公開日時 2025年07月01日 05:00更新日時 2025年07月01日 07:37
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前森 智香子
人と動物の共生する社会の実現を目指す「県動物の愛護及び管理に関する条例(県動物愛護管理条例)」が1日、施行される。10匹を超える多頭飼育をする場合などに飼い主の義務や罰則規定を定めている。県が認知した多頭飼育は2020~24年度の5年間で46件だった。県は多頭飼育崩壊の未然防止に向けて、条例に基づいて届け出をするよう呼びかけている。
条例では、犬・猫を合わせて10匹以上を飼う場合、30日以内に県へ届け出をするよう定めており、違反すると5万円以下の過料が科せられる。届け出先は動物愛護管理センターなどで、電子申請もできる。
県自然保護課によると、10頭以上の多頭飼育の県内での認知件数は横ばい状態にある。20~24年度のうち21年度が10件、そのほかはいずれも9件だった。24年度には犬30頭以上を飼育していたケースもあった。臭いや鳴き声に対する苦情や、家族や関係者からの飼育相談などで把握しているという。
多頭飼育崩壊には、飼い主の経済的困窮や社会的孤立といった生活環境が関連することが多い。動物愛護関連の部局や団体だけではなく、福祉や地域など社会福祉的な支援も要する。
県では市町村を通じて広報するなど、周知を働きかけている。担当者は「県や市町村の福祉部局、動物愛護団体など多機関・多職種で連携し、多頭飼育崩壊を防いでいきたい」と述べた。
条例ではそのほか、猛獣など動物愛護法で規定する特定動物が逃げ出した場合の通報義務などを定めている。
(前森智香子)