2026年3月26日 午前7時30分
【論説】福井労働局のまとめによると、2025年10月末時点で、福井県内で働く外国人は1万5169人となり、07年に届け出が義務化されて以降の最多を更新した。増加率も前年同期比11・6%と高い水準となった。外国人を雇用する事業所数は最多の1974所だった。
増加の背景には人手不足がある。94カ月連続で有効求人倍率が全国トップと、人手不足がより顕著な福井県の企業にとって、労働力として外国人の存在感が増している。福井県経営者協会が昨年10~11月、会員企業に行った調査でも、雇用する理由として「日本人の労働者が集まらない」とする回答が最も多く、人手不足を外国人で補っている実態が浮き彫りになった。
福井労働局などのまとめから業種別での受け入れ数をみると、福井県、全国とも製造業が最も多く、飲食などを除くサービス業と続く。伸び率では介護を含む医療・福祉が大きくなっており、さまざまな分野で貴重な労働力となっている。
外国人労働者を巡っては、2月の衆院選で外国人政策が争点の一つとなり、受け入れ厳格化や共生など主張が対立した。先の福井県知事選でも、石田嵩人知事が選挙中に移民政策反対や外国人労働者の受け入れ制限を主張したものの、当選後に「個人的見解」とするなど、波紋を広げた。
先鋭化する議論がある一方、雇用する県内企業の外国人労働者への満足度は極めて高い。県経営者協会の調査では、9割以上の企業が、外国人労働者が「期待通り」または「期待以上」の活躍をしていると評価した。雇用を通じて「組織の国際感覚の醸成」や「職場の活性化」に意義を感じている企業も多い。今後の外国人採用方針についても5割超が「現状を維持」、4割近くが「将来は拡大する方針」としており雇用拡大の傾向は当面変わらないだろう。
福井労働局も「今後も増加傾向は続くと考えられる」と指摘。外国人を人手不足を補う単なる労働力ではなく、福井の経済を共に支える“隣人”として捉える時代を迎えている。
雇用の拡大に伴い、課題も明確になっており、県経営者協会の調査では「日本語能力・コミュニケーション」を悩みとした企業が突出した。言葉の壁は、現場の安全確保や業務効率への影響はもちろん、居住する地域での孤立など生活面の課題にも直結する。共に地域で生活する外国人に対して語学などをはじめとした支援に、官民が足並みをそろえて取り組む必要がある。

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