
PAVILION TOKYO 2021 では、世界各地で活躍する日本人建築家とアーティスト9名が、独自のパビリオンを設計しました。
パビリオンは国立競技場を中心とする半径約3㎞圏内に設置され、人々は地図を片手に宝さがしのように、あるいは散歩のかたわらに巡ることができます。
藤森照信氏(1946年〜)は自然と一体となった建築を作り続けており、この茶室「五庵」では基壇を芝が覆っています。上部の外壁に用いられている焼杉は、杉材の表面を焼いて炭化させたもので、表面の炭化層が板の劣化を防ぎ耐火性を高くします。
1階の待合に入り、梯子で2階の茶室に上がると、大きな窓から国立競技場が見えます。梯子は「にじり口」の再解釈で、暗くて狭い場所を通り、茶室という別世界に移動させる機能を持ちます。
歴史家としての膨大な知識に裏付けされた「どこにもない」建築が藤森作品の魅力です。
屋根が草で覆われていたり、建物が宙に浮いていたり、建物が曲線でかたどられていたり、シマウマ柄だったり、銀色に光るトタンの壁だったり…、自由自在に建物を操る建築家・藤森照信氏。
同じく建築家の隈研吾氏は、藤森氏のデビュー作である建造物を見て「見たことがないのに 懐かしい」と評しました。現代の日本住居とは明らかに姿が異なるのに、なぜか懐かしい”藤森建築”。
藤森照信氏は、日本を代表する建築史家であるとともに、45歳で建築家としてデビューした異色の存在です。
代表作に「ラ コリーナ近江八幡」、「空飛ぶ泥船・高過庵・低過庵」、「ラムネ温泉」、「多治見市モザイクタイルミュージアム」などがあります。
国立競技場の斜向かいに建つ茶室「五庵」は、これまで藤森氏が数多く作ってきた茶室の最新作です。
PAVILION TOKYO 2021で期間展示を終えた「五庵」は、藤森氏の故郷 長野県茅野市へ移転、保存される予定です。
まちたび では以下も取り上げていますので、そちらもご覧ください。
・ラムネ温泉 https://youtu.be/Qz-xAPs5OBg
・高過庵 低過庵 空飛ぶ泥舟 https://youtu.be/ZAl9MQ7Ecrc
☆https://paviliontokyo.jp/
♪Day from the Desert-Trevor Garrod
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