
4月20日未明、ロシア南部クラスノダール地方の黒海沿岸トゥアプセで、ロスネフチ運営の石油精製所が大規模な火災に見舞われました。ウクライナ軍参謀本部は同日、同施設への攻撃を正式に発表し、ウクライナ軍無人機部隊司令官も作戦の実施を確認しています。ロシア国防省によれば、防空システムによる迎撃が試みられたものの、一部が施設周辺に到達し爆発や火災を引き起こしました。
同精製所は16日にも無人機攻撃を受けており、今回は4日間で2度目の攻撃となりました。20日の映像には、製油所のタンク群が次々と炎に包まれ夜空を赤く染める様子が映し出されており、いくつものタンクが燃えていたと目撃者が証言しています。
地元当局は20日の攻撃で複数の負傷者が出たと発表しました。無人機の破片は幼稚園や学校、教会など周辺の建物にも落下し、窓ガラスの破損などの被害も出ています。
4月16日の先行攻撃では住民2人が死亡し、負傷者も相次ぎました。港から沖合の黒海でも約1万平方メートルにわたる油流出が確認されており、一連の攻撃による民間被害は広がっています。
ゼレンスキー大統領は19日、SNS上でロシア産原油の収入が「ウクライナ侵攻の戦費になっている」と批判し、欧米諸国に対してロシア産石油への制裁強化を改めて求めていました。ウクライナ軍はロシアのエネルギー施設を正当な軍事目標と位置づけており、ロシア本土への長距離ドローン攻撃を強化しています。
繰り返し狙われるエネルギー輸出拠点 長期化する戦争と民間被害
トゥアプセは黒海沿岸に位置し、大規模な港湾と石油精製所を擁するロシアの主要エネルギー輸出拠点の一つです。年間約1200万トンの原油を処理する同精製所はディーゼルや燃料油を主に輸出向けに生産しており、全面侵攻開始以来、繰り返し無人機攻撃を受けてきました。
ウクライナの攻撃は南部の黒海沿岸にとどまらず、今年3月には北西部レニングラード州のプリモルスク港とウスト・ルガ港が集中攻撃を受け、原油の積み出しが一時停止するなどロシアの石油輸出に深刻な打撃を与えています。
こうした攻撃はロシアの軍需産業や前線への燃料供給を狙った戦略と位置づけられている一方、周辺住民への被害は避けられない状況です。ロシア側が「テロ行為」と非難するのに対し、ウクライナ側はロシアによる大規模攻撃への対抗措置だと主張しており、双方の報復の連鎖によるエスカレーションが懸念されています。

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