自転車で日本全国旅しています。47都道府県1741市区町村走破目指して、土日祝日を利用して走っている社会人チャリダーです。
今日は津軽中里から国道339号を通って小泊へ、そこから竜泊ラインを通って龍飛崎・三厩までサイクリングです。
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今日は津軽中里から竜泊ラインを経由して龍飛埼へ向かい、その後三厩駅まで走るルートです。
お世話になった坂田旅館を後にして外に出てみると、看板には北緯41度と雄風の文字。改めて遠いところまで来たのだと感じると共に、明るい時間帯の津軽中里駅をしっかり目に焼き付けておこうと再び駅舎を訪問。よく見ると中にはお土産屋さんのような物産店もあるようで、やっぱり定期利用みたいなお客さんは少ないのだなと感じた。
この先はコンビニなどが少ないのでとにかくコンビニを見つけたら補給食などを買うようにした方が良いでしょう。少し走ると佐々木商店という個人商店のようなコンビニのようなお店があります。ここも重要な補給ポイントになりました。
そして左手に水辺が見えてきたかと思うと、ここが十三湖という汽水湖です。シジミが名産品らしいのですが周囲に商店などもあまりなく、荒涼とした大地が広がっているような印象です。
人気も少なく走りやすいのですが、そんな十三湖にも十三湖高原という道の駅があり、牛をモチーフにした可愛い建物を見ることができます。また天気が良ければ遠くに岩木山を望むこともできるでしょう。道の駅の営業時間が9時からなのでお店が開いていないかもしれませんが、ここはしっかりと休憩を取っておいてください。
十三湖を通り過ぎて日本海に近づいたかと思うと再び進路を北に変えます。すると右手前方にはきれいな三角錐の山が見えてきます。靄山と呼ばれる山でそんなに高さは高く無いのですが、形が美しく一見の価値ありです。
海沿いを進むルートで潮風がとても気持ちよく、付近には脇元海水浴場があります。ここには食事処サマーハウスもあり、うに丼やあわび、さざえなども食べられるようです。お昼時にここを通過することがあれば寄ってみても良いかもしれません。
夫婦岩を通り過ぎると国道は内陸へルートを変えて坂道を上ります。ちょっとした坂なのですが、周りに山しかないので激坂が待っているのではないかと不安になります。
その小さな坂を下ると小泊の集落です。ここには貴重なコンビニもあるのでしっかり休憩するようにしてください。小泊地区には太宰の小説で有名な津軽の像記念館があります。太宰治の声を復元した物や、ビデオシアターもあるようでファンにはたまらない場所です。入館料も200円と親切なのが嬉しいですね。
小泊集落を抜けると再びちょっとした坂を上ります。標高100m分も上がらないのですが坂の傾斜が度々きつく、ふっと声が漏れそうになります。この坂道を下ると道の駅こどまりがあり、折腰内交流施設ポントマリという謎の場所もあります。ふれあい水槽という楽しい場所もあったり、レストラン竜泊もあるのですが、ここまで来たらちょっとした補給に抑えて、龍飛埼を目指してみましょう。
この先数キロは海沿いを進み、右手には七ツ滝という見事に階段状になっている大きな滝を見ることができます。海のすぐ横にあるのに巨大な滝。そう、山が本当に目の前まで迫ってきているのです。このまま山の縁をずっと龍飛埼まで行くのかと思っていたら、滝を過ぎた次の瞬間。。。
竜泊ラインが本領を発揮するのです。。。
平均勾配7.8%の上り坂が7kmに渡って続く激坂。上りのスタートからいきなり斜度12%の看板もあって、上り切れるかなと正直不安になります。というのも今回はこれまでのルートがほとんど坂道がないコースだったので、坂に慣れてない人は四苦八苦するでしょう。
ここは自衛隊により開削された道で山の斜面があまりに急なので、九十九折にすることで斜度を稼いでいるのです。道は急なのですが木々の高さが高く無いため、振り返ると小泊の集落と雄大な日本海を望むことができ上り甲斐があります。またこの先に津軽最北の龍飛崎があると思うと足取りも気持ちばかり軽くなります。
中腹まで上ってくると九十九折も一旦終了して、斜度も気持ちばかり緩くなります。そしてその先に何やら東屋のようなものが見えてきますが、そこが頂上の眺瞰台です。この辺りまで上ってくると標高も400m近くなり、場合によっては濃霧に包まれていることもあります。特に夏は海霧が津軽海峡から流れてくることも多いようですね。
眺瞰台の標高は約475mで何とまあ景色の良い場所だろうとうっとりすることでしょう。視界も360度開けていて、天気が良ければ北には北海道、南には岩木山の絶景を満喫することがてまきます。眺瞰台と記された北西の看板もあるのでテンションはさらに上がりますね。
竜泊ライン上からでも十分展望は良いのですが、展望台へと向かう階段を上るとさらに景色は良くなります。ビンディングだと階段を上るのは躊躇われるかもしれませんが、景色の良さはピカイチなのでぜひ上ってみてくださいね。
