きのう政府が決定した過去最大55兆7000億円の経済対策について、第一生命経済研究所の永濱利廣さんに うかがいます。
(高島)
まず過去最大55兆円という規模感、どう評価されていますか?
(永濱さん)
規模感は非常に評価できると思いますが、その規模感の割りには国民の満足感と期待感と非常に少ないと思います。やっぱり最大の理由がやっぱり給付費でかなり不公平感がある打ち出しになっちゃったのが残念かなと。
■18歳以下への10万円相当の給付について
(高島)
その10万円相当の給付ですが、18歳以下の子供については世帯で収入の高い人の年収が960万円未満の家庭となりました。やはり不公平と感じる人もいるようですね?
(永濱さん)
やはり不公平感をなくすには、私は今回も一律でみんなに配れば良かったと思うんですね。ただその配り方は、アメリカなんかでもやってるんですけども、要は小切手を全員に配って、それを課税所得にすることによって富裕層の人たちは、年末調整で税金で多く返すわけですから、そういったやり方のほうが私は良かったんじゃないかなと。
(高島)
経済効果という点では10万円の給付の効果いかがでしょうか?
(永濱さん)
これ、お金使わなくても貰えちゃいますから、大体過去の例でいくと3割ぐらい消費に回ればいいのかなと思うんですね。やはり経済効果を出すためには、給付金よりも減税の方が効果が高くて、なかなか経済対策で減税って難しいと思うんですが、例えば食料品とか生活の値段が上がっているので、軽減税率が今8%ですけど、それを例えば1年間、半分にする。それやるだけでも2兆円ぐらいの財源が出てきますから、今後そういった対策も検討してほしいなと思いますね。
■GoToトラベル 減額について
(板倉)
前回、宿泊料金の補助は最大で1万4000円でしたが、今回は交通費込みで最大1万円、宿泊料金だけだと7000円の補助に減額されました。そして旅先で使えるクーポンも、前回は上限6000円でしたが、今回は、平日が3000円で休日が1000円に変更になります。永濱さん、前回は高級な宿への恩恵が大きいといわれましたが、最大1万円に減額されたことで、それは解消されるでしょうか?
(永濱さん)
改善されると思いますね。前回は旅行代金を4万円まで上げると、それだけお得が増すっていう状況だったんですが、それが今回は交通費込みで上限を1万円にするってことは、もう少し安いところに行くし、あともう1つポイントなのが、今回クーポンが定額になったんですね。さらに平日が3000円で休日が1000円ってことは、混雑の分散化をやろうとしてるというところも評価できるんじゃないか思いますね。
(高島)
割引きの内容を見ますと、今度はGoToトラベルを待って旅行を控えようかなっていう人も出てきそうですが、そのあたりはどうですか?
(永濱さん)
やはりそこは県民割り。これが既に始まってますから、ここの部分で補うことが必要で、あとはGoToトラベルは、やはり遠出の旅行に行く人が結構増えちゃうと思うんですよね。そうすると県民割とかで、近隣の県とかに行きやすいっていう策もあれば、まんべんなく需要が広がるのではないかという期待がもてます。
■事業者支援・賃上げ政策について
(高島)
一方、コロナ禍で打撃をうけた事業者への最高250万円の給付金や、賃上げを行う企業への税制措置などは、経済を押し上げるきっかけになりそうですか?
(永濱さん)
250万円の給付金は、経済を押し上げるというより、苦しい事業者が事業を継続できるよう助けるお金ですから、経済効果はなくても良いかと。ただ一方で賃金を上げる企業の税制措置をすると、実は今日本の企業の3分の1の企業しか税金を払っていない。3分の2は赤字の企業で税金を払っていないんです。これやると一部の企業しか、賃上げ圧力がかからない。例えば赤字でも払うような社会保険料など、そういったところを軽減する。また例えば日本の賃金がなぜ上がらないかというと、転職が少ないから賃金が上がらないという話もあるので、転職した人の所得税を優遇したり、そういったことも検討に値するんじゃないかなと思います。
(高島)
最後にこの経済対策で効果を出すために一番重要なことは何なんでしょうか。
(永濱さん)
昨年度にいろんな対策を行ったのですが、30兆円くらい未執行で使われなかったということがあるので、そういった意味でいかに執行するかということが大事。執行するためには、コロナ病床がひっ迫してしまうと、いくらお金配っても使いません。いかに病床ひっ迫を押さえられるかが非常に重要だと思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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