秋の味覚のナシがピンチだそうです。天候不順の影響で廃棄処分の危機になっていて、これを救ったのは地元の皆さんでした。

 今が旬のナシを凍らせて作ったナシのソーダ。さらに、ナシのジャムをたっぷりのせたデニッシュ。これらの商品は、ある理由から廃棄されるはずのナシをふんだんに使用。市民たちが独自に開発しました。

 アーノルド・フジ・タカムラ、高村清太郎店主:「捨ててしまうのはもったいないと。ナシ園が困っているから皆で力を合わせて盛り上げないかと誘ってもらって」

 ナシの収穫量が日本一の千葉県。しかし今、困った問題が。船橋市で「豊水」を育てるナシ園では・・・。

 梨の船芳園・加納芳光さん:「うっすらと蜜が入っているナシ。豊水特有の果肉障害」

 カットして果肉を見てみると・・・。

 梨の船芳園・加納芳光さん:「少し透明がかっている蜜症」

 蜜症とは果実に現れる生理障害で、切ってしばらくすると黒ずんでくるといいます。

 梨の船芳園・加納芳光さん:「食べても害はないが、食感がやわらかい。一周もろに蜜症がまわっている重症果は収穫後、その場で廃棄」

 去年は収穫の5割で蜜症が出て出荷を断念。主に贈答用のため、大量に廃棄せざるを得ませんでした。

 近年の天候不順が影響しているといいます。

 梨の船芳園・加納芳光さん:「長雨、低温、日照時間が短い。これから温暖化によって、まだまだ蜜症のリスクが高まることが予想される」

 本来、ナシは真夏の太陽をたっぷり浴びて育ちます。しかし、温暖化の影響で花が咲くのが早まり、その分、果実が育つ時期が梅雨と重なってしまい蜜症が増えているとみられています。

 こうしたなか、苦境のナシ農家に市民から救いの手が・・・。

 市内の飲食店の店主や主婦たちがレスキューチームを結成。農家から蜜症のナシをお手頃価格で買い取り、それを加工して新メニューを考案しました。

 キッチンカーとことこ・森雅美さん「蜜症になったところは削りながら残った部分を冷凍という形で」

 暑い夏にぴったりで、大好評。

 パン屋さんでも蜜症のナシをジャムにして新作パンを販売。午前中に売り切れるほどの人気です。

 購入した客:「私も初めてナシジャムってあるんだって気が付いた」

 アーノルド・フジ・タカムラ、高村清太郎店主:「お客さんも喜んで頂いて、やって良かったなと。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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