#新垣結衣 #源平合戦 #バルセロナオリンピック開会式 八重の弓道の腕前。号泣ではなく強弓。さすが伊豆国の豪族 伊東祐親、武士の娘!そして、後白河法皇が源頼朝の夢に再登場!小ネタ満載。コント大河も健在でした。脚本の三谷幸喜さんが「これが原作のつもりで書いている」と話す『吾妻鏡』。治承4年(1180)の「以仁王の乱」を起点に鎌倉幕府の歴史が記されています。第4回で描かれた、主なエピソードを『吾妻鏡』をベースに解説します。

時代考証 創価大学文学部教授の本
鎌倉殿と執権北条氏: 義時はいかに朝廷を乗り越えたか (NHK出版新書 661) 新書 – 2021/9/10
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00:00 新垣結衣の八重の号泣 否 強弓 恋の矢が狩野川を越える
00:16 江間次郎 三島大社の祭りに八重を誘う
00:26 好評につき?後白河法皇が源頼朝の夢枕に再登場
00:36 伊豆国目代山木兼隆と目代後見人堤信遠を討つことを決定?
00:49 吾妻鏡は脚本家 三谷幸喜さんにとっての原作
01:17 治承4年7月10日条 山内首藤経俊と安達盛長
02:05 治承4年8月6日条 占いで挙兵は8月17日と決定
02:58 治承4年8月6日条 工藤茂光 土肥実平 岡崎義実 佐々木盛綱ほか
04:29 治承4年8月17日条 進軍ルートは大通りか裏道か
04:54 治承4年8月17日条 最初の矢
05:15 詳細 遅刻した佐々木四兄弟 定綱 経常 盛綱 高綱が到着
06:12 安達盛長の童僕が山木館から妻問婚の雑色を炊事場で捕縛
08:02 北条時政が佐々木定綱に堤信遠を討つことを提案 了承される
09:01 佐々木経高が源平合戦 治承寿永の乱 最初の矢を放つ
09:25 第5回 兄との約束 石橋山の戦い 北条宗時 江間次郎の運命は

治承4年(1180)7月10日条(の、くだり)
山内首藤経俊(やまのうちすどう・つねとし)に合流を呼びかけるため、使者として向かった安達盛長(あだち・もりなが)ですが、「呼びかけに応じないばかりか、さんざん悪口を言われた」と報告しています。

治承四年(1180)七月大十日庚申。藤九郎盛長申云。從嚴命之趣。先相摸國内進奉之輩多之。而波多野右馬允義常。山内首藤瀧口三郎經俊等者。曾以不應恩喚。剩吐條々過言云々。

現代語:治承四年(1180)七月十日庚申(かのえさる)。安達藤九郎盛長が云うには、頼朝様の命令に従って、とりあえず相模の国だけでも、命令に従うものが多くいます。しかし、波多野右馬允義常(はたのうまのじょうよしつね)と山内首藤瀧口三郎経俊(やまのうちすどうたきぐちのさぶろうつねとし)は、あえて、その召集には従わないばかりか、悪口を云う始末。

治承4年(1180)7月23日条
源頼朝が佐伯昌長と永江頼隆を侍臣とした。

治承4年(1180)7月23日条 癸酉(みずのととり)佐伯昌助(さへき/さいきのまさすけ)と云(い)ふ者有り。是(これ)筑前国(ちくぜんのくに)住吉社の神官なり。去年五月三日伊豆国に配流(はいる)さる。是(これ)より先同社祠官(しかん)昌守、治承ニ年正月三日当国に配さると云々(うんぬん)。而(しか)るに彼(か)の昌助弟 住吉小大夫昌長、初めて武衛(ぶゑい)に参ず。
又(また)永江蔵人大中臣頼隆(ながえのくろうど おおなかとみのよりたか)同じく初参す。是(これ)太神宮祠官(だいじんぐうしかん)の後胤(かういん)なり。近年 波多野右馬允義常(はたののうまのじゃうよしつね)が許(もと)に在(あ)り。近日主人に向背する事有りて参上すと云々(うんぬん)。
此(こ)の両人は源家の奉為(おほんため)、兼日(けんじつ)陰徳を顕(あら)はすの上、各々神職(しんしき)を募るの間、御祈祷の事を仰せられんが為、門下の祇候(しこう)を聴(ゆる)さしめ給(たま)ふと云々(うんぬん)。

