黒部の踊子は、黒部の氏神深田部神社の秋祭りの祭礼に行われる芸能で、大太鼓・腰付・ササラ各六人の踊子と鬼一人で構成され、弓持一人と傘鉾(かさぼこ)三基がそれに付く。厄年の大人が勤める鬼のほかはすべて少年の役で、「大将」と呼ばれる大太鼓の打手が踊子を統率する。この踊子は舟木のそれと同類型の伝承であるが、風流田楽(ふりゅうでんがく)やその流れをひく風流踊(ふりゅうおどり)の古態をしのばせる芸能であり、芸能史的にも価値が高く重要となっている。
京都府指定民族文化財(無形) 1984年(昭和59年)4月14日 指定