オランダの半導体メーカー、ネクスペリアは、中国の現地法人が支払いを拒否したとして、中国工場への供給を停止したと明らかにした。経営権を巡る内紛が続く同社の混乱ぶりが一段と鮮明になった。
中国の通信機器メーカー、聞泰科技(ウィングテック・テクノロジー)傘下のネクスペリアは、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)やBMWなど自動車メーカー向けに電源制御用の半導体を供給している。
ネクスペリアは10月29日、中国の組立工場へのウエハーの直接供給を停止すると顧客に通知。11月5日遅く発表した資料で、中国法人が確立されたコーポレートガバナンス(企業統治)の枠組みの外で行動し、グローバル経営陣の指示を無視していると説明した。
「中国工場から製品がいつ、どのように出荷されるかを把握できない。製造工程に対する透明性と監督が欠如しているため、10月13日以降にネクスペリアのこの施設から出荷された製品については、知的財産とテクノロジー、真正性、品質基準を保証できない」という。
オランダ政府は9月、聞泰科技がネクスペリアの経営を妨げ、重要部品の供給に支障をきたしているとの懸念から、同社を巡る拒否権を確保。
これに対し中国は、ネクスペリア製品の輸出を制限する措置を取るなどし、両国の対立が深まり、自動車産業のサプライチェーンに影響が及んだ。このため自動車メーカーは生産ペースを落とさざるを得なかった。
ネクスペリアは今月5日、中国法人によるウエハー代金の未払いは単一の事例ではないと指摘。正当な理由や説明のないまま会社の印鑑が流用されたほか、顧客や下請け、取引先、従業員に対し虚偽の内容を記した未承認の書簡が送付されたと主張した。
聞泰科技の担当者はコメント要請に応じなかった。
ネクスペリアの資料によれば、中国法人は「無断で銀行口座を開設し、顧客に対してその口座に送金するよう指示していた」という。
中国政府はネクスペリアの輸出に対して一部免除を認めると1日に発表した後、今週に入りオランダ政府が紛争解決に十分な措置を講じていないと批判。
ネクスペリアは中国の対応を歓迎しつつ、サプライチェーン復旧への中国側の姿勢を評価するが、制限解除に関する条件や手続きなどの詳細を確認したいと5日にコメントした。
原題:Nexperia Says It Halted Supply After China Unit Refused to Pay (抜粋)

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