
クロアチアのクリ「マルニ」は、大粒で際立った甘さが特徴だ。(BORUT BROZOVIĆ /STUDIO B)
この記事は『ナショナル ジオグラフィック トラベラー(UK)』により制作されました。
にぎやかなシードルのお祭りから料理にまつわる大規模なコンテストまで、ヨーロッパは地元特産の食べ物や飲み物の祝い方を心得ている。一般に9月中旬から10月末にかけての収穫時期には、秋の恵みが主役となり、季節の味覚に地元の伝統芸能などを織り交ぜた数々のお祭りが開かれる。
バルト海のシーフード・マーケットの塩気を感じる雰囲気、トウガラシをまとったバスクの家々の壮観な光景など、どれが気になるだろうか。おすすめ7選を紹介していく。
ブーブロン村のシードル祭り(フランス)
開催期間:2026年10月25日
ノルマンディー地方はフランス有数のリンゴの名産地で、フランス国内におけるシードル用のビタースイートのリンゴのおよそ6割が生産されている。50年以上にわたって、かわいらしいブーブロン・アン・オージュの村では、リンゴの収穫が終わる10月に一日だけのお祭りを開催してきた。
18世紀に建てられたハーフティンバー様式の小さな家が並んだ、市場の立つ歴史ある広場の石畳の通りで、リンゴを搾るワークショップやシードルのテイスティングイベントが催される。村は、ノルマンディー地方の約40キロメートル続くシードル街道沿いにある。
さらに足を延ばせば、リンゴを原料とした蒸留酒カルバドスの歴史について学べる体験型ミュージアム「ペール・マグロワール蒸留所」や見学できる家族経営の果樹園「マノワール・ダプルバル」といった見どころがある。(参考記事:「世界遺産モン・サン・ミッシェルを『観光』で守れるか」)
ヘルシンキのニシン市(フィンランド)
開催期間:2026年10月4〜10日
ギャラリー:タマネギやカキ、クリにニシン 食欲を刺激する欧州の収穫祭 写真5点(写真クリックでギャラリーページへ)

年に一度のニシン市は、ヘルシンキで1743年から開催されている。(KIM ÖHMAN/EVENTS HELSINKI)
ニシンは、フィンランドでは、バルト海などで獲れる海水魚の漁獲高で約90%を占める。それだけに、ニシン市がフィンランドでも絶大な人気を誇るイベントなのは、当然かもしれない。
ニシン市はヘルシンキで1743年から開催されており、10月上旬の1週間で9万もの人が集まる。
お祭りはまず、市の最優秀商品を競うイベントから始まる。そして、商品を漁師から直接、海辺のマーケット・スクエアの露店で買うことができる。マーケット・スクエアの周囲に見えるのは、壮大な大統領官邸やウスペンスキー大聖堂のターコイズブルーのドームだ。
ニシンは塩漬けや酢漬け、マリネなどに加工される。数多くの地元漁師の家族にとって、持続可能な収入源としてたたえられるのだ。(参考記事:「体にいい魚の缶詰 栄養価が高い『ビッグ5』の魚、トップは?」)
ロブランのクリ祭り(クロアチア)
開催期間:2026年10月9〜11日
ロブランはイストリア半島東側の小さな海辺の村で、ウチュカ山の麓に位置する。そこでは、大粒で独特の甘みがあることで有名な「マルニ」と呼ばれるクリが栽培されている。
収穫の始まりを告げるロブランのクリ祭りで、クリを味わってみよう。10月の週末、訪れた人は地元の音楽や踊りを楽しみながら、クリ味のアイスクリームやケーキ、カクテルなどが味わえる。
もしロブランの開催を逃しても、その後の週末にドブレチやリガニなど近くの村で開かれる同じようなお祭りが楽しめる。(参考記事:「執念実るか 絶滅と思われた米国のクリの木を再生」)
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