餌やりさんに見捨てられた猫の幸せな最期
世間は夏休み真っ只中の8月16日、東京・千葉・福島を拠点に動物保護活動を行う一般社団法人「ワタシニデキルコト」(通称:ワタデキ)のインスタグラムに、こんな投稿が上がった。
「7年間ベランダで餌やりをしていた猫が突然歩けなくなりました。助けてください!」
講談社FRaU Webの連載でもお話しした「縁蔵」との縁は、2023年にこんな連絡を餌やりさんからもらったことから始まりました。
あれから2年、その縁蔵の急死の連絡が昨晩、お預け先の妙玄さんから入りました。
「今朝、いつものように朝ごはんが待ちきれず、ウッドデッキで愛さんを最前列で持っていて、漁師さんからもらったカツオを焼いてのせた朝ごはんも完食。食後、突然うなだれた縁蔵に愛さんが声をかけると、そのまま倒れ、ものの10秒くらい痙攣して、息を引き取ったそうです。
『どうした!?縁蔵!!?』と声をかけている間の急死」とのことでした。
みんながみんな、あまりにも突然で呆然としています。
病院で診察を受ける縁蔵。写真提供:ワタシニデキルコト
ワタデキの代表である坂上知枝さんや坂上さんの妹は、下半身麻痺でズルズルと這いながらも、寝床だけは清潔に保とうとする縁蔵の健気な姿に胸を打たれ、リハビリをさせ、鍼治療も受けさせた。
これが功を奏してか縁蔵は歩けるようになるまでに回復。その後坂上さんが信頼する妙玄さんの運営する「猫の楽園」に住まいを移し、穏やかに暮らしていた。野良猫として過酷な日々を生き抜いてきた縁蔵は、たくさんの愛に包まれて旅立った。