ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.10.10 14:53

◆スタート44年で累計観客数2億人超

一方、文化的価値は自生的に作られた。忠誠度が高いファンがプロスポーツを支えた。映画『海雲台(ヘウンデ)』(『TSUNAMI -ツナミ』)で球場の網にぶらさがって李大浩(イ・デホ)選手をやじる俳優ソル・キョングの姿を思い出してほしい。このように形成された「プロの時代」は我々の余暇の標準を変えた。今年プロ野球は9月11日に累計観客2億人を超え、さらに高まった人気を証明した。

限界も表れた。結果中心の順位と成績だけが浮き彫りになった。プロスポーツ生態系の他の部分、例えばリーグ運営、中継放送レベル、メディア、スポーツマーケティング、マネジメントなどの同伴成長が十分でなかった。しかし技術が優れた韓国選手が海外に進出し、ファンも海外リーグを経験しながら国内試合の全般的なレベルも高まった。車範根(チャ・ボムグン)、朴賛浩(パク・チャンホ)、パク・セリなど海外第1世代を経て孫興慜(ソン・フンミン)、李政厚(イ・ジョンフ)、高真栄(コ・ジンヨン)の時代が開かれると、ファンは海外選手の技術はもちろん品性も評価し、国内プロスポーツの基準もまた上昇した。

◆韓国プロスポーツの地平を広げた主人公

もうプロスポーツは韓国人が笑って泣く日常の一部になった。指先が器用なわが民族はインターネット・モバイル環境の登場と共に多様なスポーツコンテンツ・ショートフォーム・ミームなどを共有する。「直観文化」と表現される観戦は依然として「聖地」と呼ばれる競技場で完成するが、その消費はオンラインとモバイルで拡散する。音楽・ドラマ・飲食などで始まったKカルチャーのグローバル拡散はKスポーツにも同じ可能性を与える。以前に車範根(ドイツ)、朴賛浩(米国)、朴智星(パク・チソン、英国)が選手個人で海外に進出したとすれば、今後、Kスポーツはチーム、種目としてグローバル消費者を呼び込むだろう。

1982年に東大門運動場で初めて打球の音が響いてから我々はプロスポーツという新しい夜の楽しみを得た。プロスポーツという名の新しい広場が開かれた。庶民はそこでつらい生活をしばらく忘れて、大声で叫びながら応援した。かつては新軍部の統治道具だったが、大衆が完成させたのはそれまでの慣習から抜け出して生活を変える文化だった。権力の思惑、企業の利害、地域の自尊心、ファンの愛などそのすべての目的をまとめて今日のプロスポーツは問うている。「我々のスポーツは文化と伝統の産業的価値を追求するのか」。トリガーは引かれ、ファンダムは応答している。

<創刊企画「大韓民国トリガー60」㊳>第5共和国の統治手段だったプロ野球、日常の祭りに「ホームラン」(1)

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