
東京・京都・大阪・兵庫の4都府県から要請されている緊急事態宣言について、菅総理は、23日に専門家の会議に諮ったうえで決定すると発表しました。政府は、緊急事態宣言の期間を今月25日から来月11日までとする方針を固めています。
新型コロナウイルスの感染再拡大が続くなか、大阪では救急車の受け入れも厳しい状況になっていて、大阪医科薬科大学病院・浮村聡教授は「大阪の医療崩壊が進んでいる」と指摘します。
浮村聡教授:「非常に厳しい状態で、救える命が救えない状態がすでに始まっている。今回(の宣言)はかなり強い制限が必要ではないか。とにかく人の流れを遮断する。10分の1くらいの人流にしないと無理なのではないか。すでに非常事態である。グズグズしている場合ではない。東京も大阪に着実に近付いてきているのではないか」
東京では、医療のひっ迫具合を示す、新規陽性者や入院患者、重症者の数が先週と比べて、増加しています。東京の医療現場はどんな状況になっているのでしょうか。東邦大学医療センター大森病院感染管理部・宮崎泰斗副部長に話を聞きます。
(Q.東京での感染者数が増えてきていますが、現場でどう感じていますか?)
宮崎泰斗副部長:「第3波からあまり日が経っていないにもかかわらず、じわじわと患者が増えていて、だんだんと緊張感が高まってきています。今は近隣よりも、少し離れた所から運ばれてくる患者が多いので、地域的な偏りを感じています。救急の患者については、全般的に多くなっています。この辺りは緊急をたくさん受け入れていた病院が手一杯になっていて、一般の救急などの患者が増えています」
(Q.東京より早く緊急事態宣言が明けた大阪の医療がひっ迫していますが、どう感じていますか?)
宮崎泰斗副部長:「今はそこまでではないと思いますが、じわじわと患者が増えています。このまま増えていって本格的な第4波になると、難しくなると思っています」
大森病院がある大田区では、去年春から病院や保健所などが毎月会合して連携を強めてきたことで、回復者の転院がスムーズになり、重症病床に余裕が生まれやすくなったといいます。こうした取り組みが進んだ背景には、病院の受け入れ体制の『リスト化』があったということです。
(Q.『リスト化』はどういった取り組みですか?)
宮崎泰斗副部長:「太田区の医師会の先生や保健所、コロナを受け入れている病院、受け入れていない病院が毎月、会議をして、情報を共有したり、問題点を出し合ったりしています。そのなかで、感染性がないにもかかわらず、回復した患者の受け入れが進まない状況があったので、医師会がアンケートを取って、受け入れられる病院のリストを作りました。それで積極的に中小の病院が受け入れてくれるようになりました。ただ、ベッドや職員の数には限りがあるので、第4波で患者が多くなってしまえば限界を超えてしまうと思います」
(Q.緊急事態宣言の効果をどう見ますか?)
宮崎泰斗副部長:「これまで2回の緊急事態宣言で一定の効果はありましたので、今回もある程度の効果は期待したいです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

WACOCA: People, Life, Style.