岸田文雄首相(自民党総裁)をはじめ党幹部が衆院選の応援で全国を駆け回る中、菅義偉前首相も全国行脚をスタートさせた。
各地で訴えるのはデジタル庁新設など自身の在任中の実績だ。マイクを握る表情には、衆院を解散できず退陣せざるを得なくなった無念さがにじむ。
菅氏は20日、沖縄県沖縄市で街頭演説し、 内閣発足から1年間だったが、多くの課題に答えを出せた と成果を列挙。特に新型コロナウイルス対策について 私がワクチンの1日100万回接種を宣言したとき、徹底して批判された。しかし、覚悟を決めて接種に専念した結果、猛威を振るったデルタ株の勢いは衰えた と胸を張った。
言外ににじむのは 接種の進展が1カ月早ければ政権は持った (党関係者)との思いだ。実際、退陣直前、周囲に もう少し早められなかったのか と恨み節を漏らしている。
もっとも、国民への説明不足が指摘された菅氏が引く手あまたというわけではない。河野太郎広報本部長らと比較して菅氏への応援要請は少ないとされ、20日も自身に近い候補者だけを応援し、沖縄を後にした。
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