龍飛崎へ向かう下り坂は、上り坂よりは九十九折は少ないのですが、それでもカーブが連続する道になっています。約6キロにわたって平均斜度7%の下り坂が続き、時には10%を越える坂もあります。ブレーキ操作に集中力が欠かせません。1日目、2日目と長距離を走り、先程の激坂を上って、体力も集中力も切れやすくなるタイミングですので、慎重に下って行くようにしましょう。龍飛崎に近づけば近づくほど、海霧も出やすくなります。
右手から県道281号が合流するポイント、標高130mの辺りまで下ってくると、左手に『絶対はずせない龍飛岬7大満喫スポット』の大きな看板が見えてきます。どれもおすすめなのですが、とくにおすすめしたいのが、龍飛崎灯台、階段国道、青函トンネル記念館、津軽海峡冬景色の碑です。
このルートで行くと最初に行けるのは、少し国道を左手に逸れて着く青函トンネル記念館です。この記念館、何がすごいかというとただ青函トンネルの歴史を紹介するだけではなく、実際に海底下140mに潜って体験坑道と呼ばれるところまで行くことができるのです。世界に誇る大事業の瞬間を自分の目で見ることができる体験は他ではなかなかできないので、ぜひ行ってみてくださいね。冬季は併設されている道の駅みんまやと共に営業を行っていないので注意してください。
そして、国道に戻って再びアップダウンを越えていくと着くのが津軽海峡冬景色の歌碑です。大きな歌碑の向こうには龍飛崎灯台も見えます。名曲2番の最初に登場する龍飛岬の歌詞。北の外れという言葉通り、地理的な最果て感だけではなく、そこへ到達することの難しさや、荒涼とした感じが『北の外れ』という言葉の深さを物語ります。ぜひ津軽海峡冬景色の世界観に引き込まれてください。
そして目の前には階段国道もあるのですが、ここを下ってしまうと龍飛崎灯台に行けなくなるのでまずは一回スルーしてください。
歌碑の先に続く細い激道を抜けると龍飛崎灯台へ行けるのですがまたこの坂がきつい。最後の最後まで龍飛崎灯台は楽に行かせてくれません。坂を上ると広い駐車場があって、イカ焼きのお店など良い香りが漂ってきて思わず食べてしまいます。何せずっと売店らしい売店に出会って来なかったので。
この駐車場に自転車を止めて奥にある階段を上っていくと、左手に龍飛崎灯台があります。灯台に上ることはできませんが、灯台のすぐ横に龍飛崎灯台の看板があり撮影にはバッチリです。
さらに階段を上っていくと、そこには圧巻の光景が待っています。台地状になった展望スペースからは津軽海峡を挟んで北海道の大地が一望できます。チャリダーやライダーにとっては憧れの大地である北海道。その夢の大地が目と鼻の先にあるこの光景。そして自分が自分の脚でそんな最果ての地まで来たんだという実感。全てにおいて強い感動を覚えることでしょう。自分自身も龍飛崎はそういう点において大好きな場所です。きっと車で来たらそういう感情にはならなかったことでしょう。
そのすぐ手前には竜飛警備所と呼ばれるレーダーがたくさん設置された異様な光景を目にすることができます。津軽海峡は国際海峡なので異国の船も多く通るわけですが、かつては旧陸軍の津軽要塞があり、竜飛崎砲台などもあったようですね。
龍飛崎でぜひやるべき大切なことがあって、三厩駅の時刻表チェックです。夢から現実に突き落とされる行為ですが、三厩駅は1日に数本しか列車が走っていません。しかも距離がここから14キロもあるのです。輪行するならその準備の時間も踏まえて、龍飛崎での時間の過ごし方を考えましょう。
龍飛崎灯台を満喫したら後ろ髪を引かれる思いとは思いますが、来た道を戻ります。歌碑のところまで来たら最後のお楽しみスポットである階段国道です。階段だけかと思いきや、親切なことに自転車でも降りられるよう端に小さなスロープが付いています。ただ観光客の方が多いので、邪魔にならないよう慎重にゆっくり降りていきましょう。
階段国道を降りて東に進むと龍のデザインが目を引く龍飛岬郵便局があります。こういうのは旅人にとってはプチ撮影スポットになって良いですよね。
三厩駅まではアップダウンはほとんど無いのですが、小さな起伏がちょこちょこあります。脚が限界にきているとそういうちょっとした坂が大ダメージになるかもしれないですね。
三厩駅の近くには義経海浜公園という義経伝説が残る公演もあります。また駅のすぐ近くには風の岬へようこそ。と書かれた巨大な2本の白い塔があります。この塔まで来ると三厩駅へ行く道を少し過ぎてしまっているので、地図で確認するようにしてください。
三厩駅は今では無人駅になってしまっていますが、大きな待合スペースを持った駅舎があり座ってゆっくりすることができます。津軽半島最北端の駅という駅の外にある地図イラスト入りの看板は、撮影にもってこいですし、それはまた感慨深いものでしょう。
駅構内の先が途絶えた線路を見ると、またまた最果て感を感じると共に今回の壮大な旅の終わりをひしひしと感じるに違いありません。
青森への直通列車はほとんど無いので途中の蟹田駅での乗り換えが必要になります。疲れていると思いますが、爆睡しないように気をつけてくださいね。
走行距離72.7km、獲得標高918m、走行平均時速24.1km/h
#自転車#旅#青森