2026年10月2日時点で、東京は37日連続の降水で、統計史上最長の記録となる。とくに近県の千葉では、河川の氾濫、床上床下浸水、崖崩れなどが頻発している。災害が起きたとき、ペットと暮らす人が頭を悩ますのが、「動物をどうするか」という問題だ。
避難が必要になったら、一緒に連れていくべきなのか。その場合、何を準備すればいいのか。
それとも、自宅に残したほうがいいのか。残すならリードに繋ぐべきか、ケージに入れた方がいいのか……。
環境省は、災害時に飼い主がペットと一緒に避難する「同行避難」を基本的な考え方としている。ただし、同行避難とは「避難所で人とペットが同じ場所で生活する」という意味ではない。避難所でのペットの受け入れ方法は自治体や施設によって異なるため、平時から確認しておく必要がある。
東京大学および大学院で獣医学を学び、在学中にはカリフォルニア大学デービス校付属動物病院で動物行動治療学を学び、動物病院での診療や大学講師などを経て、現在は「ペットと人が楽しく快適に暮らすためのライフスタイルの提案」をライフワークとしている高倉はるか先生に、今回は犬を飼っている家庭へのアドバイスを聞いた。
想定するのは、避難先で犬は人間とは別の場所に預けられ、ボランティアなどが世話をしてくれるケース。そして、夜間などに急いで避難する必要があり、犬を自宅に残さざるを得ないケースだ。
はるか先生のインタビューでお伝えする。
普段からいろいろな環境に慣れているか
不測の事態で不安になった時、ストレスを軽減させてくれることが2つあります。ひとつは信頼している飼い主さんが落ち着いていること。もうひとつは、これまでにいろいろな環境を経験していることです。
経験とは災害そのものではなく、たとえば、旅行やペットホテル、病院などに預けられたり、見知らぬ場所で過ごしたことがある、家のいつもの場所でなくても寝られる、家族以外からもごはんやおやつをもらって食べられる、など。
こうした経験があれば、非常事態で家を離れることがあっても、比較的落ち着いて行動できると思います。
災害時は飼い主さんも不安ですよね。ただその様子を感じて、犬も不安になることがあります。不安なまま、他の施設やボランティア団体に預けることになると、ストレスがかかるので、離れる前はできるだけいつもの笑顔と声かけを心掛けるといいと思います。

さらに、「家族以外」「家以外」に慣れている犬なら、安全な場所とごはんが確保されれば、比較的ストレスもおさえられるでしょう。
それには、災害のために特別な訓練を始めるというより、普段のお出かけや旅行の中で、少しずつ「いつもと違う」経験を積めると、いいと思います。

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