ネットフリックス、ワーナー資産買収で合意 720億ドル

 米動画配信大手ネットフリックスは5日、メディア大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)のテレビ・映画スタジオとストリーミング部門を720億ドルで買収することで合意したと発表した。ロサンゼルス近郊で2日撮影(2025年 ロイター/Mike Blake)

[5日 ロイター] – 米動画配信大手ネットフリックス(NFLX.O), opens new tabは5日、メディア大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)のテレビ・映画スタジオとストリーミング部門を720億ドルで買収することで合意したと発表した。ハリウッドの歴史ある価値の高い資産を、メディア業界を揺るがすストリーミングの先駆者が手中に収める。WBDに対しては、パラマウント・スカイダンス(PSKY.O), opens new tabが、スピンオフ予定のケーブルテレビ(CATV)も含めた会社全体の買収で1株=約24ドルの条件を提示していたが、ネットフリックスがそれを上回る同約28ドルを提示し、NBCユニバーサルの親会社コムキャスト<CMCA.O, opens new tab>も含めた3社による、数週間にわたる買収合戦を制した。

WBD株の4日終値は24.5ドルで、時価総額は610億ドル。WBDは寄り付き前の時間外取引で4.4%近く上昇し25.6ドルとなった。一方、ネットフリックスは約3%、パラマウントは2.2%下落した。

パラマウントはWBDに1株30ドルを提示したとCNBCが速報で伝えた。ロイターはこの報道を確認することができず、このオファーがいつ出されたのかは不明。

今回の買収により、ハリウッドのパワーバランスがさらにネットフリックスに傾くとみられる。1億3000万人近い会員を抱えるWBDの動画配信サービス「HBO Max」もネットフリックスの傘下に入るため、米欧の独禁当局の審査が厳しくなるのは必至だ。WBDの売却入札が行われる前から、ネットフリックスとの取引は消費者とハリウッドに損害を与えかねないという声が議員からも出ていた。ネットフリックスは交渉中、自社のストリーミングサービスとHBO Maxの統合はバンドル提供のコストを下げ、消費者に利益をもたらすと主張したとされる。

競争縮小への懸念は映画界からも上がっている。世界的な映画興行の業界団体であるシネマ・ユナイテッドは、この取引が世界中の映画館に「前例のない脅威」をもたらすとした。

ネットフリックスは懸念払拭に向け、この買収によって加入者はより多くの番組や映画を見ることができ、米国での制作やオリジナルコンテンツへの長期的な支出が促進され、クリエイターにはより多くの雇用と機会が創出されると述べた。

今回の合意で、WBD株主は1株当たり現金23.25ドルと約4.50ドルをネットフリックス株で受け取る。WBDを1株当たり27.75ドル、株式で約720億ドル、負債を含めて827億ドルと評価。WBD買収観測に関する最初の報道前の9月10日のWBD株終値に121.3%のプレミアムを乗せた水準となる。

買収は、WBDのグローバル・ネットワーク部門であるディスカバリー・グローバルが上場会社として独立した後に完了し、時期としては2026年第3・四半期を想定する。買収完了後3年目までに少なくとも年間20億─30億ドルのコスト削減を見込むという。

買収が破談になった場合の違約金は、ネットフリックスがWBDに支払う場合は58億ドル、WBDがネットフリックスに支払う場合は28億ドルとなっている。

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