
ニュージーランド準備銀行(中央銀行)。2025年9月、ニュージーランドのウェリントンで撮影。REUTERS/Marty Melville
[ウェリントン 8日 ロイター] – ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は8日、政策金利のオフィシャルキャッシュレート(OCR)を25ベーシスポイント(bp)引き上げて2.50%とした。2023年4月以来の利上げとなる。景気回復が不安定な中でも再燃するインフレ圧力の抑制に動き、さらなる利上げが必要との見方も示した。
決定は全会一致で、インフレ圧力が高止まりするとの懸念が浮き彫りになった。中東紛争に関連したエネルギー危機の影響がしばらく続くとし、中期的なインフレ見通しは「依然として不透明だ」とした。
声明は「インフレ率が依然として目標を上回り経済活動が活発化すると予想される中、インフレ率を2%の目標中間値に戻すためには金融緩和策をさらにある程度縮小することが必要となる可能性が高い」と指摘している。
ロイター調査では、エコノミスト28人のうち22人が25bpの利上げを予想していた。
中銀はインフレが後退する中で景気が伸び悩んだため24年8月以降に計325bpの利下げを実施してきた。しかし、イラン戦争に端を発した石油危機によりインフレ率が中銀の目標圏(1─3%)を大幅に上回り、回復が不安定な中でも利上げの前倒しを迫られた。
NZドルは0.3%高の1ドル=0.5692米ドル。米国とイランの新たな敵対行為で石油価格が上昇し、リスク選好が後退したことを受け、前日の海外市場では0.3%下落していた。2年物スワップ金利は6bp上昇して3.3841%、10年債利回りは9bp上昇して4.543%となった。市場は現在、9月の利上げを62%の確率で、10月の追加利上げをほぼ完全に織り込んでいる。
中銀は今後の政策金利決定について、発表される指標、価格設定動向、経済活動の勢いが中期的なインフレ圧力に及ぼす影響によって決まると指摘した。
ブレマン総裁は会合後の記者会見で、理事会は今後の利上げ実施時期についての不透明感が高まっていることを強調するのが重要だと判断した、と述べた。
キャピタル・エコノミクスのアジア担当シニアエコノミスト、アビジット・スーリヤ氏は、政策金利が来年3.25%まで段階的に引き上げられるとの見方を示した。「全体として金融政策委員会(MPC)の慎重な姿勢は、中銀が今後ほぼ1回おきの会合で利上げを実施するというわれわれの見方と合致している」と述べた。
<引き締めは世界的傾向を反映>
声明によると、前年比インフレ率は第2・四半期に3.9%でピークに達した後、第3・四半期には3.3%に低下すると見込まれている。27年には2%近くまで和らぐと予想されている。
5月時点では、第3・四半期に4.3%のピークに達した後、27年半ばには2%の目標中間値に戻ると予測していた。
下方修正について声明は「主に石油価格の下落による直接的な価格影響が小さくなったこと、および他の消費者物価への波及効果が弱まったことを反映している」と説明した。石油価格は先月の米・イラン停戦合意以降、全般的に下落している。
NZ経済は25年下期に成長に転じたが、中東の戦争とそれに伴うエネルギー危機で勢いが鈍ったとみられる。石油価格が現在は落ち着いていることで、当局者は家計や企業の負担がある程度和らぎ、成長を支えると同時にインフレ抑制にも寄与すると見込んでいる。
ASBのシニアエコノミスト、マーク・スミス氏は、燃料価格主導の景気減速の後、NZ経済は「本来の勢いを取り戻した」ようだと指摘。過剰生産能力の吸収が進み、金融緩和縮小への道が開かれたとの見方を示した。
NZの引き締めへの転換は、より広範な世界的傾向を反映している。欧州中央銀行(ECB)やオーストラリア準備銀行(豪中銀)を含む主要中銀が利上げに動いており、米連邦準備理事会(FRB)もインフレ抑制に向けてよりタカ派的な姿勢を示している。
中銀は「エネルギー価格高騰に伴う持続的なインフレ圧力に各中銀が対応を迫られる可能性があるため、世界的に政策金利は(中東)紛争前の水準を上回ると予想されている」と分析した。
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