自発的なモラルに基づく「民」による秩序形成活動拡大の背景
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2026.4.22(水)
イラン戦争停戦について中国政府のコメントを発表する中国外務省・毛寧報道官(4月8日、写真:picture alliance/アフロ)
中国の相対評価を押し上げたイラン戦争
米国がイスラエルによるイラン攻撃に加わったのは2月28日だった。まもなく2か月になる。
現在、パキスタンが仲介する形で米国とイランの間で戦闘終結に向けた協議が行われている。
この動きの中で、中国がイランに対して一定の譲歩を示すよう促しているほか、その他の中東関係国にも協力を働きかけていると報じられている。
中国は原油輸入の42%を中東に依存している。日本の94%に比べれば低いが、エネルギー価格全体の高騰を考慮すれば、ホルムズ海峡封鎖が中国経済に及ぼす影響は非常に大きい。
とくに足許の中国経済は1980年代以降最も厳しい停滞が続いているため、国民の心理に与える影響は表面的な数字以上に深刻である。
そうした国内事情がインセンティブとなったことも背景にあると考えられるが、中国が戦闘終結を促す方向で積極的にイランや中東諸国に働きかけていることも間違いない。
これが国際社会における中国の存在感を高めている。
とくにグローバルサウスの多くの国々は原油備蓄が乏しいため、ホルムズ海峡の封鎖が国民経済に与える影響は日本以上に深刻である。
その中で、米国が原油価格高騰の火種を撒き、中国がそれを鎮火しようとしているのは対照的である。
そうした状況を反映して、シンガポールのISEASユソフ・イシャク研究所が4月7日に公表した東南アジア諸国調査報告は象徴的だった。
ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国が米中どちらかを提携相手に選べと言われたらどちらを選ぶかという質問に対して、中国と回答した国の比率(52%)が米国と答えた国の比率(48%)を上回った。
前年調査ではこの比率は逆だった(米国52%、中国48%)。
米中両国に対する東南アジア諸国の評価の変化を示しているこの調査結果は、グローバルサウス全体についても同様の変化がみられる可能性が高い。

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