岸田総理は4日午後、三重県の伊勢神宮を参拝し、その後、年頭記者会見に臨みました。オミクロン株対策や経済対策、外交安全保障から「空飛ぶクルマ」にまで触れた約35分間の会見の後半、記者との質疑応答をノーカットでお伝えします。

政治手法について…トップダウンとボトムアップの適切な使い分けを

【Q.総理は行き過ぎた官邸主導を改め、『政高党高』の政権運営を目指し、霞が関の統治もトップダウンよりボトムアップ型を重視されています。こうした政治手法は、政権発足3カ月でどれほど実現したでしょうか。課題や今後の政治手法を巡る抱負についても、経済財政政策や外交を巡る懸案を踏まえ、お聞かせ下さい】

 政治手法についての質問ですが、今も申し上げた新型コロナ対応あるいは経済対策また外交安全保障、さまざまな政策課題を推し進めていく際に大切なこと、これはこの国民の皆さんとの信頼と共感であると思ってます。そのために、国民の皆さんの声を聞き丁寧で寛容な政治を進めていかなければいけない、こういったことを申し上げてきました。もちろん、話を聞くだけではなく、必要なときには厳しい決断を行っていかなければいけない、結果も出していかなければいけない、こういったことであると肝に銘じています。

 いまボトムアップという政治手法についてご質問がありましたが、政治の判断をする際に、トップダウンか、ボトムアップか、どちらが優先されるべきかという議論がありますが、私はこの2つどちらが優先されるというのはなくして、必要な時にこの必要な手法を使い分けることができる、これこそ賢い政治であるということを申し上げています。平時においてはボトムアップぜひ大事にし、多くの皆さんの声を聴いていかなければいけない、これを優先させたいと思いますが、必要なときに果断に決断をしなければいけない、トップダウンで判断をしなければいけない、こういったことも躊躇してはならないと思っています。ぜひこうしたトップダウンとボトムアップの適切な使い分けを心がけていきたいというふうに思います。

 またさらに1点申し上げるとするならば、1度物事を決めたとしても、これ状況が変化したならば、あるいはさまざまな議論が行われた、こういった結果を受けて、柔軟な対応をする、こういったことも躊躇してはならないと思っています。こういったことも大事にしながら、政治、政権運営を行っていきたいと思っています。

 外交安全保障がさまざまな課題についてどうかというご質問でありましたが、今の政治姿勢、これは国の内外を問わず、大事な政治姿勢だと思います。こういった姿勢を大事にしながら、国内外のさまざまな課題に、今年もしっかり取り組んでいきたいと、こう考えています。以上です。

「空飛ぶクルマ」について

【Q.成長戦略の柱に掲げる「デジタル田園都市国家構想」の実現につながる施策の一例として、三重県は「空飛ぶクルマ」の実証実験などに取り組んでいる。法整備も含めた空飛ぶクルマの今後についてどのように考えているか?】

 ご指摘の「空飛ぶクルマ」ですが、特に三重県においては、積極的にこうした課題に取り組んでおられる、先進的な取り組みを進めておられるということを承知しています。空飛ぶクルマというものこれは離島や中山間地の移動ですとか、あるいは災害時における救命救急、こうしたことなど、この地域における課題を解決するうえで大変重要な存在であり、デジタル田園都市国家構想を体験するモビリティーであり、その実装、私も大いに期待をしたいと思っています。

 政府においては、2025年の大阪関西万博に合わせて、空飛ぶクルマを世界に先駆けて実装する、こうした目標を持って取り組んでいるわけですが、その実現に向けて、経済産業省あるいは国土交通省、こうした関係省庁だけでなくて、民間事業者、有識者、自治体、こういった方々、関係者の方々と一体となって、機体や運行管理の安全基準など、必要な制度整備、さらには技術開発、こうしたものに取り組んでいきたいと思っています。

 三重県において、空飛ぶクルマの実装に向けて、県独自のロードマップを作成されているとか、それから航空会社と連携した実証実験を行っているなど、全国のトップランナーというべき地域であるということ聞いておりますが、ぜひこうしたこの意欲のある自治体とも連携を深めていき、こうした空飛ぶクルマの実装に向けて、結果を出せるよう努力をしていきたいと考えます。以上です。

コロナ感染者増で行動制限はあるか?

