1871290
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