引退した猫はるな
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東京女子プロレスは27日、東京・新木場1stRINGで「TJPW Autumn Victory in SHINKIBA」を開催した。今大会で同団体から卒業し、プロレスを引退する猫はるなが卒業・引退セレモニーの直前に初のベルト戴冠を果たし、涙で7年間の現役生活に幕を閉じた。
猫は2018年11月17日の新木場大会で中島翔子を相手にデビュー。リングネーム通り、猫をモチーフにしたコスチュームで独自のキャラクターを確立し、同団体に欠かせない選手として活躍してきた。しかし、2023年8月に左ヒザを負傷し、手術を受け長期欠場。昨年10月に復帰したが、今年5月に右ヒザを負傷し、再度手術を受けた。手術自体は成功し、リハビリに励んでいたが、今後の人生を見据え、新たな道に進みたいとして卒業を決断した。
今大会のメインイベント後に「猫はるな卒業記念特別試合」が組まれ、ケガで試合ができない猫は「with」として、鈴芽、桐生真弥組のセコンドに付き、辰巳リカ&原宿ぽむと激突。辰巳組にはハイパーミサヲが帯同し、「全国猫はるなの卒業を阻止したい連盟」として、猫の卒業撤回をアピール。そこに桐生が突っかかって試合がスタート。猫は要所要所で試合に介入し、得意の顔面かきむしりで攻撃。さらに猫、桐生、原宿の3人でエルボーの打ち合いに発展。ケガが続いた猫の心を思いやったミサヲが再び入って、「猫ちゃん卒業を考え直してくれ! そして私たちと一緒にプロレスしようぜ」とプラカードを掲げるも、猫は「ありがとうございます!」と言って、プラカードでミサヲ、辰巳、原宿を殴打。最後は桐生が原宿をスパインバスターで仕留め、猫のチームが勝利。同時に桐生は保持しているアイアンマンヘビーメタル級王座を守った。
桐生が「猫さん、勝ったよ! 3人で勝てて、ホントによかった。すごいうれしい。猫さん、卒業するんやな? 私もこれから猫さんの誇り高き同期として、素晴らしいってなるために、このベルトずっと守って防衛して。猫さんがまた東京女子に遊びに来てくれるときとか、絶対私はこれを腰に巻いて待ってるようにするから、よろしくお願いします!」とマイク。すると猫が桐生の顔面をかきむしってカバーするもカウント2。ならばと、原宿のアシストから、猫がかきむしって桐生をフォールすると辰巳、原宿、鈴芽も上に乗って一緒に押さえ込んで3カウントを奪取。アイアンマン王座が移動し、猫がプロレスキャリアで初のベルトを手中に収めた。
猫は「やった! ベルト獲れたよー、みんな! 7年くらいやってきて、初めて獲れたベルト、すごいうれしいんだけど。これ持ってると人間たちが狙ってくる。それやるとちょっと危ないから、桐生さんに返してあげるね。思い出できた」として、自らギブアップを宣言し、ベルトは桐生の元へ戻った。
卒業セレモニーでは、選手を代表して中島が花束、鈴芽と桐生から記念品が贈呈された。最後に猫は「今日は集まっていただいて、ありがとうございます。私は運動も得意じゃないし、人前でこうやって話すのもすごい苦手だし。でも、それでも猫のことをやさしく見守ってくれているファンの皆さんのおかげで、ここまで続けられることができました。東京女子のやさしくて頼りになる先輩たちも、いてくれるだけで安心する同期たち、猫なんかよりもしっかりしてて尊敬できる後輩たち。そんなやさしい、スタッフさんたちもありがとうございますだし、お客さんも選手もみんなやさしい東京女子プロレスのなかで、猫はるなという存在に生まれられてよかったです。約7年間、本当にありがとうございました!」とあいさつ。引退の10カウントゴングが鳴らされ、ラストのリングコールを受けた。多くの紙テープが投げ込まれるなかで、猫はプロレスラー人生に終止符を打った。
バックステージで猫は「今日はすごいみんなが温かく猫の卒業を…。やさしいみんなに支えられてここまでこれて、ちゃんと卒業としてやれることができてよかったです。ありがとうございました。みんなのおかげでいつも楽しくプロレスラーできたと思います。(同期の2人が)最後にいてくれたのは、すごいうれしかったです。何回もやめたいなって思うときはあったんですけど、こうやってみんなに祝福してもらってやめられたので、すごいよかったんだなって思います」としみじみと語った。今後については「知り合いのところで働きます。前に出ることはないです」と話した。
▽猫はるな卒業記念特別試合20分1本
辰巳リカ&●原宿ぽむ(12分29秒 片エビ固め)鈴芽&桐生真弥○with猫はるな
※スパインバスター
▽アイアンマンヘビーメタル級選手権試合
<王者>●桐生真弥(19時43分 体固め)猫はるな○<挑戦者>
※真弥が防衛に失敗、猫が第1769代王者となる。
<王者>●猫はるな(19時45分 ギブアップ)桐生真弥○<挑戦者>
※猫が防衛に失敗、真弥が第1770代王者に返り咲く。
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