写真=14日、ソウル市江南区センターフィールドで開かれた記者懇談会で説明するNonceClassic代表のカン・ユビン氏

Ethereum Korea Consortium(EKC)が14日、ソウル市江南区センターフィールドで発足した。韓国と世界のEthereumエコシステムを結ぶ民間連携基盤として、開発者支援やインフラ整備、公共財への助成を進める。韓国のデジタル資産市場を、取引中心から技術貢献型へと広げる狙いだ。

EKCは、Web3コミュニティビルダーのNonceClassicを中心に設立された。発足のきっかけとなったのは、NonceClassicがEthereum Foundationの公式支援プログラム「Ecosystem Support Program」の2026年1〜3月期支援先に選ばれたことだという。

NonceClassic代表のカン・ユビン氏は、韓国について「世界でも有数の取引市場だが、プロトコルそのものへの技術的な貢献は限定的だ」と指摘した。そのうえで、既存技術の消費にとどまらず、Ethereumのコア開発や技術エコシステムの構築に直接関与する必要があると強調した。

EKCは、特定企業が主導する枠組みではなく、多様な参加者が連携して相乗効果を生む「調整レイヤー(Coordination Layer)」として機能する方針だ。

参加企業は、NonceClassic、TheTickerIsEther、CryptoPlanet、Radius、Nodeinfra、SunnysideLabs、DSRV、Wavebridge、Populous、UndefinedLabsの10社。各社は専門領域ごとに、エコシステム・コミュニティ、インフラ、機関ブリッジ、メディア・コンテンツの各分野を担う。

エコシステム・コミュニティ分野はNonceClassicとTheTickerIsEtherが主導し、CryptoPlanetが加わる。インフラ分野にはRadius、Nodeinfra、SunnysideLabsが参加する。機関ブリッジ分野では、暗号資産事業ライセンスを持つDSRVとWavebridgeが、金融・制度領域との接点拡大を担う。PopulousとUndefinedLabsはメディア・コンテンツ分野を担当し、エコシステム関連情報の発信と対外コミュニケーションを支える。

EKCは今後、3つの重点課題を軸に活動を進める。まず9月を目途に、韓国を代表するEthereumの旗艦カンファレンスを開催する計画だ。機関投資家や政策関係者を結ぶハブとして位置付けるとともに、国内の開発者コミュニティ拡大につなげる。

単発イベントで終わらせず、国内の開発者と機関が継続的に参加できる仕組みづくりも進める。韓国市場の役割を、取引需要中心から技術開発と活用事例の拡大へ移していく考えだ。

資金運用もこの方針に沿って設計する。EKCは、加盟各社が拠出した協賛金の半分を、国内の開発者コミュニティ拡大とEthereumの公共財創出に向けた助成金として充てる計画だ。オープンソースツールの開発、公共財の創出、開発者支援プログラムの拡充を通じ、実質的な技術貢献を後押しする基盤を整えるとしている。

発足イベントでは、Ethereum創設者のビタリック・ブテリン氏が祝辞を寄せた。ブテリン氏は「韓国は世界で最も活発なデジタル資産コミュニティを持つ国の一つだ」としたうえで、「韓国の開発者の情熱と才能が、オープンソースへの貢献や技術革新につながることを期待している」と述べた。

さらに、「Ethereum Korea Consortiumが韓国のビルダーとグローバルエコシステムを結ぶ橋渡し役になってほしい」と期待を示し、「韓国の積極的な技術貢献は、Ethereumのスケーラビリティとセキュリティを高めるうえで重要な鍵になる」と語った。

発足後最初の公式イベントは、16日に開催する「Ethereum Korea One(EK1)」となる。イベントには、グローバルのEthereum関係者に加え、韓国の金融業界やWeb3業界の主要関係者が参加し、機関主導の活用策やインフラ拡張の可能性を議論する予定だ。

会場では、レイヤー2プロジェクトの動向に加え、韓国の金融機関によるデジタル資産活用や、制度導入に向けた方向性も取り上げるという。

EKCは、EK1を皮切りに、韓国内のEthereumビルダーによるグローバル協業、オープンソースツール開発、公共財創出を支援するプログラムを段階的に拡大していく方針だ。

カン氏は今後、日本の「Ethereum Japan」など海外コミュニティとの連携を強化し、韓国の金融機関がEthereum技術を安全に事業へ取り込めるよう支援するハブを目指す考えを示した。韓国が世界のデジタル資産市場で存在感を高められるよう取り組むとしている。

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