【鶴雅観光大学】パッケージツアーはなぜ生まれた?|近代観光の祖・トーマス・クックと『最初の旅』

1841年、近代観光の祖と呼ばれるトーマス・クックは、イギリスで禁酒運動の仲間を乗せた貸切列車の旅を企画しました。

この小さな旅は、のちのパッケージツアーや近代的な旅行業へとつながっていく、観光の歴史における大きな一歩となります。

では、なぜトーマス・クックは旅を企画したのでしょうか。

その出発点にあったのは、旅行ビジネスで成功することではなく、当時の労働者を取り巻く社会問題でした。

産業革命期のイギリスで、クックは禁酒運動に取り組みます。
ただ「お酒をやめなさい」と伝えるだけではなく、その代わりとなる健全な余暇や楽しみをつくれないか。

そこで彼が目を向けたのが、当時広がり始めていた鉄道でした。

列車に乗っていつもとは違う場所へ出かけ、仲間と時間を過ごす。
「移動」そのものではなく、人々が新しい時間の過ごし方を体験できる旅をつくったのです。

トーマス・クックの物語をたどると、パッケージツアーの始まりだけでなく、「なぜ人は旅に出るのか」という観光の原点も見えてきます。

地域に何があるかだけではなく、そこへ行くことで日常がどう変わるのか。
その理由まで含めて旅を考える視点は、現代の観光や地域づくりにもつながっています。

【鶴雅観光大学】では、観光の歴史や旅の文化をひもときながら、北海道の観光やこれからの旅を考える小さな教養をお届けします。

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