
猫を抱いて参拝者を見送る住職
毎日のように雨が降り続いた9月初旬。この日、奈良県桜井市にある音羽山観音寺も、朝は晴れ間が見えたものの、昼ごろからは予報通り、しっかり雨が降り始めました。
「今朝、生けたのよ。庭を通るときに邪魔だったから」
玄関に生けられている花を見て、そう話す後藤住職。確かに住職の庭は、両側に植物たちで壁ができ、一人分の通り道がかろうじて残されている状況です。雨水を存分に吸収し、色とりどりの秋の花が元気に咲いています。
「ルドベキアにアオバナフジバカマ。フジバカマはまだ咲いてないからね。あと、ミズヒキソウにワレモコウ、オミナエシね」
住職の庭にある花だけで、これだけの生け花になるのですね。
雨の日でしたが、この日は参拝者が数組上ってきました。
昼ごろにやってきたのは、東京から来たという男性2人組です。後藤住職が出ているテレビ番組をすべて見ているそうで、今日はここに来ることを一番の目的に関西へ来たとのこと。あいにくの雨になりましたが……。
「途中まででも上ろうと。そうしたら、ここまで来たから上ってしまおうと思って、ここまで来られました」と話します。
テレビ番組の中で住職が作るさまざまな料理を見て、自分でも作ってみようと思い、梅酒も漬けているそうです。
「これからの季節は栗も良いですね」
秋の味覚ですね。
「渋皮煮もいいわよ。作る前に水につけて虫を追い出すの。栗はおしりから、できるだけ傷をつけないように皮をむくのがコツよ」
住職と料理の話に花が咲きます。
「テレビを見て、アイデアをもらってます。こんなことをしたら楽しそうだなと思って、自分でもやってみようと……。日常の中でちょっとしたイベントを見つけて楽しんでます」
そう明るく話す男性。お寺の非日常的な雰囲気に癒やされ、明日も頑張ろうという気になれるそうです。
住職と料理の話をたっぷりして、お葉付きイチョウに立ち寄りながら、2人は山を下りていきました。
「ススキも穂が出たし、ハギも咲いたし、もう秋ね」
納経所の横にポポーの木があります。前回の取材で、初めて実がなっている様子を見ましたが……。
「あれからあまり見てないのよ。1個なっているのは見たけど」
住職の思いのこもったポポーの木です。実を味わうには、もう少し時間がかかるかもしれませんね。
音羽山観音寺
山の中にある尼寺。奈良県桜井市南音羽。
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行き、下居下車、約2km。
火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門し、翌日閉門

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