横浜市 火葬需要増で斎場ひっ迫 新施設整備で改善図る〈横浜市神奈川区〉

火葬需要増で斎場ひっ迫

昨年度の横浜市内の死亡者数は4万人を超え、それに伴い火葬需要も増加している。市内5カ所の斎場では受入可能数も限界が近く、火葬待ち日数も年々長期化の傾向にある。市は鶴見区に新しい斎場の整備を行っており、2027年の3月から供用を始め、火葬待ち日数の短縮につなげる意向だ。

昨年度の横浜市内の死亡者数は、4万575人と近年で最多だった。死亡者数は5年前に比べて約1・2倍で今後も増加の見込み。市の推計では59年に死亡者数が5万人を超えるとされている。

死亡者数増に伴い、市内斎場の火葬件数、需要共に増加している。市内には西区、戸塚区、金沢区、緑区の4カ所に市営斎場があり、神奈川区にある民営1カ所と合わせて5つの斎場がある。

昨年度は5斎場54炉での火葬は3万9781件だった。また、市営4斎場では受入可能な1月の火葬件数を3456件としており、限界に近い。市営4斎場の火葬待ち日数は平均で5日を超え、長期化の傾向にある。

市健康福祉局は「正午前後の火葬希望が多く枠が取れないために待ち日数が長くなってしまうこともある」と説明する。市は待ち日数を短縮しようと、それまで閉場していた「友引」の日にも輪番で1カ所を開くなどの対応を行ってきた。

また、既存斎場の火葬炉増設を検討したが、増築が必要なことや工期が長期間に及ぶことなどから見送られ、鶴見区に「東部方面斎場(仮称)」の新設を決定した。

1万2千体の火葬可能に

同斎場の供用が開始されると、年間1万2000体の火葬が可能となり、現在の火葬待ち日数が短くなることが見込まれる。現在、鶴見区では市営斎場と離れているため、区民の火葬の約1割は川崎市などの市外斎場を利用している。このため、新斎場は鶴見区や港北区、神奈川区などからの利用が予測される。

市の担当者は「新斎場ができれば今後30年間の火葬需要に対応できる。火葬待ちの長期化解消はもちろん、将来にわたって安定的な需要に応えたい」と話している。

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