うちの教官(てつや)は優しい。でも意外と厳しい。
先日夫婦で少し遠くに用事があり“どちらが運転を担当するか”という話になった。今まで存在しなかった2択は少し大人になったようで嬉しい。とはいえ、まだまだ恐怖心の拭えない私はとても迷ったけど、少しでも早く慣れるように頑張ってみることにした。右折のスピードが遅すぎてダメ出しをされたり、着いた先の駐車場が大通り沿いのお尻から入れなければならないタイプで戸惑って一旦通り過ぎたりと小さめのハプニングはありましたがなんとか無事に到着。県を跨いでの移動だったので行きだけでもちょっと疲れてしまっていたけど、東京で車に乗ることもないし、てっちゃんが横にいてくれる時に乗れるだけ乗っておこうと帰りも担当。カーナビの調子が悪いので行きもスマホでマップを開いていたのですが、もう充電が危うい…調べたところ岡崎まで高速に乗ってほぼ100キロ道なりだったので一旦ナビ無しでひたすら走ることにした。無事に岡崎インターチェンジまで辿り着き、出口を降りて私は教官に尋ねる。

「ここから家までの道がわからない。」

すると、教官は
「でも見覚えのある景色でしょ?」
と答えた。

「そうだね。見たことのある景色ではあるけど、右なのか左なのか真っ直ぐなのかすでにわからないや。」

少しの沈黙の後、教官は言った。

「本当にわからなくなったら言って。」

(((いや、だから本当にわからないんだってば)))

教官の考えていることは大体わかる。
なんでも人に聞いてしまうことで私の考える力を育まないのは問題だと思っているんだろう。景色を見て、考えて、チャレンジして、失敗して、大きく強くなって欲しいんだと思う。

ただね、運転しながらそんな余裕はないよと。

結局、一旦止まって自分でナビを設定して事なきを得ましたがやっぱり教官は厳しいと思う。でも私の為を思ってるんだから優しいということもわかってはいる。
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