【Q.東京では約3ヶ月ぶりに新型コロナの感染者が100人を超えた。政府の水際対策について、総理はこれまで「年末年始の状況を見極め当面の間延長する」としたが、いまの感染状況を鑑み、水際対策をどの程度延長するのか、あるいは緩和するのか?現在、市中感染の拡大が見られるが、政府が去年行った飲食店の時短や酒類提供禁止などの行動制限やさらなる対策の強化について検討しているか?また、今年もウィズコロナの生活が見込まれる中で、GoToトラベルの再開など経済活動の両立をどのように図っていく考えなのか?】

 まず水際対策については、従来から年末年始の状況を見極めたうえでその先を考えるべきであるということを申し上げてきました。よって、この3連休明けの来週、この年末年始の状況をしっかり見極めて判断をしたいと思っています。

 この厳格な水際対策によって、国内へのオミクロン株の流入、最小限に抑えてきましたが、ご指摘のように、大都市圏を中心にこの感染が増加しています。今後はこの市中感染が急拡大するといった最悪の事態この可能性にも備えていくということで、
予防、検査、早期治療、この流れを一層強化するとともに、オミクロン対策の重点、国内対策へ移す準備を始めたいと思います。これは専門家の方々のアドバイスを受けて、こうした取り組みを進めていきたいと考えています。

 ワクチン検査、そして飲める治療薬については冒頭発言で申し上げました。それぞれの取り組みをしっかり進めて流れを一層強化したいと思っています。そして、医療体制につきましても、全体像で示させていただいたように、大幅に強化を進めていきたいと思っています。この在宅療養、宿泊療養入院と必要な医療が受けられる体制はこれもしっかりと強化する。そして、それが実際に機能するように、すでに全国の自治体には、その準備状況や即応態勢を自己点検する、こうした依頼を行っているところです。こうした取り組みを通じて、国内の感染拡大に先手先手で対応していきたいと思います。

GoTo トラベル再開は?

 そして、その上で、今ご質問が1つが行動制限の話とGoToキャンペーンについてということでありましたが、行動制限については、まず今申し上げましたさまざま対応体制しっかりと用意をし、そしていざというそういう場合にしっかり機能させる、これがまず最優先で取り組むべきことであると思います。そして、こうした取り組みにもかかわらず、感染が再拡大しそして病床が逼迫する、こういったことは見込まれる場合には、国民の皆さんの理解を丁寧に得つつ、行動制限の強化についても機動的に考えていかなければならないと思います。まずは、今準備したこうした体制をいざというときにはしっかりと発動し、機能させること、これが大事だと思っています。

 そして、Go To事業、Go Toキャンペーンについては、まずは今申し上げたミクロン株等への対応に万全を期していく、これが最優先でありますので、このGo To事業等については、専門家の意見も聞きながら、そしてなおかつ年末年始の状況もしっかり確認したうえで、慎重に考えていくべき課題であると思います。こうした順番をしっかりと間違えずに物事を進めていきたいと考えております。以上です。

リニア中央新幹線 静岡工区への国への対応は?

【Q.日本の高速鉄道技術の優位性を示す好機ともいえるリニア中央新幹線整備について、着工できていない静岡工区に国としてどう対応するか?また、名古屋~大阪間の先行開通に向けた着工前倒しの可能性はあるか?】

 リニアについて、静岡工区についてのご質問ですが、このリニア中央新幹線の工事については、基本的に建設主体であります。JR東海が地元自治体等と協議しながら進めてきましたが、ご指摘の静岡工区については、この水資源への影響などに関し、
JR東海と静岡県との協議が進まない状況が続いていました。

 そういったことから、先般12月19日に、国土交通省の有識者会議で、科学的、工学的観点から議論が進められ中間報告が取りまとめられました。この中間報告を受けて、国土交通大臣がJR東海社長に対して、地域の不安や懸念が払拭されるよう、真摯な対応を継続することを求めた、こうしたところであると承知をしております。

 そして、今後、国土交通省においても、この中間報告を活用して、引き続き水資源問題について地域の理解と協力が得られるよう努めるとともに、トンネル掘削に伴う生態系の経営への影響の軽減を図ることによって、リニアの早期実現に取り組んでいく、こうした取り組みを進めていくということは承知しております。

 そして、もう1つの質問の名古屋~大阪間についてどうかということですが、名古屋~大阪間については現在この駅位置に関する調整が進められており、早期の対応に向けて、国土交通省において必要な技術条件や協力を等を行っている、こうした状況にあると承知しておりますが、まずは品川~名古屋間の早期開通を目指し、そのうえで、名古屋~大阪間の早期着工、早期開通を目指す、これが基本的な考え方であるということを聞いております。そういった考え方に基づいて、今後、工事が進められていくと承知をしております。以上です。

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