佐賀県唐津市にある唐津神社の年中行事の一つ。
年中行事の中では秋季例大祭が所謂『唐津くんち』として有名です。
この囃子初めは年明けから一番最初の行事となります。
諸関係者が唐津神社で神事を行った後に曳山展示場の中で道囃子・競り囃子・立山囃子の3つの囃子を奉納します。
最初に流れる道囃子は唐津くんちにおいて11月3日のお旅所神幸の朝、赤獅子だけが唐津神社前から国道に出るまでの間のみに演奏される囃子です。
非常に優雅な囃子で、藩政時代当時に唐津神社から大手門を潜る間は城内三ノ丸に当る為、礼を欠かない様にと静かな道囃子を奏でていたと言われています。
廃藩置県に伴い敢えて道囃子で礼を尽くす必要が無くなったせいか、自然に消失してしまい幻の囃子となってしまいましたが、唐津くんち囃子保存会が発足した際に古老の記憶から再現・復活される事となりました。
次に流れる競り囃子は唐津くんちにおいてメインで使用されているお囃子です。
それだけに唐津人の魂を揺さぶる曲で、ここ一番の時には色んなところで演奏される事となります。
(例えば唐津市内の高校が甲子園に出場した際の応援等)
なお、道囃子から競り囃子へは唐津くんち本番そのままに続いて奏でられていきます。
最後に流れる立山囃子は唐津くんちにおいて曳山を止めた休憩時間等に演奏されるお囃子です。
立山囃子には以前歌詞があったと言われ、歌い出しが『越中富山の立山囃子・・・・』だったとされています。
つまり曳山の『山』を『立てる』囃子ではなく富山にある『立山』の囃子です。
その囃子が何故唐津くんちに使用されているかは不明ですが、太閤殿下の朝鮮出兵で全国の大名が名護屋に陣を張った際に唐津地方に伝わった囃子ではないかと推測されます。
例年だと曳山展示場の中でお囃子をされていましたが、現在は曳山展示場が建て替えの最中の為、昨年に続いて唐津神社拝殿内での奉納となりました。
令和7年1月13日撮影