
「和菓子屋というか あんこ屋」皮をとり手作業でこす こだわり“あんこ” 創業130年余りの老舗が守る味と挑戦 山梨・御菓子司すがや
懐かしい時代を振り返るシリーズ「昭和100年」
今回は、創業から130年余り人気の絶えない都留市の和菓子店を取り上げます。代々受け継いできた味と次の時代を見据えた挑戦が光る老舗です。
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山梨県都留市中央3丁目にある御菓子司すがやです。
神奈川県からの来店者は:
「通るなと思って、せっかくだから寄ろうと思って来ました」
常連客は:
「昔ながらの味を守ってくれているところが好きです」
創業は1892年、明治25年です。今年で133年を迎えました。
すがや 提供
すがや店主(5代目) 菅谷賢一郎さん:
「創業当時は豆をいったり、せんべいを焼いたり、生菓子を少し作っていた」
「そこから父の代に和菓子専門ということで今の店になった」
代々守り継いでいる味、それが『あんこ』です。
菅谷賢一郎さん:
「北海道から取り寄せた小豆で、中の皮をとって白い部分だけ使う。皮も何回か工程によってむいて中だけを使ってあんこにする。創業から作り方が変わっていないです」
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小豆の皮をむくのが特徴で、昔ながらの手作業で行います。
菅谷賢一郎さん:
「機械化もしてみようと思ったが、うまくいかない」
「これでないと うちの味が出ない」
2代目の曽祖父・富二郎さんが考えた『あんこ』です。
菅谷賢一郎さん:
「和菓子屋というかあんこ屋という感じで、最中用のあんこ、お饅頭のあんこ、餅用のあんこ」
「ここまで(あんこに)こだわっている菓子店はないと思う」
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自慢のあんこをぎっしり詰めて…
店主の母・勝子さん:
「こういう様に合わせます」
八端最中
仕上ったのが店の看板商品「八端最中」。
曽祖父の代から100年以上続く商品です。
菅谷賢一郎さん:
「この地域の織物の中に“八端織”がある。絹のように滑らかなあんこを作るということで八端最中を作ったと」
常連客が最中を求めてやってきます。
常連客は:
「これとこれ」
「施設にいる兄貴が大好きで2週間に1回 面会に届けに行く」
100年以上愛され続けた味ですが、戦時中は苦労もありました。
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菅谷賢一郎さん:
「砂糖が入ってこない。東京の闇市に行って、小豆と砂糖を仕入れ、それでお菓子をつくっていたと聞いた」
激動の昭和が幕を閉じた平成元年には全国菓子大博覧会で最高賞となる名誉総裁賞を受賞しました。
こうした伝統の味を守るだけでなくそれに続く看板商品も生まれています。
かりんとう饅頭
あんこを最大限に生かして15年ほど前に賢一郎さんが考案した「かりんとう饅頭」です。
菅谷賢一郎さん:
「うちのあんこに合う黒糖、粉、油という形で全部あんこを中心に考えました」
「出来立てはカリカリして歯ごたえがあって、3日目くらいになると皮と油とあんこがなじんで、また違った味が楽しめます」
客は:
「とにかく かりんとう饅頭がおいしい」
「早く売れちゃうね、これね」
多い日には2000個売れる人気ぶりです。
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またかりんとう饅頭の包装紙のロゴは…
菅谷賢一郎さん:
「これが行商をしていた時の茶箱です」
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昭和初期に使っていた茶箱。歴史を大切にしてきた店の思いがうかがえます。
都留市に店を構え、長年街の移り変わりをみてきた すがや。
菅谷賢一郎さん:
「昔は商品も多くてにぎやかだったが、今では数少ない店になっているが、盛り上げていきたいと思って頑張っています」
さらに去年、新たにあんぱん饅頭も登場するなど、こだわりのあんこを生かし挑戦を続けます。
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すがや店主(5代目) 菅谷賢一郎さん:
「先代から受け継いだ味を守りつつ、次の世代につなげていきたい」

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