筆者が「GLF OS」をダウンロードした際、当初は単なるゲーム特化型の「Linux」ディストリビューションだと考えていた。公式サイトには「Gaming Linux FRは、Linuxにおけるフランス語圏初のビデオゲームコミュニティーである。メンバーがリソースや知識、経験を共有し、Linuxでのゲーム体験を最大限に楽しむための場を提供している」と記されている。単なるOSではなく、ゲームコミュニティーそのものであるという点は非常に魅力的だ。
驚かされたのは、インストール中に「DaVinci Resolve」の導入オプションが表示されたことだ。OSのインストール段階で筆者が愛用しているビデオ編集ソフトを追加できる例は極めて珍しい。そもそもDaVinci Resolveは、導入と安定稼働のハードルが高いソフトとして知られている。動作にはNVIDIA製のGPUがほぼ不可欠であり、公式にサポートされているディストリビューションは「Rocky Linux」のバージョン8および9のみだからだ。
GLF OSでは、用途に合わせて以下のエディションを選択できる。
Standard:お気に入りのゲームプラットフォームを自身で導入するユーザー向けの基本ワークステーション。クリエイターツールは含まない
Minimal Edition:ブラウザー「Firefox」とオフィスソフト「LibreOffice」のみを含む、最小限の「NixOS」構成
Gaming Edition:「Steam」や「Proton-GE」、各種ランチャーがあらかじめ設定された即戦力のゲーム環境
Studio(Free):全てのゲーム用ツールに加え、「Kdenlive」「GIMP」「OBS Studio」「Audacity」などのフリーソフトを同梱
Studio Pro:ゲームおよびコンテンツ制作ツールに加え、有償版の「DaVinci Resolve Studio」を導入可能(別途ライセンスが必要)
筆者はStudio Proを選択し、インストール作業を開始した。
難航したインストール作業
最初の試行では、インストール中にシステムがクラッシュし、再起動してしまった。原因が不明だったため、仮想マシンを破棄して同じ設定でやり直したが、2度目も進ちょくが46%に達したところで、大量のソフトをダウンロードしている気配はあるものの、ゲージが全く動かなくなった。しばらく放置してみたが、結局フリーズしたため、再び振り出しに戻った。

インストールは難航したが最終的に成功した(提供:Jack Wallen/ZDNET)
仮想化ツールの「KVM」と「Virt-Manager」の不具合を疑い、「VirtualBox」に切り替えたほか、メモリー不足の可能性を考慮して割り当てを10GB、さらに16GBへと増やし、デスクトップ環境を「GNOME」に変更してみたが、状況は改善しなかった。
調査の結果、原因はベースとなっている「NixOS」の仕様にあることが分かった。インストール時に全てのパッケージをダウンロードしようとする挙動が失敗を引き起こすケースがあり、これはGLF OSとNixOSの両方で既知の問題とされている。
筆者は、さらにCPUコア数を4に増やして再挑戦したが、やはり失敗に終わった。そこで、ダウンロードファイル数が少ないと予想されるMinimal Editionを試したところ、ようやくインストールに成功した。
その後、仮想マシン特有の問題ではないかと推測し、余っていた実機へのインストールを試みた。今度はDaVinci Resolve Studioを含む構成を選択したところ、やはり46%で停滞したものの、そのまま待機すると無事に完了した。特筆すべきは、DaVinci Resolveの動作の軽快さだ。より高性能なハードウェアを積んだ他のマシンやディストリビューションで動かした際と比較しても、GLF OS上での動作は格段に優れていた。

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