治承4年(1180)8月6日条
源頼朝は占いを行わせ、山木兼隆攻めの日時を「17日寅卯(とらう)の剋(こく)(午前3時~7時)」に決めました。

治承四年(1180)八月小六日丙戌。召邦通。昌長等於御前有卜筮。又以來十七日寅卯尅。點可被誅兼隆之日時訖。

現代語訳:治承四年(1180)八月六日丙戌(ひのえいぬ)。藤原邦通(ふじわら の くにみち)と住吉(佐伯)昌長 (すみよし(さえき) まさなが)を御前に呼んで占いをしました。又、今度の十七日の午前五時頃に兼隆を討つ時間と決めました。

治承4年(1180)8月6日条
源頼朝は土肥実平(どい・さねひら)、岡崎義実(おかざき・よしざね)らを一人ずつ人気のない部屋に呼び、「今まで口に出して言わなかったが、お前だけが頼りだ!」と丁寧に声をかけました。

治承4年(1180)8月6日条
其後工藤介茂光。土肥次郎實平。岡崎四郎義實。宇佐美三郎助茂。天野藤内遠景。佐々木三郎盛綱。加藤次景廉以下。當時經廻士之内。殊以重御旨輕身命之勇士等各一人。次第召拔閑所。令議合戰間事給。雖未口外。偏依恃汝。被仰合之由。毎人被竭慇懃御詞之間。皆喜一身拔群之御芳志。面々欲勵勇敢。是於人雖被禁獨歩之思。至家門草創之期。令求諸人之一揆給御計也。然而於眞實密事者。北條殿〔時政〕之外無知之人云々。

現代語訳:その後、工藤介(くどうのすけ)茂光、土肥次郎実平、岡崎四郎義実、宇佐美三郎佑茂(すけもち)、天野藤内(とうない)遠景、佐々木三郎盛綱、加藤次景廉(かとうじかげかど)他の、今身の回りに居る取り巻きの内、特に頼朝様に忠誠している勇士を順に部屋へ呼んで、戦の方法を教えました。表向きには云っては居ませんが、「お前を一番当てにしている。」とそれぞれ皆に丁寧な言葉を掛けましたので、皆、頼朝様の気持ちを喜び、勇敢に頑張ろうと思いました。人々は単独行動を止められているが、源氏の権威回復の機会なので、皆の励みを引き出すための作戦でした。でも、本当のことは時政殿以外には知らせていない。

治承4年(1180)8月17日条
佐々木定綱・経高・盛綱・高綱の兄弟4人が未(ひつじ)の剋(こく)(午後1時~3時)に北条に到着。源頼朝は感動の涙を浮かべながら「お前たちが遅れたから、けさ合戦することができなかった」と声をかけました。

治承4年(1180)8月17日条
祭りでにぎわう牛鍬大路(うしくわおおじ)を避け、蛭嶋(ひるがしま)通りを進むことを進言する北条時政。これに対し、源頼朝は「大事を始めるのに裏道を使うことはできない」と却下。合戦では、まず火を放つように命じました。

治承4年(1180)8月17日条
堤館に到着した源頼朝の郎党たち。味方が館の後ろに回り込むと、佐々木秀義の次男・佐々木経高(ささき・つねたか)が前庭へと進み、矢を放ちました。「是(これ)、源家(げんけ)の平氏を征する最前の一箭也(いっせんなり)」と記されています。

