どうぶつ
「大好きな“妻”ねこと離したくなかった」 闘病中の愛猫を支える“家族”の愛に涙…懸命に生きる姿に感動の声
公開日:2025.07.11
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更新日:2025.07.11
ねこ保護ねこ
点滴中のはちべえくん(左)と、優しく看病するしずくちゃん(スクリーンショット)
愛猫の看取りは、迷いの連続です。正解がわからないまま、刻一刻と変わる体調と向き合いながら、日々判断を迫られます。静脈から点滴をすれば、もう少し生きられたかもしれない──そうわかっていても、幸せそうに目を細める愛猫を前に、温かな時間を優先することにした飼い主さん。その決断には、深い愛情と覚悟が込められていました。17年4か月27日という歳月を懸命に生き抜いたねこの「はちべえ」くんの、かけがえのない瞬間をとらえた動画がX(ツイッター)で大きな反響を呼んでいます。飼い主さんに、その想いを伺いました。
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不思議なご縁でつながったはちべえくん
はちべえくんが産声を上げたのは、2008年。野良だったお母さんねこが保護されたとき、お腹の中にいたはちべえくんも一緒に救われ、温かな環境の中で無事に生まれてきました。
4匹きょうだいのうちの1匹としてすくすくと育ったはちべえくん。飼い主さんは、里親募集の掲示板で情報をたまたま目にし、すぐに連絡を取りました。実際に会いに行った日、はちべえくんは小さな体で膝によじ登ってきたそう。その瞬間の感動は、今も鮮明に覚えているほどだといいます。
実は保護主さんのもとには、はちべえくんの引き取りを希望する連絡が数多く寄せられていました。そんななかでご縁がつながった背景には、飼い主さんと保護主さんの娘さんの名前が偶然同じだったという、ちょっと不思議な巡り合わせがありました。
幼い頃の、とてもかわいらしいはちべえくん【写真提供:ねっこ(@neko3_1bokuchan)さん】
こうして引き取られたはちべえくんは、たっぷりの愛情に包まれ、飼い主さんの顔の上や腕の中で眠るのが日課に。名前を呼べば必ず返事をし、飼い主さんが泣いているとそっと寄り添い、顔を舐めて励ましてくれるほど、とても賢く成長しました。
「家に帰れば必ず玄関で待っていたし、私が帰宅すれば、たとえ寝ていてもスッと起きて玄関に向かっていたそうです。お風呂もトイレも扉を閉めることは許されないし、いつでもべったりで幼い頃からよくニャゴニャゴお話する子でした」
年下なのに姉さん女房のようなしずくちゃん
はちべえくんの闘病を支えたしずくちゃん【写真提供:ねっこ(@neko3_1bokuchan)さん】
そんなはちべえくんが8歳の頃、飼い主さんは新たに2匹のねこをお迎えします。そのうちの1匹が“妻ねこ”となる「しずく」ちゃんでした。まだ幼いしずくちゃんがやってきたとき、飼い主さんは「はちと相性が合うだろうか」と少し不安を感じていたそうです。しかし、そんな心配はすぐに吹き飛びました。
「はちは、空気のように軽いふわふわの子ねこだったしーちゃんを甲斐甲斐しくお世話しました。トイレもごはんもお水もこっちだよ! と教えて、毛繕いもお手伝いして。『僕にくっついてたらあったかいよ』って言うみたいに。しーちゃんもはちにべったりで、ずーーーっとくっついていました」
はちべえくんは、しずくちゃんにごはんを「ちょうだい」とねだられると、自分の分を譲って見守り、食べ終わるまでそっと待っていたそうです。ふたりの間には、自然と“夫婦”のような信頼と絆が育まれていきました。
年下なのにどこか姉さん女房のような頼もしさをもつしずくちゃんと、誠実で愛情深いはちべえくん。毎日が穏やかで陽だまりのような、そんな日々が続いていたといいます。