
イタリアでメローニ首相(写真)が提唱した司法制度改革案が国民投票で否決され、右派連立政権にとっては来年の総選挙に向けて大きな打撃になった。ローマで23日撮影(2026年 ロイター/Remo Casilli)
[ローマ 23日 ロイター] – イタリアでメローニ首相が提唱した司法制度改革案が国民投票で否決され、右派連立政権にとっては来年の総選挙に向けて大きな打撃になった。
22-23日に実施された国民投票の開票作業がほぼ終了し、反対票は約54%と、賛成票の46%を上回った。
今回の改革は憲法改正を伴うもので、厳格な独立性を備えたイタリア司法の枠組み修正を図る内容だった。
メローニ氏はSNSへの投稿で「イタリア国民が下した判断をわれわれは尊重する。イタリアを近代化する機会を失ったのは残念だが、国益のために真摯かつ断固たる姿勢で取り組んでいくわれわれの決意に変わりはない」と述べ、辞任の意向がないことを改めて示した。
投票率は予想を大きく上回る約60%。政権と司法官の間の根深い対立に起因する感情的な選挙戦が繰り広げられた結果、有権者の関心が高まったとみられる。
メローニ氏はこの敗北により、地方選や国政選挙で連勝を重ねてきた過去4年間で有権者に浸透させた「勝者のオーラ」を失うことになった。
2016年に自身が提唱した憲法改正を伴う国民投票でやはり敗北して首相を辞任したマッテオ・レンツィ氏は「指導者がその魔力を失うと、人々は一斉に懸念を抱き始める。絶対にやってはならないのは、何事もなかったかのように振る舞うことだ」と語っている。
対照的にこれまで分断されていた中道左派勢力は勢いを取り戻し、最大野党の民主党と五つ星運動の間で、政権へ対抗する幅広い連携を構築する動きに弾みが付くかもしれない。
メローニ氏にとっては、国民投票実施のタイミングも悪かった。イタリア国民の中には、メローニ氏と親しいトランプ米大統領への嫌悪感がある上に、米国・イスラエルによるイラン攻撃で、既に高いイタリアの電力価格がさらに跳ね上がるのではないかとの不安が広がっていたからだ。
複数の世論調査担当者は国民投票前の時点で、反対票を投じる有権者の多くが、今回の投票を司法制度改革の高度かつ専門的で難解な内容の判断よりも、メローニ政権に対する不満を表明する手段にする公算が大きいとの見方を示していた。
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