宝塚歌劇花組のトップ娘役・華優希(はな・ゆうき)と2番手スター・瀬戸かずやの退団公演「アウグストゥス―尊厳ある者―」(作&演出・田渕大輔)「Cool Beast!!」(作&演出・藤井大介)が2日、兵庫・宝塚大劇場で初日の幕を開けた。
華は入団8年目の春に迎える卒業の第一歩。「最後まで挑戦し続けたい」と課題に取り組み、初日に臨んだ。「アウグストゥス―」では殺された父の政敵カエサルに復讐しようと短剣を手にする娘ポンペイアを、感情の起伏も巧みに演じた。のちにカエサルの後継者となるオクタヴィウス役のトップスター・柚香光(ゆずか・れい)とは心を通わせる設定で、「あなたに会えてよかった」とサヨナラ公演らしいセリフも用意された。
18年目の瀬戸は、男役の集大成に「見送られる側になるのは初めてで不思議なところであるのですが、感情過多になりすぎてブレないように『瀬戸かずや』としてしっかりと存在していたい」と挑んだ。「アウグストゥス―」では、オクタヴィウスと対立することになるアントニウスを演じ「愛と憎しみが織り交ざり、心が震えている役に出会えるのはありがたい」。ショーの「Cool―」は唯一の人間の役で、女役の柚香との濃厚なデュエットも。男役の群舞は白の衣装だったが、大階段は黒のタキシードを着て、最初で最後の2番手の羽根を背負って降り、存在感の大きさを改めて示した。
5月10日まで。東京宝塚劇場で5月28日~7月4日に上演される。
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