9月になって少し日にちが経ってしまいましたが、8月度のシェルターだよりをお届けします。

先月はチャトラの訃報に多くの方から追悼のお気持ちを寄せて頂き、本当にありがとうございました。

 


病院から届いたチャトラへの献花
天国のチャトラに届いて欲しい

私にとってかけがえのない子との別れであり、柄にもなく落ち込んでしまいましたが、皆さんからのお気持ちでずいぶんと励まされました。

まだまだ前向きな気持ちとは程遠いのですが、天国のチャトラに恥ずかしくないよう、しっかりと他の子たちのお世話を頑張っていこうと思っています。

 


寝床で眠る流れキジ
ひとりきりの寝床は広く感じているはず

さて、チャトラが暮らした2階の部屋は流れキジひとりになり、すっかり広くそして寂しく感じられるようになりました。

 

そして、2階が流れキジだけになってからというもの、ずいぶんと部屋の掃除が楽になってしまったのです。

かつてチャトラが元気だった頃は、毎日部屋中がひっくり返されたような散らかり具合でしたが、今では驚くほど部屋が綺麗なままです。

 

これまで部屋が散らかっていたのは、チャトラと流れキジが毎日元気に遊び回っていたからなのでしょう。

 


ひとりぼっちになった流れキジ
チャトラがいなくなって寂しいはず

 

私はさほど散らかっていない部屋をゆっくり片付けながら、在りし日の2匹のことを思う日々が続きました。

 

まさか、部屋の掃除が楽になって物悲しい気持ちになる日が来るとは想像もしませんでした。

こうしてひとりになってからは、ちょっと元気のない流れキジですが、早くひとり暮らしの生活に慣れてもらって、チャトラの分まで長生きして欲しいと思っています。

次に1階の子たちの様子ですが、ひとつ大きな出来事がありました。

 


寝るのが大好きなえりちゃん
私が思う以上に高齢なのかもしれない

最近になって食欲が落ちてしまったえりちゃんを、病院でしっかりと検査してもらったのですが、その結果、腎臓病のステージ1と甲状腺機能亢進症ということが判明したのです。

チャトラのことがあってから、体調に不安のある子は早めの治療に臨むつもりでえりちゃんを病院へ連れていったのですが、思った以上に深刻な病状を抱えていることが分かりました。

 


えりちゃんの健康診断の結果
甲状腺機能亢進症を患っていたのは想像外だった

しかし、腎臓病も甲状腺機能亢進症も初期の病状ですから、悲観するほど先行きが暗いわけではありません。

適切な投薬治療を続けていけば、きちんと天寿を全うすることができる段階です。

とは言え、高齢のえりちゃんに病魔が忍び寄っていることが分かってしまったのは、私の中では受け止め難いほどショックな出来事でした。

 


えりちゃんの保護から2年8か月が経った
今では立派な家猫に

言い換えれば、えりちゃんの命のカウントダウンが始まっているようなものだからです。

今後はえりちゃんにしっかり寄り添った治療をしながら、限られた時間を大切に過ごしていきたいと思います。

 

一方、他の子たちは元気いっぱいで、幸いにも食欲が安定してくれています。

 


だいぶふっくらしたアリスくん
ダイエットが必要かもしれない

 

あえて言えば、アリスくんと空歌ちゃんがちょっと太り気味かな、というくらいで、えりちゃん以外はひとまず病気の心配はなさそうです。

 

最近ではどの子もシェルターの暮らしに慣れてくれたのか、伸び伸びと過ごす姿を見せてくれます。

 

特にともくんは部屋の真ん中にあるおもちゃで遊ぶようになり、かつてのように私の目から逃れるように部屋の隅に隠れることが少なくなりました。

 


心を開きつつあるともくん
もう一息人馴れして欲しい

 

保護当初はともくんが家猫になる日は遥か彼方、という感覚でしたので、今のともくんのハツラツとした姿を見られるのは何よりの喜びです。

 

あとは空歌ちゃんが少しでも人馴れしてくれることが、これからの私の目標です。

 

最後に私事になるのですが、少しだけお話させてください。

 

シェルターを設立する数年前、私は猫たちが暮らす様々な場所で、文字通り血と汗と涙を流しながら保護活動を続けていました。

 


チャトラーズが暮らした駐車場
毎日お世話に行った場所だった

 

そして、その中心にいたのがチャトラでした。

 

チャトラがいたからどんなに過酷な状況のお世話でも、毎日続けることができたのです。

 

その後、私の心に芽生えた「いつかチャトラを保護したい」という一念は、皆さんの応援もあって見事に実を結び、保護猫シェルターの開設に漕ぎつけることができました。

 


保護してから家猫となったチャトラ
私との付き合いは9年に及んだ

 

こうしてチャトラを保護した後も、私の中心にチャトラがいることに変わりはありませんでした。

 

チャトラのためなら、どんなことだって我慢できました。

 

しかし、チャトラはわずか2年8か月の家猫生活を経て、空に還ってしまいました。

 


平和に暮らしたチャトラーズの2匹
幸せな思い出を残していて欲しい

 

それは、私がこれまで揺るぎない拠り所としていた存在がなくなり、ひとつの時代が終わった瞬間でもありました。

 

そんな失意の日々を過ごすなか、ひとつの時代の終わりはひとつの時代の始まりという境地に至りました。

 

新たなスタートラインに立った私は、チャトラの看取りを通じて痛感したシェルターの欠陥、自宅とシェルターという2拠点を行き来する生活の限界、未だ外で暮らす保護対象の子たちなど、山積みの問題を見つめ直すことにしたのです。

 


私が保護を目指す子のうちの1匹
ずいぶん長く外暮らしで待たせてしまった

 

そして、新たな時代へ踏み出す資金を捻出するために、私は8月末から夜勤の副業をはじめることにしました。

 

毎日の猫のお世話に加えてダブルワークという多忙な日々ではありますが、ひとまず資金面の目処がつくまでの期間限定のつもりでいます。

 

今はまだ私の新たな構想をお話できる段階ではありませんが、もっと猫たちが健やかに暮らせる環境を実現できるよう、全力で頑張っていきます。

 

もうしばらくは落ち着かない日々かと思いますが、今後とも温かい応援のお気持ちを寄せて頂ければ幸いです。

 

では、また来月のシェルターだよりでお会いしましょう。

菊川

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