※「春愁の」の俳句の意味について、横尾さんは「ホームで誰かを待つ女の子をみて、自分は好きな人に何も言えなかったなと思い出した気持ちを読んだ一句」との趣旨の発言をされています。動画内の「別れの言葉を交わさずに別れてしまった」という説明は不十分でしたので、概要欄で訂正させていただきます。申し訳ございませんでした。
◆本日の俳句
サングラス外して対す海の青
春愁の言わで別れし日の記憶
鰯雲蹴散らし一機普天間に
雪晴れやエース区間の九人抜き
夕虹やデビュー知らせし茶封筒
ヘッドホン外しはとバス初紅葉
浜風光るスクイズの土埃
八合目のドラム缶風呂シャーベット
函嶺のスイッチバック朝燕
ズル休みさやか駅前純喫茶
ガード下シメのおでんはクミンの香
靴脱げたランナー春塵の入賞
#横尾渉
#Kis-My-Ft2
#キスマイ

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◆一部文字起こし
今回は画面にある俳句を参照しながらKis-My-Ft2横尾渉さんがプレバトで詠んだ俳句を紹介していきたいと思います
番組への初登場は2015年7月16日お題「夏の海と江ノ電」の回でした
作品読みます
サングラス 外して対す 海の青
意味はサングラスを外して海の青に向かって立つという夏を感じる俳句です
この俳句才能ありとして78点という高得点で衝撃のデビューを飾りました
現在横尾渉さんは名人十段ですがジャニーズ初の永世名人に向かって最初からスタートダッシュを決めた訳ですね

続いて2016年2月25日放送の
お題「房総半島菜の花列車」で詠まれた自身6個目の作品がこちらです
春愁の 言わで別れし日の記憶
こちら意味は春の思い出として別れの言葉を交わさずに別れてしまったという日の記憶を詠んだ俳句になります
「言わで」のこの打ち消しの意味を持つ接続助詞「で」なんていうのをこの時から使っている訳ですね
別れしの「し」なんかも古文的な助動詞ですがこんな俳句的な言い回しっていうのをもう6個目の作品の時からしっかりと作品に表しているということです
夏井先生の添削は
春愁の 言わで別れし日の鉄路
記憶と言わなくても昔の春の記憶であることが分かります
その記憶の中の場面を記憶という言葉三音を取ってその記憶の場面を表わすとよりイメージされやすい俳句になるということでした

2016年9月1日お題「秋の空」で詠まれた
自身10個目の作品がこちら
鰯雲 蹴散らし一機 普天間に
季語は秋の季語「鰯雲」になります
場面は沖縄の秋の日でしょうか
そんな中雲を蹴散らすように一機軍用機が普天間基地に向かったということを詠んだ俳句ですが
夏井先生は蹴散らし一機普天間「へ」と普天間へ向かう様子をあらわす助詞に替えるとより基地の方向へ向かっている様っていうのが表せるということでこんな風に添削をしていました
この俳句もそうなんですが初期は季語五音から始める俳句の作り方をされて基本の型から徐々に身につけていったという印象です

続いてはこの季語から始まる基本の型を夏井先生に絶賛された俳句になります
2019年1月3日に詠まれたお題「結露」の自身28個目の作品がこちらです
雪晴れや エース区間の 九人抜き
意味は雪晴れだなあと上五で季語を詠嘆する訳ですね
で箱根駅伝の注目区間で九人抜きする姿を見て自身も一年間頑張ろうと思ったよという俳句です
箱根駅伝ということを言及せずに箱根駅伝のことを言い表せていますよね
また俳句の型の力を信じた句ということで夏井先生は評価していました
九人抜きなんていう数詞を用いた迫力がいいとさらに続けていました
型は守りつつも箱根駅伝なんていう言葉を他のインパクトのある言葉で言い換えているところがすごいなと思いました

続いてはジャニーズらしい俳句を一句紹介します
2020年7月23日お題「封筒」で詠まれた自身40個目の俳句がこちら
夕虹や デビュー知らせし 茶封筒
こちらは自身の忘れられない記憶を元にした俳句だそうでKis-My-Ft2デビュー当時の思い出らしいですね
ライブ中に茶封筒を渡されてステージ上で開けたらジャニーさんの手書きで「CDデビュー決定」っていう風に書いてあったらしいです
もうこれは一生忘れることのできないエピソードだなあと聞いていて思ったんですけれども
この虹という言葉も#Kis-My-Ft2にかかっているらしくてグループの人数が7人らしいんですねなので七色の虹にしたと語っていました
で夏井先生はですねこの茶封筒というのにドラマを持たせるというところがすごいとした上で
虹にするんであればこの季語を立たせる努力をしなければいけないということで
デビュー知らせし よりも デビュ知らせる 茶封筒の方が季語が立つということで
夕虹や デビュー知らせる 茶封筒
と添削しました
ただ茶封筒がとってあって昔に思いを馳せている場面
デビュー知らせし茶封筒という過去のことを思い出す封筒という意味であったら
こんな添削もいらないよねっていう風に言ってましたね
自身の思いが凝縮されている俳句だったかと思います

ここまでは上五プラス十二音で俳句を作ってきた横尾さんですがここからは季語の位置や季語自体にもかなり工夫されて詠まれる俳句が多くなってきます
俳句を紹介していきたいと思います
2020年9月10日お題「イヤホン」で詠まれた自身42個目の作品がこちら
ヘッドホン 外しはとバス 初紅葉
意味はいつもしてるヘッドホンというのがあるらしいんですね
それを外してはとバスの初紅葉ツアーっていうのを五感を研ぎ澄ませて楽しむよという俳句です
夏井先生は声に出すと楽しい俳句っていう風に評価してました
確かに「外し」「はとバス」「はつもみじ」っていうところが調子もいいですし
「は」で始まってますよね
そんなふうに韻律もいいですよね
でよく見ると「ヘッドホン」の中にも は行が二つ出てきていてそこが名人芸だっていう風に褒めていました
ヘッドホンを外してはとバスの中からなんだけれどもはとバスって二階建てのバスの時もある
そんなより紅葉に近い所から初紅葉を見たよという様子が伝わってくる俳句なんじゃないかなと思います

