2026.10.28 ![]()
BY FRONTROW Editorial Dept.

写真:ゲッティイメージズ
「SPF50+」と表示された日焼け止めを検査したところ、実際の測定値はわずか「SPF4」だった。そんな騒動が起きたオーストラリアで、医薬品規制当局が日焼け止めの検査ルールを大幅に見直す案を発表した。日焼け止めが日常生活に欠かせない国で、何が問題になっていたのか。(フロントロウ編集部)
20商品中16商品が表示されたSPF値に届かず
写真:ゲッティイメージズ
発端は2025年6月。オーストラリアの消費者団体CHOICEが人気の日焼け止め20商品を検査したところ、16商品がパッケージに表示されたSPF値に届かなかった。英BBCによると、その中には高価格帯のブランドも含まれていたという。
なかでも衝撃を与えたのが、ウルトラ・ヴァイオレットの「リーン・スクリーン」。SPF50+をうたいながら、検査で測定された値はSPF4だった。この商品は自主回収となり、豪ABCによると、同じベース処方を使用していた19商品も回収対象となり、計20商品に広がった。
ABCの調査では、基準に届かなかった日焼け止めの半数以上が同じ海外の検査機関を利用しており、その検査結果の信頼性について専門家から疑問の声が上がっていた。
なぜここまで大きな騒動になったのか
オーストラリアは、皮膚がんの発症率が世界でも非常に高い国として知られる。ABCが紹介した豪がん協会のデータによると、オーストラリア人の約3人に2人が生涯のうちに皮膚がんと診断され、毎年約2,000人が皮膚がんで亡くなっているという。
日焼け止めは、美容目的だけでなく、紫外線による健康被害を防ぐための大切な日用品だ。その効果を示す数値が信頼できないとなれば、消費者から大きな反発が起こるのも無理はない。BBCも、同国で皮膚がんが多いことが、今回の問題への強い反発につながったと伝えている。
新しいルール案の内容は?
オーストラリアの医薬品規制当局である薬品・医薬品行政局(TGA)が現地時間10月27日に示した案では、メーカーは原料となるベース処方ではなく、実際に販売する完成品そのもののSPF値を検査し、その結果を販売前にTGAへ提出することが求められる。発売後も、使用期限までの期間に定期的な再検査を実施する方針だ。
検査方法については、ボランティアの肌に日焼け止めを塗って測定する従来の方法に加え、プラスチック製の板を使用する測定方法も認める方向だ。人の肌を使う検査は結果にばらつきが生じやすいことが理由で、検査機関に対する国際的な認定要件も強化する。
また、化粧品として販売される日焼け止めについても、高いSPF値をうたう場合には制限を設けるという。
TGAの主席医務官ロビン・ランガム氏は、「オーストラリアの人々は、ラベルに表示されたSPF値が確かな根拠に裏付けられていることを期待しています」とコメントした。
一方、CHOICEは今回の案を歓迎しつつも、改善を求めている。検査結果が一般公開されず、TGAが提出されたデータを日常的に確認する仕組みも盛り込まれていないためだ。
CHOICEのアンディ・ケリー氏は、「残念ながら、TGAは提出されたデータを日常的に確認・評価することを提案していません」と指摘した。
改革は段階的に進められる予定で、すでに店頭で販売されている商品への適用方法は、現時点では決まっていない。
日本の「SPF50+」はどう決まっている?
日本の日焼け止めも、SPFの表示上限は「50+」。資生堂の資料によると、日本化粧品工業連合会の「SPF測定法基準」に基づき、SPF値が50を有意に超える場合に「SPF50+」と表示される。
また、紫外線A波(UVA)を防ぐ効果の目安となるPAは、2013年1月から「PA++++」を最高ランクとする4段階で表示されている。

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日焼け止めの効果を判断するうえで、パッケージに記載された数値は消費者にとって大切な指標となる。今回の問題は、その数値の信頼性を確保することの大切さを改めて浮き彫りにした。
表示の数字を信じて塗るのは、日本の消費者も同じ。日焼け止めの選び方については、ニキビが気になる肌のための選び方も参考になるかもしれない。

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