UNIDO(国連工業開発機関)東京事務所と東京大学は、日本の若者によるアフリカ・スタートアップ創出を支援するプログラム「AYSEP(Africa Youth Social Entrepreneurship Programme)」を共同で推進しています。
その一環として2026年3月、東京大学から選抜された学部生から博士課程までの学生12名がケニアへ渡り、ケニアを拠点とするコンサルティング会社であるアクセルアフリカと連携して1週間にわたる現地研修を実施しました。
現地企業への訪問やフィールド視察を通じてアフリカの社会課題とビジネス環境を体感した参加者たちは、5月25日のアフリカデーに向けてビジネスプランのブラッシュアップを続けています。

日本の若者がアフリカで起業を学ぶ
UNIDO(国連工業開発機関)東京事務所は、2026年3月15日から1週間にわたり、ケニアにおける現地研修を実施しました。
この研修は、UNIDO東京事務所と連携協定を締結している東京大学との共同プログラム「UNIDO x UTokyo Africa Youth Social Entrepreneurship Programme(AYSEP)」の一環として行われたものです。
AYSEPは2025年より開始された実践型の起業人材育成プログラムで、日本の若者がアフリカのビジネス環境や社会課題を現地で体感し、課題やニーズを起点としたビジネスアイデアを具体的な事業構想へと発展させることを目的としています。
最終的には、ピッチ形式で事業プランを発表することも本プログラムの重要な柱のひとつです。

今回の現地研修には、起業を志す東京大学の学部生から博士課程の学生まで、幅広い専門分野を背景に持つ12名が参加しました。
その中には、すでに日本で起業経験を有する学生や、研究・ビジネスアイデアに対して助成金等の支援を受けている学生も含まれており、彼らにとって今回の研修は、自身の事業アイデアがケニアの市場環境や社会課題においても有効性を持ち得るかを仮説検証する貴重な機会となりました。
多様な専門的バックグラウンドを持つ学生たちが一堂に会し、アフリカの現場で学び合うことで、プログラム全体の知的多様性も高まっています。
ジョモ・ケニヤッタ大学で現地の若者と交流

現地研修の初日には、ジョモ・ケニヤッタ農工大学(Jomo Kenyatta University of Agriculture and Technology:JKUAT)の副学長への表敬訪問が行われました。
ジョモ・ケニヤッタ農工大学はケニアを代表する理工系大学のひとつであり、今回の訪問を通じて、日本とケニアの高等教育機関の間に交流の糸口が生まれました。
また、同大学のイノベーションハブであるJHUB Africaも訪れ、同世代の起業志向を持つ現地の若者やスタートアップ関係者との活発な意見交換が行われました。
JHUB Africaは、若い起業家やスタートアップを支援するインキュベーション・アクセラレーションハブとして知られています。参加学生たちはこの交流を通じて、ケニアにおけるスタートアップ・エコシステムの現状や課題について理解を深めることができました。

現地の若者が直面しているビジネス上の障壁や、逆に日本との連携によって生まれる可能性についても議論が交わされ、アフリカと日本の若い世代をつなぐ対話の場となりました。こうした大学間・若者間の国際交流は、将来的な共同事業や研究協力への布石にもなり得るものであり、プログラムの重要な側面のひとつを担っています。
現地フィールド視察でユーザー課題を発掘
初日の交流を経て、参加学生たちはそれぞれの関心分野や事業テーマに応じた現地企業訪問およびフィールド視察に取り組みました。このフィールド活動は、日系企業のアフリカにおける事業開発をサポートとしている株式会社アクセルアフリカの協力のもと実施されました。
学生たちは現地企業やユーザーへのインタビュー、現場観察を通じてユーザーが抱える課題を直接把握し、アフリカの文脈に即した価値提供のあり方について検討を重ねました。

机上の知識だけでは得られないリアルなニーズや課題の発見は、事業アイデアを実践的なビジネスプランへと昇華させるうえで不可欠なプロセスです。
現地研修終了後も、参加者は引き続き事業構想のブラッシュアップに取り組みます。そして、5月25日のアフリカデー(Africa Day)に開催予定のピッチイベントにおいて、アフリカのニーズに基づいたビジネスプランを発表する予定です。

このピッチイベントは、日本発のスタートアップによるアフリカ社会課題解決に向けた共創の可能性を広く社会に示す場となることが期待されています。
UNIDO東京事務所と東京大学が連携してスタートアップ人材育成に取り組むこうした挑戦は、日本とアフリカをつなぐ新しい起業文化の萌芽として、今後も注目に値する取り組みです。
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