現代語訳:治承四年(1180)八月小十七日丁酉(ひのととり)。快晴。
三島神社の祭礼です。安達盛長は神に幣帛(へいはく)をささげる代理として出かけましたが、間も無く帰って来ました(神事が始まる前でした)。
午後二時頃。佐々木太郎定綱、佐々木次郎経高、佐々木三郎盛綱、佐々木四郎高綱の兄弟四人が到着しました。定綱と経高は疲れた馬に乘り、盛綱、高綱は歩きです。頼朝様は四人を見て感激して涙を浮かべました。「お前達の遅刻で、今朝の戦が出来なかった。残念でならない。」と云いました。「洪水のため思いがけず遅れてしまいました。」と定綱達はお詫びを言いました。

午後八時頃に安達盛長の童僕が炊事場で兼隆の雑色を捕らえました。頼朝様のいい付けでです。この雑色は普段北条屋敷の下女と婚姻していて毎夜通ってきています。しかし、今夜は侍達が集まっているので、普段と違うので何かを気付くといけないので、考えてこのようにしました。そこで、明日にすべきでなく、皆、早く山木へ行って戦をしなさい。今度の戦次第で今後の生涯が計られるのだと云われました。又、戦が始まったら火を付けなさい。その火を早く見たいものだと云うことでした。侍達はもう直ぐにでも奮い立っています。北条時政殿が云われるのには「今日は三島大社の祭りなので、お参りの人たちが大勢くるので、さぞかし道に溢れているだろう。だから牛鍬大路(うしくわおおじ)を回ると行き来する人達に疑われるので、蛭島(ひるがしま)通りを行った方が良いかも。」と云いました。すると頼朝様が皆に言うのには「考える処はそうだと思う。だけれども新しい世に替える初めなので、裏道を遣うべきでない。それに侍は蛭島(ひるがしま)通りでは騎馬のまま行けないので、大通りを行くべきだ。」と云いました。又、「腹巻」(という鎧)を付けた、住吉昌長(佐伯昌長)を一緒に行かせることにしました。これは戦を祈祷するためです。佐々木三郎盛綱と加藤次景廉は留守番をするよう云われ、頼朝様の傍に留まりました。その後、兵隊たちは原木(ばらき)を北に進み、肥田原(ひたはら)に到着しました。時政は馬を止めて定綱に云いました。「山木兼隆の後見役の堤権守信遠が山木館の北方に居ます。優れた勇者なので、兼隆と一緒に殺して置かないと、後で面倒な事になるんじゃないか。佐々木兄弟は、堤信遠を攻めて下さい。案内人を付けましょう。」と云った。定綱達は、「了承した。」と云った。夜中12時頃に、牛鍬大路(うしくわおおじ)を東へ行き、定綱兄弟は、堤信遠の屋敷の門田の端に止りました。定綱と高綱は時政の雑色で名を源藤太(げんとうた)という案内人と一緒に屋敷の後ろへまわり、経高は前から庭へ進んで、矢を打ち放ちました。これが源平合戦のさきがけとなりました。

NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』あらすじ
第4回 矢のゆくえ 2022年1月30日(日)
治承4年(1180)8月、ついに挙兵を決断した源頼朝(大泉洋)の一党は、伊豆国の目代・山木兼隆を討って初戦を飾るべく戦支度いくさじたくを始める。しかし、頼朝の乳母子である山内首藤経俊(山口馬木也)に助力を断られるなど、強大な平家の威光の前に思うように兵が集まらない。強気な兄・北条宗時(片岡愛之助)とは対照的に、自身の浅慮を後悔する北条義時(小栗旬)。そんな中、対岸の江間館で暮らす八重(新垣結衣)が義時に声をかけ・・・。

第5回 兄との約束 2022年2月6日(日)
闇夜にまぎれ、堤館と山木館を立て続けに襲撃した源頼朝(大泉洋)の一党。見事に首級を挙げて勝利した頼朝は、北条義時(小栗旬)の知恵も借り、坂東での政(まつりごと)の第一歩として土地の分配を始める。だが、これを知った平家方が激怒。相模では、奉行を務める大庭景親(國村隼)が梶原景時(中村獅童)ら三千の兵を率いて出陣。伊豆でも、頼朝討伐に燃える伊東祐親(浅野和之)が動き出す。これに対する頼朝は全軍を率いて鎌倉を目指すが・・・。

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