これは、東京オリンピックを楽しもうと模索する、一人の男を追ったドキュメントムービーである。
楽しむこと自体が憚られるような感覚に陥る社会の中,彼が目指したものとはー。
以下、テラセの日記(2021.7.8)より抜粋。
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テレビが叫ぶ。ネットが喚く。
オリンピックなんて、中止だ中止と。
こんなはずじゃなかった。
みなが手を取り合って、人類の挑戦に息を飲む。
スポーツが持つ、美しくかけがえのない景色を、知っているはずなのに。
どうしてだ。どうしてなんだ。
あの景色を望むことすら許されないのか。
賛否両論入り乱れる中無観客でのオリンピック開催が決まった今日、僕は決意する。
「このオリンピックを、楽しんでやる。」
不要不急という言葉で、エンタメが制限されている毎日の中でもがいてやる。コロナを言い訳にして、一生に一度の東京オリンピックを楽しむことを諦めたくない。
立派な正解ではなくとも,この世界には、ちょっとした遊びが必要だ。
(以下省略)
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2021.8.1 (sun) PM9:00 陸上男子100m決勝。
本来であれば国立競技場が最高に盛り上がったであろう観戦体験をハックする。
密にならずに一人でオリンピック観戦を楽しめる超個人観戦空間として、ハンモックをカスタマイズ。
選手と同じ空気を感じるため国立競技場の近くに出向き、異様なオリンピック体制が敷かれた街の中で観戦場所を探し観戦する。
その一連を記録した。
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