2021年3月25日お題「じゃんけん」で詠まれた自身47個目の俳句がこちら
浜風光る スクイズの 土埃
七七五のこの俳句。
意味は明るい春の日に浜風が吹きわたっている
そこではスクイズの土埃が舞い一点を争う熱い試合が行われているということかと思いました
風光るという季語は明るい春の日に風が吹き渡っている様なんですが
浜風とすることで海の近くということが想像されます
そしてスクイズの土埃と春に野球をやっているところと来ると春のセンバツっていうところがイメージされると
また野球とかセンバツとかそういった直接的な表現を使わずに春のセンバツ・春の甲子園である様っていうのが表現できてますね
また「風光る」から始まる五七五にせずに浜風光で始まる七七五の俳句にしていますが
甲子園球場の説明も含めてうまく読み手を誘導することに成功しているという風に夏井先生に評価されていました
また私の感想なんですけれどもスクイズの土埃っていうところもいいなと思って
スクイズが行われる場面っていうのは一点を争う熱い試合なことが多いと思うんですね
そんな熱い試合という感じが出せているのも表現力の高さを物語っているんじゃないかなと思いました

2021年8月5日お題「ソフトクリーム」で詠まれた自身10個目の作品がこちら
八合目の ドラム缶風呂 シャーベット
意味は夏の日のこと富士山の八合目でドラム缶風呂に入って疲れを癒したと
その後シャーベットを食べながら明日登り切るぞと決意したという作品かと思います
八合目で場所が表わせてドラム缶風呂で場所と何が起こったかっていうところが説明できてます
そしてそこからくるシャーベットの切り返しが面白いと夏井先生はおっしゃっていました
熱い風呂と冷たいシャーベットの対比が効いてくるということですね
そのことで季語であるシャーベットが気持ちよく出てくる感じがするとおっしゃっていました
明日は登るぞっていう、今日はシャーベットでおしまいだよっていうシーンですね
先ほどのヘッドホンの俳句で名人6段へ昇格して
じゃんけんの俳句で春光戦で優勝して
このソフトクリームの俳句で名人7段へとワンランク昇格ということになるんですが
季語の位置といい表現力といいかなり工夫されて取り組まれているのだなという印象を受けました

続いては2022年4月28日お題「GW」で詠まれた俳句です
自身57個目の作品こちら
函麗の スイッチバック 朝燕
意味は春の朝のことです
函麗というのは箱根山の箱根山の別称らしくて箱根旅行で登山電車に乗ってスイッチバッグを行っている場面ですね
そんな中、外ではツバメが飛んでいるというシーンです
この函麗という響きがま涼やかで秋らしいと
また朝の燕。燕だけでも季語なのだけれども朝と時間を表記することでさらにその秋の爽やかな一日秋の涼やかさというのが強調されているということでした
またスイッチバックのジグザグ感とツバメのあのジグザグ飛行する様子っていうのも掛け合わされていて
五七五の定型に収まり気持ちのいい俳句だよということで
この俳句で名人九段に昇格することになります
私の感想なんですけれどもスイッチバックするところって急勾配なところが多くて
やっぱり標高が高いところに限られてくると思うんですが
徐々に標高を増す様みたいなものも表わせていて
より秋の涼やかさみたいなところが強調されるというか
麓よりもより秋のところに向かっていく様子も表現できてるんじゃないかなと思って
高低差で表現に差をつけるみたいなところはとても勉強になりました

続いては2022年10月6日お題「店のオープン」で詠まれた自身64個目の俳句がこちらです
ズル休み さやか駅前 純喫茶
さやかというのは爽やかの傍題ですね
傍題なんていうのも俳句に取り入れてくるようになったんですね
意味は爽やかな秋の日のことです
駅前の純喫茶で少しずる休みをしたという実体験を詠んだ俳句なんだそうですが
季語の置き場所というところがポイントだということで夏井先生が解説されていました
爽やかやさやかが、ずる休みよりも前にあると
爽やかなずる休み、さやかずる休みというずる休みを修飾してしまう形になってしまうと
でずる休みさやか駅前とすることで爽やかな駅前あるいは爽やかな純喫茶と修飾する先が作り手の意図どおりに定まる
ということで季語の位置はここで最も効果を発揮するだろうということでした
ずる休みの後ろめたい感じと一方では純喫茶や駅前の爽やかな秋の感じそういったものが対比されて
ずる休みというところについても読者に共感をさせてしまうようなそんな俳句かなと私は感じました

そして最新の俳句ですね
2023年1月16日お題「つまずく」で詠まれた自身70個目の作品です
番組内で70個作品を作っているんですね
靴脱げたランナー春塵の入賞
ですね
意味は春風が吹き砂埃が舞うなか靴脱げたランナーが入賞したということです
夏井先生は靴脱げたランナーと詠むと説明したくなるのが詠み手の心情だとした上で
あえて途中を描かずに入賞とだけ説明するわけですよね
この説明しない技っていうのを特に評価していました
靴脱げたランナーが砂ぼこりが舞うなか入賞したんだ
じゃあ春塵のその強い風の中レース自体も波乱万丈な展開だったんだろうな
という読みも読み手にさせるようなそんな表現だと私も思いました

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