トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が貿易を巡る緊張緩和で一致すれば、関税による米中経済への影響は抑制され、中国が対米輸出の多くを維持できそうだと、ブルームバーグ・エコノミクス(BE)が分析した。
マエバ・クザン、ラナ・サジェディ両エコノミストはリポートで、米国が中国へのフェンタニル関連の20%関税を撤廃する一方、分野別関税と10%の追加関税率を維持した場合、中国の対米輸出の減少幅は10%未満にとどまると推定。現行水準の関税が維持された場合には70%減が想定されている。このシナリオでは、米国の国内総生産(GDP)への打撃も0.5%に縮小するとしている。
こうした結果への期待感から、グローバル市場は堅調に推移している。米中首脳は30日に韓国で会談する予定で、その前段階として両国が先週末に枠組み合意に至った。
マレーシアで26日に協議が終了した後、中国側は輸出規制やフェンタニル問題、船舶入港料などに関して暫定的な共通認識に達したと説明。一方、ベッセント米財務長官はトランプ氏による対中100%関税の警告は「事実上撤回された」とした上で、中国が大規模に大豆を購入し、広範なレアアース規制を先送りするとの見通しを示した。
BEはさらに、2つの代替シナリオを提示している。
中国孤立シナリオ:中国の産業政策による過剰生産能力の問題が海外に広がり、他国が米国型の関税を導入、中国が報復する展開この場合は中国が2030年までに最大GDPの4%を失う北米要塞化シナリオ:米国とメキシコ、カナダ3カ国が連携を強化し、相互の関税を撤廃する一方、その他全ての国に対しては関税を引き上げ、他国も報復する展開この場合はカナダとメキシコが最大の打撃を受ける一方、中国は米国向け輸出の関税回避ルートを失う
現状では、複雑な関税構造の結果として、米輸入業者が直面する平均関税率は16%近くと、1年前の2%強から急上昇している。
クザン、サジェディ両氏は「米国が世界貿易から距離を置けば、GDPへの打撃は30年までに0.7%に上り、最大の敗者となる可能性がある」と指摘。「国内製造業にプラス効果があったとしても、サービス業の損失や原材料コスト上昇がこれを上回り、米経済全体ではむしろ悪化する公算が大きい」とコメントした。
原題:US-China Trade Detente Would Limit Tariff Blow for Both, BE Says(抜粋)

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