8月2日、政府はこれまでの方針を転換して、新型コロナウイルスの重症化リスクの高い人など以外は“原則自宅療養”という方針を打ち出しました。

 これについて8月3日、大阪府の吉村洋文知事は「重症化リスクが高いとはどういった患者を指すのか明確にしてほしい」とした上で次のように話しました。

 (大阪府 吉村洋文知事)
 「(健康観察をするのは)保健所ですよというけれど、保健所は全員診れないですよ、正直申し上げて。この病気は、自宅療養を始めた時は元気だったとしても急変しやすいので、じゃあ誰が診るのというところが抜けたまま“原則自宅療養”というのは、非常にリスクが高いと思いますね」

 8月2日時点で、重症病床使用率が12.3%、軽症中等症病床使用率が45.4%と、じわじわと病床使用率が上昇している大阪府。コロナ患者の対応を担う病院の現状について、軽症中等症の患者を担当する大阪市此花区の大阪暁明館病院で聞きました。

 (大阪暁明館病院 西岡崇浩法人本部長)
 「現時点では第4波の時ほどひどい状況には今はまだなっていないというふうに思っています。明らかな低年齢化が進んでいるという状況です。症状も第4波と比べるとかなり軽いものという変化が起きています」

 この病院では、今年6月中旬まで17床のコロナ病床を運用していましたが、現在はほぼ半分の9床です。今年7月以降に入院したコロナ患者の6割以上が50歳未満で、院内で人工呼吸器装着が必要になった患者もいないといいます。

 (大阪暁明館病院 西岡崇浩法人本部長)
 「呼吸不全がある患者さんも、第4波の時に62%だったのが、現在5%まで下がっている。患者さんのケアも手間がかからない状況に変わっています」

 比較的余裕があるようにも見える軽症中等症病院。“原則自宅療養”が実現すれば、負担は一層軽減される可能性もありますが、安易に自宅療養を増やすことには賛成しかねるといいます。

 (大阪暁明館病院 西岡崇浩法人本部長)
 「私どもも訪問看護の部隊がありますので、経過観察のために自宅にお伺いする算段はしておりますが、それで実際どこまで医療の目が足りるのかと。第4波の時に病院に入院できなくて、在宅でうまく管理ができたかというと、それはなかなかできていないんですよね」

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