イランでの紛争激化に伴う中東からの原油供給の急減により、欧州の航空業界が深刻なジェット燃料不足に直面しています。

 この燃料危機に対し、イタリア航空局(ENAC)のピエルルイジ・ディ・パルマ総裁がSky Newsのインタビューで語った異例のメッセージが業界内で大きな波紋を呼んでいます。

 ディ・パルマ総裁はSky Newsのインタビューにおいて、深刻な燃料不足によって今後の航空便の運航が極めて不透明であることを踏まえ、「近場の休暇を推奨し、我が国の美しい場所を再発見することが最善である」と発言しました。これは事実上、空路を伴う海外へのバカンスを避け、国内旅行へ切り替えるよう消費者に呼びかけるものです。

 航空インフラを統括するトップが、自国民に対して遠方への航空旅行を控えるよう促した背景には、現場で広がる急速な混乱があります。事実、イタリア国内ではすでに一部の空港において給油制限が開始されるなど、実務への影響が出始めています。

 これまでパンデミック以降の航空需要の回復を牽引してきた各国の航空当局ですが、ディ・パルマ総裁の言葉が象徴するように、今夏の欧州の空は、航空会社にとっても旅行者にとっても過去に例を見ない試練のシーズンとなることが確実視されています。Photo : Aeroporto di Bologna

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