公開日時 2025年12月12日 05:00
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ドイツ歌曲を歌う仲本博貴=11月14日、那覇文化芸術劇場なはーと
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琉球新報朝刊
「第5回仲本博貴バリトンリサイタル~ブラームスは語る~」が11月14日、那覇文化芸術劇場なはーと小劇場で開催された。仲本がヨハネス・ブラームスらドイツの作曲家の歌曲を披露。仲本の県立芸大の先輩である比嘉雅人(琉球朝日放送)が作曲家たちの関係性を語り、彼らが切磋琢磨(せっさたくま)しながら作り上げたドイツ歌曲の世界を紹介した。ピアノは東江貴子が務めた。
第1部では伝統派のブラームスに批判的だった革新派のリヒャルト・ワーグナーらについて紹介した。ワーグナーの「温室にて」は、彼と「ただならぬ関係」にあったマティルデ・ヴェーゼンドンク夫人の詩に作曲したものだ。夫人の孤独と苦悩を思わせる詩を仲本は情感豊かに歌い上げた。
第2部ではブラームスや彼と交流の深かったローベルト・シューマン、クララ・シューマン夫妻の曲などを紹介した。
ブラームスは夫妻の娘ユーリエに恋をしたが、思いはかなわなかった。その後ユーリエは亡くなり、娘の死と息子の病に落ち込むクララを勇気づけようと、ブラームスは「雨の歌」「余韻」を作曲した。雨は涙のメタファーだという。深い悲しみとそこから抜け出そうとする思いが感じられる歌だった。(伊佐尚記)

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