2021年7月11日の発表会にて。

講師演奏で、松本愛先生がベートーヴェンの「エリーゼのために」とショパンの「黒鍵」エチュードを弾きました。

プログラムノートより、抜粋いたします。

ショパン「黒鍵」
この曲を弾いてくださる愛先生のピアノはとても正統的で美しく、豊かな色彩が本当に素敵です。
レパートリーもドイツロマン派やショパン、ドビュッシーやベートーヴェンなど幅広く、音楽にとても精通しています。
アルゲリッチは、まるで楽しく料理をする様にピアノを弾いていますが、愛先生はドライブを愉しむようにピアノを演奏しているように感じます。にも関わらず、音楽の話をすると非常に緻密に音楽を捉えているのがよくわかり、そして自身もよく音楽を愉しんでいます。愛先生の日常の中にある自然な音楽をお楽しみください。
愛先生にこの曲を選んだ理由を聞いてみると、「私がこの曲を初めて弾いたのは中学3年生の頃でした。ここのところ生徒にショパンの練習曲を教える事が多く、しっかりと弾けないといけないと思い、その中から黒鍵を選びました。黒鍵は白鍵に比べて幅が狭く、外しやすいので鍵盤の中央を捉えて滑らないように注意し、丁寧に演奏する事が大事です。
凡そ中学生を中心に、高校生くらいの生徒が演奏する事が多い曲なので、そのくらいまでピアノを頑張って習っていると、本当に素敵な曲がたくさん弾けるようになります。ショパンは憧れの作曲家の一人だと思いますので、小学生の高学年で子犬のワルツやノクターン、中学生になってエチュードやスケルツォなど弾けると本当に素敵ですね!」と答えていただきました。
ショパンは、ピアノを勉強するには避けて通れない作曲家です。華やかで美しく、時に激しく、時に憂いを含んだ数々の作品は、ピアノの良さを最大限に引き出していると感じます。黒鍵は、臨時記号以外は全て黒鍵で作曲されていて、制約のあるテーマにも関わらず、全くその事を感じさせず、それどころか宝石が散りばめられたかのような華やかで美しい練習曲です。近い将来弾けるかもしれない曲ですので、愛先生の素敵な演奏でイメージを膨らませてください。

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