日経新聞は、任天堂がNintendo Switch 2において、バッテリー交換が可能なEU向けモデルを準備中であり、将来的には日本や米国でも同様の対応が行われる可能性があると報じています。
同記事(有料)によると、これは2023年に制定されたEU電池規制に対応するものです。2027年2月以降、EU域内で販売される携帯用バッテリーを内蔵した製品は原則として、消費者が容易に取り外しや交換ができる仕様が義務付けられるためです。
また、Switch 2本体だけでなく、着脱式コントローラーであるJoy-Con 2のリチウムイオン電池についても、交換可能な仕様へ変更されるとしています。
この規制は「修理する権利」という考え方に基づいており、メーカーに対して交換部品、工具、修理情報を消費者へ提供することも求めています。さらに、産業廃棄物の削減を目的として修理・再利用・リサイクルを促進し、循環型経済を推進する「グリーンディール戦略」の一環でもあります。
実際に、スマートフォンメーカーもすでに対応を進めています。たとえばアップルはiPhone 16シリーズ以降、一定の電圧を加えることでバッテリー固定用の接着剤が弱まり、容易に取り外せる仕様を導入しています。
日経と任天堂の関係については、これまで長年にわたり摩擦がありました。たとえば2012年6月初めの記事で、発売前のWii Uについて「カーナビ・電子書籍機能、スマートフォン対抗」といった趣旨の報道がなされた際、任天堂は「当社が発表あるいは事実確認したものではなく、数多くの誤りを含む日本経済新聞社の憶測記事である」とする声明を発表しています。
もっとも、この報道はWii Uに関しては誤っていたものの、「現行モデル(ニンテンドー3DS)より約1.5倍大きい画面を持つ新型機」すなわち3DS LLについては(発表時期などを除き)的中していました。任天堂が全面的な否定にとどめなかった背景には、こうした事情もあると考えられます。
今回の日経報道の信ぴょう性については、EU規制自体が事実であることから、一定の現実性があると考えられます。実際、アップルも長年採用してきた独自規格のLightningコネクタを、EUでの販売継続を見据えてiPhone 15以降はUSB-Cへと移行しています。
また、「まずEU向けにバッテリー交換可能モデルを投入し、その後日本や米国向けにも同仕様を展開する」というシナリオも現実的です。任天堂製品としては、3DSにおいて「背面のネジを外してバッテリーを交換する」構造が採用されていた前例もあります。
一方で、iPhoneなどのスマートフォンがバッテリー着脱式へ移行しにくいのは、日常的に水回りで使用されることも多く、防水性能の低下につながる懸念があるためと考えられます。
その点、Switch 2は水場での使用が想定されにくく、公式にも防水性能が強調されていないため、ネジ固定式への移行は比較的容易とみられます。実現した場合、任天堂以外のメーカーから非正規の交換用バッテリーが登場する可能性もあります。
もっとも懸念されるのは、ユーザー自身がバッテリーを交換した場合に、任天堂の公式保証が無効となるかどうかです。特にバッテリーは非正規品の場合に発火などのリスクもあるため、任天堂が「正規バッテリー以外での交換は保証対象外」とする方針を採る可能性は十分に考えられます。

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